腰痛
そもそも腰痛とは
腰は日常生活のほとんどの活動に関わり、その場所に痛みや不快感の出る腰痛は生活に支障をきたす症状です。
腰痛は様々な要因によって引き起こされます。
筋肉の炎症や損傷、神経の圧迫、姿勢の悪化、骨の異常などが原因として挙げられます。
また、加齢や過度の身体活動、運動不足、ストレスなども腰痛の発生要因となり得ます。
腰痛は、痛みの程度や症状の種類によって様々なタイプに分類されます。
急性腰痛(ぎっくり腰)は突然の痛みで、筋肉や靭帯の急性の損傷によって引き起こされます。
慢性腰痛は、数ヶ月以上続く痛みで、長期間の負担や炎症、神経の損傷などが原因となります。
腰痛の症状は、
腰部だけでなく、お尻や足のしびれ、筋力低下などを伴う場合もあります。
腰痛を放置するとダメな理由
腰痛は体の不調を示すサインであり、無視せずに適切な対処が必要です。
まず腰痛を放置すると、腰痛が慢性化する可能性があります。
放置すれば痛みが続き、日常生活に支障をきたすことがあります。
仕事や家事の遂行が困難になり、生活の質が低下する恐れがあります。
また、痛みが長期間続くと、心理的なストレスやうつ症状の発症にもつながることがあります。
さらに、腰痛が他の健康問題を引き起こす可能性もあります。
例えば、腰痛による運動制限や不活動が、肥満や心血管疾患、骨粗鬆症などのリスクを増加させることがあります。
腰痛はまた、神経の圧迫や損傷によって、下肢のしびれや筋力低下などの神経症状を引き起こす可能性もあります。
以上から、
腰痛を放置せずに早期にケアすることが重要です。
定期的なストレッチや適度な運動、姿勢の改善、マッサージや鍼灸などの施術を受けることで、腰痛の症状を軽減し、健康な生活を送ることができます。
腰痛と鍼灸
鍼灸(東洋医学)では、体に「気・血・水」が過不足なく円滑にめぐっていることで健康が保たれると考えます。
つまり腰痛は、その気血水のいずれか(もしくは複数)の過不足や滞りがある状態とみます。
基本的にはコリや痛みは「滞りがあることが痛みになる」と考えます。
ですので、
気の滞り・血の滞り・水の滞りが腰痛の原因となります。
また、
腰に関連の強い臓腑(内臓)の変調とも捉えます。
臓腑では、腰痛はおもに腎(じん)に関連しますが、脾や肝の働きにも影響されます。
鍼灸の腰痛治療においては、個々の患者さんの体質や症状に基づいた総合的なアプローチを重視します。
患者の体のバランスを整え、気血水の流れを促進し、臓器の機能を調整することで腰痛の緩和や改善を図ります。
以下に、代表的な腰痛のタイプを説明します。
寒邪による腰痛
寒い環境での仕事、冷たい風やクーラーなどに長く当たることで、冷えが気血を滞らせて腰の筋肉がコリになるタイプです。
腰の筋肉に急にこわばり・ひきつりを感じ、温めると一時的に和らぐ傾向があります。
血の滞りによる腰痛
同じ姿勢を続けるようなデスクワークなどで動かないと、血が滞り腰痛が起きます。
いつも同じ場所が凝っていて、朝寝起きや、座った状態が長く続くと悪化します。
刺すような痛みが出やすく、痛みの程度も強い傾向があります。
水の滞りによる腰痛
余分な「水」が滞った状態で、それが腰の筋肉の気血を妨げることで起きるタイプです。
冷たいもの、生もの、アルコールのとりすぎなど胃腸を弱らせた時、湿気の多い季節、曇りや雨の日などに起こりやすいです。
腰は重だるく痛みます。
気の滞りによる腰痛
ストレスなどの精神疲労が続くと気が滞り、それが血の滞りも生み腰痛になるタイプです。
イライラしたり、怒りっぽくなることで気を巡らせる働きが落ちるため、血流をスムーズに保てなくなります。
腎のエネルギー不足による腰痛
加齢や慢性疲労などで腰と関連の深い腎気が弱り、腰が重だるく力が入らない腰痛となります。
足腰のだるさが目立ちます。
以上のように、
腰痛と言っても、個々の患者さんの体質や病状に合わせて判断し、体のバランスを整えることで改善する必要があります。
腰痛に効く代表的なツボ(経穴)
以下に腰痛治療でよく使うツボをご紹介します。
【腎俞（じんゆ）】
腰痛に効果的なツボでコリなども出やすい場所です。
腰の筋肉の緊張や炎症、ぎっくり腰(腰椎捻挫)などを改善するために使います。
ウエストラインの背骨から指2本分外側の左右にあります。
【腰陽関（ようようかん）】
腰椎椎間板ヘルニアなどで痛みの出やすい場所です。
腰痛や腰部の弱りに働くツボです。
