更年期のホットフラッシュや動悸が鍼治療で36.7%改善

更年期のホットフラッシュや動悸が鍼治療で36.7%改善

更年期のホットフラッシュや動悸が鍼治療で36.7%改善|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

女性は50歳前後で閉経を迎えます。
この閉経の前後10年間(一般的に45~55歳頃)を“更年期”と呼びます。
加齢とともに卵巣機能が低下し、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれやすい時期でもあります。
ただ、更年期症状は女性ホルモンの減少だけでなく、生活習慣や心理要因(仕事や家族環境など)も複雑に関係しますので、現れる症状も多岐にわたります。

今回は、その中でも「血管運動神経症状」と呼ばれるものについてです。
具体的には「ホットフラッシュ、冷えのぼせ、動悸などの症状」です。
それらに鍼治療が役立てるという研究をご紹介します。

『鍼治療は更年期関症状を有意に改善する可能性がある』
https://nccih.nih.gov/research/results/spotlight/acupuncture-menopause-symptoms_2016

【概要】
1日あたり少なくとも4回の更年期症状(ホットフラッシュや動悸など)があり、少なくとも3ヶ月間月経がない、45〜60歳の209人の女性を対象にした。
参加者は2つのグループに分けられた。
第1群は「最初の6ヶ月間鍼治療を受け、次の6ヶ月間は通常のケアを受ける」グループ。
第2群(対照群)は、順番が逆「最初の6ヶ月間の通常のケアと次の6ヶ月に鍼治療を受ける」グループ。
鍼治療は経験豊富な鍼灸師によって、最大20回行われた。
参加者は、更年期症状の頻度およびつらさの程度を毎日記録した。
結果、鍼治療によって更年期症状が36.7%も大幅に減少し、ホットフラシュ、睡眠の質、身体的症状、および不安などの改善が見られた。
これらの効果は鍼治療が終了してから6ヶ月間も持続した。
結論。更年期症状に対して鍼治療は有意で持続的な利益がある。

当院の考察

更年期ホットフラッシュ鍼灸

更年期障害のホットフラッシュや冷えのぼせ、動悸に鍼が効果を発揮する、という結果でした。
これは普段、日常的に当院でも経験することを研究という形で提示してもらったような結果です。

今回治療対象になった症状、急な熱感(ホットフラッシュ)や冷えのぼせなどは「自律神経系の不調」です。
鍼灸は自律神経の働きを整える作用があることは分かっていますので、当然、こういった症状に効果を発揮します。

ただし、万人に効くどこかひとつだけ急所のようなツボがあって、そこさえ鍼灸しておけば済むと言ったものでもありません。
やはり、その人の体質的な傾向を見定めて、その人ごとにアレンジしたツボへ鍼灸を施すことで、自律神経系も整うと考えられます。

また、論文でも「施術は6ヶ月間で最大20回」と書いてあるように、やはり継続的な施術も大事になります。
おそらく10日に1回程度のペースで半年間、という感じでしょう。
1・2回の施術で止めてしまうのではなく、最低でも週1回×4回の1ヶ月は試しての変化は見て欲しいと考えます。

更年期障害は「生活の質」を落とす症状が多いので、生活習慣でカバーしきれないつらさにはいろいろなケアを取り入れて欲しいです。
病院の治療もアリでしょうし、鍼灸も十分その一翼を担える選択肢です。
ぜひ頼ってみてください。

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