病院では「年のせいと」言われた腰痛の鍼灸症例

病院では「年のせいと」言われた腰痛

腰痛症例

患者さま

50代 女性

初来院

2017年10月30日

お悩みの症状

・右の腰から足にかけてが重痛い

初来院までの経過

4~5年前から少しずつ痛み、昨年は整骨院やマッサージに行くが一時的な改善のみ。
痛みは増してきていて、歩く時も痛みが出て、気分が滅入る。
病院では「年によるものと立ちっぱなしの仕事が原因」と言われた。
その他、中途覚醒型の不眠と疲れ感が強い。右手首にも運動痛がある。

治療方針

なんにでも一生懸命な感じの方で、そのために心身に疲れやすくなっている。
腰痛は、腰の筋肉などの栄養状態が悪い(気血の不足)+血流が悪いことからと見立てる。
東洋医学では栄養不足が鈍い痛みを生むと考えているので、カラダの持つエネルギーアップ(と血流促進も少々)につながるツボを多く選ぶようにする。
また「頑張り屋さん」が生む心理的な疲れに対応すべく、リラックスに役立つツボも使うことにする。

治療と経過

1回目。
「中カン」「関元」に温灸。「足三里」「曲池」「太渓」に鍼。「肩こりの部位」「心兪~肝兪間の虚反応穴」に浅めの鍼。「腰のコリ痛みの部位」に鍼+お灸+円皮鍼。
2回目(1週間後)。
治療後少し眠気が出る。腰の痛みは少し改善。基本的に同様の治療をする。
3~5回目(1週間に1回ペース)。
仕事が忙しいなどの負荷がかかると腰や手首の痛みはでるものの、ひどくなることなく経過。
動悸やめまいなどはない。
良い状態にさらに近づけるため、1~2週に1回の継続通院中。

同時に治療した症状

・手首を動かすと痛む
・首肩こり
・視力低下

まとめ

立ちっぱなしの仕事や孫の面倒をみたりと、忙しく日々過ごす中で「カラダがついてこない」ことへの不満・不愉快があったが、鍼灸で少しずつ改善していることで鍼灸の価値を感じていただいている。
ただし、毎回工夫しているものの、手首の痛みはなかなか変化しない。
この方の場合、疲れ感を取ることが重要だと考えている。
カラダの疲れももちろんだが、気持ちの疲れの方にも寄り添うことで、結果的に肉体的なつらさを減弱できると考えている。