腰椎4番と5番の間にあるツボです
【委中（いちゅう）】
腰からお尻から足にかけて痛みやしびれがあるときに効果的なツボです。
膝関節の後ろ側の中央のあたりにあります。
【復溜（ふくりゅう）】
腎のチカラを補う作用があり慢性腰痛を和らげるツボです。
むくみをとるのにも良いと言われます。
内側のくるぶしから指3本分上の少し後ろ側にあり、アキレス腱の縁のあたりです。
【関元（かんげん）】
お腹にあるツボで、腎のチカラを補う作用があり慢性腰痛を和らげるツボです
おへその指4本分下にあるツボです。
以上のツボは、腰痛緩和や改善に効果的なポイントです。
ただし、
個々の患者さんのタイプに応じて、適切なツボの選択が重要になります。
当鍼灸院では、患者さんの状態を東洋医学で総合的に判断し、個別の施術計画を立てていきます。
腰痛鍼灸のよくある質問と回答
Q: 腰痛って本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療は腰痛の改善に効果があります。
鍼を用いてコリを直接ほぐし、お灸で温めつつ血行を促進し、全身の自律神経の乱れを緩和し血流を整え、コリや痛みや不快感を軽減します。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
症状が改善されたら、徐々に間隔を開けていきます。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が腰痛にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術はコリの場所に直接的に刺激してコリと痛みの緩和をはかります。
また自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、腰の不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 腰痛以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、頭痛、肩こり、不眠、婦人科疾患、冷え、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 料金はどのくらいですか？
A: 初回はお試し部分鍼灸ですと2200円。2回目以降は全身鍼灸になり7700円です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸の治療は妊娠中でも受けられますか？
A: はい。鍼灸治療は妊娠中でも受けられます。
妊娠中はホルモンのバランスや血液の量が変化するため、コリや痛みが出やすくなります。
鍼灸はこれらの症状を緩和するだけでなく、母体の健康にも良い影響を与えます。
ただし妊娠中に鍼灸を受ける場合は、必ず妊娠の有無や週数をお伝えください。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
腰痛への鍼灸の論文・研究
海外の研究でも腰痛の鍼灸施術の有効性は確かめられています。
●2007年の報告では、深くまで刺す鍼治療群と浅く刺す鍼治療群と非鍼治療群の比較では、深く刺す鍼も浅く刺す鍼も非鍼治療群より腰痛の改善が報告された。
（『慢性腰痛に対するドイツの鍼治療：3群の無作為化、多施設、盲検、並行群試験』German acupuncture trial for chronic low back pain : randomized,multicenter,blinded,parallel-group trial with 3 groups.Arch Intern Med,2007）
●2006年の報告では、西洋医学治療のみ群と鍼治療を併用した群を比較した結果、西洋医学治療に鍼治療を併用した群の方が腰痛の改善がみられた。
（『慢性腰痛に対する鍼治療の有効性とコスト効果の実用的な無作為試験』Pragmatic randomized trail of effectiveness and cost-effectiveness of acupuncture for chronic low back pain.Am J Epidemiol,2006）
当鍼灸院でも、あなたの腰痛を少しでも良くするために最大限の施術をさせていただきます。
