30代の不妊、不妊ストレスが強い鍼灸症例

30代の不妊、不妊ストレスが強い

婦人科症例9:一人目不妊

患者さま

30代 女性

初来院

2017年8月16日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

5年前から妊活開始。
自分たちでタイミングを取るも、授からないまま時間が過ぎる。
9ヶ月前に初めて病院を受診。
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が高いと指摘され、専門病院に行き内服薬(チラーヂン)を処方される。
それ以外の問題は指摘されず、本人が人工授精を希望されていたので、人工授精から治療スタート。
AIHを4回行って成果は出ていない状態。
しばらくはこのままAIHを継続したい、が同時に身体づくりもしたいということで当院に来院。

不妊の他にも以下のような悩みがある
・不妊の強いストレス
・冷えのぼせ
・疲れ
・肩こり
・めまい
・アトピー性皮膚炎

治療方針

自律神経系の乱れが強くあり、それが身体のあちこちで不調になっている。
その原因は「不妊ストレス」である。
気の滞りと巡りの悪さのせいであろう。
また気の量の少なさがめだつので、気を補いつつ巡らせるように心がける。
冷えのぼせも自律神経系の乱れだが、冷えよりも熱化することの方が多いので、温灸などは控えつつ、足先だけ声かけしながら温めるようにする。

治療と経過

1回目。
「中カン」「関元」「左天枢」にお灸。「合谷」「曲池」「陰陵泉(+円皮鍼)」「太衝」「太渓」に鍼。「天柱」「心兪」「肝兪」「腎兪」に鍼+お灸。
2~14回目(1週に1回ペース)。
途中肩こり・めまいなどがひどくなる時もあり、その時々にあわせて変化はつけつつも1回目を基本として施術継続。
めまいは1・2回の施術で消失する。
生理が来ると落ち込みが強いので、耳つぼ(安心穴の多用)治療をする。
AIHを通算6回行い結果が出なかったので、(鍼灸開始3ヶ月後の周期で、)体外受精にステップアップすることにする。
初めての採卵で、8個の胚盤胞の凍結ができる。
15~18回目(1週に1回ペース)。
移植の周期に入る。
このころには肩こりや日々の疲れはあるものの、身体の不調はあまり言わなくなる。
足が冷えている時はホットパックなどをするが熱くならないよう心がける。
ただし虚を補う意味でお灸を腹部にはしっかり行う。
18回目の施術の際に、病院の判定日に「陽性反応」をもらった旨を聞く。
19~21回目(2週間に1回ペース)。
妊娠初期にも継続して鍼灸を受けていただく。
つわりが若干あるものの、ひどくならずに経過中。
21回目の施術を終えた時点で現在妊娠10週目で鍼灸も継続中。

同時に治療した症状

・不妊の強いストレス
・冷えのぼせ
・疲れ
・肩こり
・めまい

まとめ

物静かな方でストレスをため込むタイプなのか、外側にそれを出すようなことはなかったので接している分にはそのストレス度合いはわかりづらかった。
ただし、ストレスの強まりがめまいや肩こりなどとして出ていたようだ。
性格と連動しているので、なかなか鍼灸だけでどうにかできるものではないが、すこしでもコリをやわらげ、気を補うようにすることで、精神的にも穏やかに過ごせるよう心がけた。
人工授精以上へのステップアップには抵抗もあるという初診であったが、その後、体外受精にステップアップし、初回の採卵で8個の胚盤胞ができ、1回目の移植で妊娠した。
結果的には、鍼灸で体調を整えつつ、病院でできる一番確率の良い治療(体外受精)が奏効したケース。
何を選択するのが一番ストレスがないのか?
これは本人にしか分からないことで、「正解のない問い」ではあるが、ストレスが強い人は早い段階で一番可能性の高い治療に挑戦するなど、ストレスをどう減じるかを最重要ととらえてもいいのかもしれない。