自律神経失調症|喉のつまり感・動悸が改善した鍼灸症例【60代・不安症あり】

長年の不安症+手術後の喉のつまり感・動悸が鍼灸で改善

のどのつまり感と動悸

不安やストレス等は心の問題で、「体とは無関係」と思われがちですが、違います。
心の疲弊は体に出ます。

心の問題は、体の自律神経のバランスを崩すからです。
自律神経系は体のバランスを保っている重要なシステムですので、そこが乱れれば、心身に様々な不調をもたらします。

自律神経の乱れには、たとえば、寝つきが悪い不眠・フワフワするめまい・動悸・胃もたれなどがあり、これらは当院にいらっしゃる方にもよくある症状です

「そんな心の問題を、鍼灸(東洋医学)でどうやって改善するのか?」と疑問に思われるかもしれません。

しかし心の問題は、ココロで解消しようとしてもうまくいかないことが多いです。
「不安にならないようにしよう!」と心に決めても不安はなくならないです。

そこで体からのアプローチが有効なのです。
当院では、東洋医学に基づいた鍼灸治療により、心身の調和を取り戻し、症状の改善をサポートしています。

今回は、長年不安症を抱え、手術後の体調不良をきっかけに喉のつまり感や動悸といった症状に悩まされていた60代女性が、鍼灸治療を経てどのように改善したかを紹介します

まさに心の問題が体に出ていて、それに悩んでいるケースです。

当院で実際にあったリアルな体験談です。

患者さまの情報と経緯

年齢・性別・お住まい:
60代 女性・船橋市在住

鍼灸院に来るまでの経緯:
30年前からパニック障害・不安症を患っていました。

3ヶ月前に腸閉塞で入院・手術をしました。

その手術後2ヶ月が経過した頃から、食事を飲み込もうとすると喉が詰まるように感じるようになりました。
また暗いニュースなどを見るだけで動悸や不安感が増すようになりました。
同時にめまい、冷え、不眠、体のあちこちの痛みなどの症状も出現してきました。

以前は漢方薬を服用していたことがあります。

患者様は30年来の不安症に加え、手術後の体調不良が重なり、心身ともに疲弊した状態でした。
とくに、食事時の喉のつまり感は日常生活に支障をきたしており、精神的な不安も増幅させていました。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、心と体は密接に繋がり、互いに影響を及ぼし合っていると考えます。

今回の患者様の症状は、「肝うつ」と「気血両虚」、とくに「心血不足(心陰虚)」が複合的に関与していると判断しました。

肝うつ:
ストレスや精神的な抑圧により、肝気の流れが滞った状態。
喉のつまり感、動悸、不安感などは肝うつの代表的な症状です。

気血両虚:
全身のエネルギーである「気」と、血液や体液などの栄養物質である「血」が不足した状態。
めまい、冷え、不眠、体の痛みなどは気血両虚によって引き起こされると考えられます。

心血不足(心陰虚):
心は血を主り、精神活動を司るとされています。
心血が不足すると、不安感、動悸、不眠などの精神神経症状が現れやすくなります。
手術という身体的な負担に加え、長年の不安症が心身のバランスを大きく崩し、様々な症状を引き起こしている状態でした。

治療方針

今回の治療では、気の滞りを解消し、気血を補うことを中心に、心身のバランスを整えることを目指しました。
とくに、精神的な安定に深く関わる「心」を養うことを重視し、リラックス効果の高いツボへの刺激を心掛けました。

肝気の疏泄:
滞った肝気をスムーズに流し、精神的な安定を促します。

気血の補:
気血を補い、全身の機能回復と体力の向上を図ります。

心血の滋養:
心を養い、精神的な安定と安眠を促します。

施術中は患者様の訴えに耳を傾け、その時々の辛い部分にも軽く鍼を当てるなど、心身両面からのケアを心掛けました。

全体的な刺激量はソフトにし、患者様の負担にならないように配慮しました。

治療内容と実際の経過

1回目:
仰向けで、足の脾経・胃経と手の心包経にMT温灸器で温熱刺激をしました。足先にホットパックを当てて温めました。
横向きで、「膈兪」~「腎兪」辺りにMT温灸器で刺激をしました。

当院でのMT温灸器の使い時は「弱い刺激で“気持ち良い”を最大限出したい時」で、おもに「エネルギー不足(虚弱)」と「気づまり(肝うつ)」がある人に行います。
まさに今回の患者様にはうってつけの初回でした。

初回は軽めの刺激で身体を温め、リラックス効果を高めることを目的としました。

2~4回目(週2回ペース):
仰向けで、「三陰交」「足三里」「合谷」「缺盆」に浅く置鍼をしました。「上脘」付近に棒温灸をしました。「内関」にお灸を行いました。
うつ伏せで、「背部兪穴」に浅く置鍼をし、棒温灸を当てました。

鍼灸院や鍼灸治療への怖れや不安が減ってくるのに合わせて、徐々に鍼やお灸の刺激量を増やし、症状の改善を促しました。

喉のつまり感や動悸は徐々に改善しましたが、代わりに首のコリ痛みや足の痛みなどが現れるようになりました。

これは、滞っていた気の流れが動き出したことによる好転反応であると考えられます。

5~9回目(10日に1回ペース):
同様の施術を継続。
動悸や喉のつまりはほぼ消失し、食事も普通に摂れるようになりました。

不安感を感じやすい傾向は残るものの、施術後は症状が緩和されるようになりました。

現在も継続治療中ですが、当初の辛い症状は大幅に改善し、日常生活を快適に過ごせるようになっています。

鍼灸師としての感想とまとめ

1回2回で大きな結果を出そうとするよりも、継続して「最終的に良くなる」ゴールを目指す方が、じつは近道だと経験上感じます。

今回の症例は、長年の不安症に加え、手術後の体調不良が引き金となり、自律神経のバランスを大きく崩していましたが、鍼灸で大きく改善したケースでした。

当院では、東洋医学に基づいた鍼灸治療により、気の滞りを解消し、気血を補うことで、心身の調和を取り戻すお手伝いをいたしました。

不安やストレスを解消する(気の巡りを良くする)ことで、喉のつまりは早期に改善がみられましたが、本来の虚弱からく症状の改善にはもっと長期間が必要でしょう。
30年来の不安症という体質的な要素には、時間も必要です。

当院では、短期的な症状の改善だけでなく、長期的な健康維持のためのメンテナンスも重視しています。

もしこれをお読みの方で、心身の不調でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
丁寧なカウンセリングと東洋医学に基づいた的確な治療で、皆様の健康をサポートいたします。

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