妊活鍼灸開始後、わずか1ヶ月で妊娠の鍼灸症例
不妊鍼灸開始1ヶ月での妊娠の鍼灸治療
「赤ちゃんが欲しい…」そう願うすべてのご夫婦にとって、妊活は心身ともに大きな挑戦です。
病院での不妊治療を選択する方もいれば、できる限り自然な形で妊娠を望む方もいらっしゃいます。
近年、東洋医学の鍼灸が、体質改善を通して自然な妊娠をサポートする方法として注目を集めています。
当院では、お一人おひとりの身体と心に寄り添い、本来持っている自然治癒力を高めることで、妊娠しやすい体づくりをサポートしています。
今回は、鍼灸治療開始後わずか1ヶ月で自然妊娠に至った30代女性の鍼灸症例をご紹介します。
この症例を通して、鍼灸が妊活にどのように貢献できるのか、当院の治療に対する考え方や特徴について詳しくお伝えすることで、同じように自然な妊娠を望む皆様の希望となれば幸いです。
患者さまについて
年齢・性別:
30代後半の女性
鍼灸院に来るまでの経緯:
お一人目の妊娠を希望されており、2ヶ月前からご夫婦で自分たちでのタイミングを試されていました。
以前から生理痛がひどく、生理不順の傾向もあったため、6年前に婦人科を受診しピルを処方された経験があります。
しかし、薬を服用することに抵抗があり、半年ほどで中断。
その後も生理痛はあり、とくに寒い時期や仕事でストレスが溜まると症状が悪化するとのことでした。
生理周期自体は比較的安定していましたが、体質改善を通して妊娠しやすい身体づくりをしたいと考え、当院にご来院されました。
初診時の問診で、以下の症状が確認できました。
・低血圧(最高血圧86mmHg、最低血圧58mmHgなど)による寝起きの倦怠感
・肩こり、目の疲れ
・時折起こる頭痛
・手足の冷え
・慢性的な疲労感
東洋医学的考察
東洋医学では、人間の身体は「気・血・水」という3つの要素によって構成されていると考えます。
「気」は生命活動の根源となるエネルギー、
「血」は身体を栄養する液体、
「水」は血液以外の体液を指します。
これらのバランスが崩れると、身体に様々な不調が現れます。
妊活において重要なのは、子宮や卵巣の機能と密接に関係する「肝」「脾」「腎」の働きです。
「肝」は血を貯蔵し、全身に気を巡らせる役割を担います。
ストレスの影響を受けやすく、気の巡りが滞ると生理不順や生理痛の原因となります。
「脾」は飲食物から気血を作り出す源であり、消化吸収を司ります。
脾の機能が低下すると、気血の生成が滞り、身体の栄養不足を招きます。
「腎」は成長、発育、生殖を司る「精」を貯蔵する場所であり、生命の根本的なエネルギーを蓄えています。
腎の機能が低下すると、生殖機能の低下に繋がります。
問診で聞いた情報などから、体のエネルギーである「気」と、体を栄養する「血」の不足、いわゆる「気血両虚」の状態であることが分かりました。
また、気血の巡りが滞っている「気滞血瘀」の状態も併せ持っていると考えられました。
たとえば、低血圧や冷え、疲労感は「気虚」、生理痛は「血瘀」、以前からの生理不順は「肝鬱」と捉えることができます。
これらの状態を改善するために、それぞれの臓腑の働きを整える治療が必要となります。
治療方針
上記の東洋医学的考察に基づき、以下の治療方針を立てました。
・「肝」「脾」「腎」の機能を補い、気血を充実させる。
・気血の巡りを促進し、滞りを解消する。
・心身のリラックスを促し、ストレスを軽減する。
これらの目的を達成するために、鍼灸治療と温灸を組み合わせた施術を行いました。
治療経過
1回目:
初診時に上記の症状を詳しく伺い、脈診・舌診などの東洋医学的な診断を行い、治療方針を決定しました。
仰向けで、「関元」周辺に棒温灸。「合谷」「太衝」「築賓」「三陰交」に置鍼。「太谿」に点灸。「太衝」に円皮鍼。
うつ伏せで、「風池」「心兪」「肝兪」「腎兪」「次髎」に置鍼。「脊中」「命門」に棒温灸。
施術後、朝の倦怠感が少し改善されたとのことでした。
2回目~3回目(週1回ペース):
初回の治療内容を基本とし、お腹への点灸を追加しました。
2回目の治療後には、体の温まりを感じやすくなったとのお話がありました。
3回目の治療時に「妊娠しているかもしれない…」というお話があり、刺激量を控えめにするなど、状態に合わせた施術を行いました。
4回目(1週間後):
ご自身で妊娠検査薬を使用したところ陽性反応が出たとのご報告を受けました。
引き続き、妊娠を維持するための施術を、よりソフトな刺激で行いました。
5回目(1週間後):
病院で妊娠が確定したとのご報告を受けました。
同様に、母体と胎児の健康をサポートする施術を行いました。
患者様は妊娠を希望されていたため、一旦鍼灸治療は終了としました。
鍼灸治療開始からわずか1ヶ月で妊娠に至ったことは、大変喜ばしい結果です。
使用した主なツボとその代表的な効果
この症例で使用した主なツボとその代表的な効果をご紹介します。
関元(かんげん):
気を補い、身体を温める効果があります。生殖機能の改善にも効果的です。
合谷(ごうこく):
全身の気の巡りを整え、痛みを和らげる効果があります。
太衝(たいしょう):
肝の機能を整え、気の巡りを改善する効果があります。
築賓(ちくひん):
血の巡りを改善し、冷えを解消する効果があります。婦人科系にも問影響があります。
三陰交(さんいんこう):
肝・脾・腎の機能を整え、女性特有の症状に効果があります。
太谿(たいけい):
腎の機能を補い、身体の根本的なエネルギーを高める効果があります。
風池(ふうち):
頭痛や肩こりを和らげる効果があります。
心兪(しんゆ)、肝兪(かんゆ)、腎兪(じんゆ):
背部にあるツボで、それぞれ心・肝・腎の機能を整える効果があります。
次髎(じりょう):
骨盤内の血行を促進し、生殖機能を高める効果があります。
脊中(せきちゅう)、命門(めいもん):
背部にあるツボで、身体を温め、活力を高める効果があります。
これらのツボを組み合わせて使用することで、患者様の体質に合わせた効果的な治療を行うことができました。
まとめ
今回の症例では、30代後半の女性が鍼灸治療開始後わずか1ヶ月で自然妊娠に至りました。
この結果は、鍼灸が妊活をサポートする有効な手段の一つであることを示しています。
もちろん、鍼灸治療だけで必ず妊娠するわけではありません。
しかし、体質改善を通して体のバランスを整え、本来持っている自然治癒力を高めることで、妊娠しやすい身体づくりをサポートすることは可能です。
当院では、丁寧な問診と東洋医学的な診断に基づき、お一人おひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療を提供しています。
体だけでなく心のケアも大切にしており、リラックスできる空間で安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
「なかなか妊娠しない」「体質を改善したい」「自然な形で妊娠を望んでいる」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
皆様の妊活を、心を込めてサポートさせていただきます。
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