オピオイド中毒と鍼灸治療

オピオイド中毒の問題

オピオイド中毒|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

オピオイドとは強い鎮痛作用のある医療用麻薬です。
米国では、この鎮痛剤の過剰摂取で2万人以上が死亡しています(2015年)。
依存症患者も200万人いるとみられています。

医療用麻薬の歴史を簡単に書くと、原料はアヘンでした。
製薬会社はアヘンからさまざまな鎮痛剤(オピオイド系鎮痛剤)を開発していきました。
1804年にはモルヒネ、1832年にはコデインが作成され、1874年にはヘロインもつくられました(最初は鎮咳薬として販売されたが、のちに違法薬物に)。その後も各種オピオイド系鎮痛剤がつくられていきました。

90年代に入り米国では「米国人は不要な痛みに苛まれている」ことの害が強く訴えられ、その対処方法としてオピオイド系の鎮痛薬の使用が飛躍的に増加しました。
しかし、結果的にそれが中毒を生んだのです。
急死などの危険性同様、依存症の問題もクローズアップされています。

オピオイド中毒と鍼灸

そのような危機感から、アメリカ医師会(AMA)やアメリカ内科医師会が、腰痛治療のガイドラインで『鎮痛薬を投与する前に、カイロ、マッサージ、鍼などを活用することを推奨』しています。
同様に、アメリカ国立衛生研究所(NIH)とアメリカ疾病予防管理センター(CDC)などでも、『オピオイド禍の解決手段として、オピオイドを使う前に非薬物療法(鍼治療など)を行うことを推奨』しています。

これが何を示しているかと言えば、アメリカでは現代医学的にみても「鍼灸治療が慢性痛に関して有効である」と認識しているということです

鍼灸の基本的な活用方法は、薬物療法の前に試してみる、もしくは、薬物療法と併用する、という使い方です。

鍼の鎮痛機序(どうして痛みが和らぐのか)に関しては、現代医学的に解明されている部分のまだ不明な部分があります。
分かっていることは、局所の血流を促進させることで痛みを緩和・局所の神経を介して鎮痛物質が放出・痛みが伝わるルート(局所から脳に向かうルート)で痛みの伝達を減らす・脳内モルヒネのような鎮痛物質が脳に作用…などがあります。
人体には、治ろうとする仕組みや痛みや不具合を緩和する仕組みなどが備わっています。
それをうまく活性化できれば、自分の力で不快を快にできます。
痛みを改善させつつ、副作用を減らしたり・薬の量を減らしたり出来れば素晴らしいことですね!