【症例】15年間続く背中の激痛発作|呼吸が苦しくなる症状に対する鍼灸

背中が急に痛くなり呼吸もつらい|発作的な背部痛に対する鍼灸治療の症例

背中痛の鍼灸
※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。


「突然、背中に激痛が走る」
「痛みで呼吸がしづらくなる」
「また発作が起きるのではないかと不安になる」

このような症状が繰り返されると、身体のつらさだけでなく精神的な負担も大きくなります。

今回ご紹介するのは、15年以上にわたり冬から春にかけて発作的な背中の激痛を繰り返していた40代男性の症例です

発作は年に2回ほど起こり、そのたびに呼吸が苦しくなるほどの強い痛みに襲われていました。
とくに仕事で長時間運転をする機会が多く、「運転中に発作が起きたらどうしよう」という不安を常に抱えていたそうです。

当院では、痛みそのものだけでなく、体質や生活習慣も含めて全身の状態を確認しながら施術を行いました

その結果、治療期間中は発作を起こすことなく過ごすことができ、慢性的な肩こりや腰痛などの不調も改善していきました

この記事では、発作的な背中の痛みに対してどのような考え方で施術を行ったのか、実際の経過とともにご紹介します。

※強い背中の痛みや呼吸困難感は重大な病気が隠れている場合もあります。症状が強い場合は医療機関での検査を優先してください。

患者さまの情報と経緯

年齢・性別・お住まい:
40代男性・船橋市在住

鍼灸院に来るまでの経緯:
15年ほど前から、年に2回程度、冬から春にかけて、まるで発作のように背中に激痛が走るようになりました。

その痛みは呼吸すら困難にするほどで、10~15分ほど続きます。

とくに、仕事で長時間車を運転することが多いため、運転中に発作が起こるのではないかという強い不安を抱えていました。

発作時は、体を後ろに反らせたり、深呼吸をすることで多少楽になることがあったようですが、根本的な解決には至っていません。

また、花粉症がひどく、鼻詰まりが多い時期に発作が起きやすいという傾向もありました。
これまで病院を受診したことはありませんでした。

体格は水太り型の肥満体型でした。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、身体の状態を「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスで捉えます。

この患者さまの場合、肥満体型であることから「水湿(すいしつ)」、つまり体内の水分代謝が滞っている状態が根本にあると考えられました。

さらに、長時間の運転という仕事柄、「疲労」と「運動不足」が重なり、「痰飲(たんいん)」と「瘀血(おけつ)」、つまり体内の不要な水分や血の滞りが背部の筋肉に蓄積していると判断しました。

これらの滞りが、「冷え」や「花粉症」、「運動不足」などの要因によって悪化し、許容量を超えた時に発作的な激痛として現れると考えられます。

とくに、背部は五臓六腑と密接に関わる重要な経穴(ツボ)が多く集まる部位であり、これらの機能低下も痛みを引き起こす要因となります。

治療方針

今回の治療では、以下の3点を柱としました。

水湿・痰飲・瘀血の除去:
体内の余分な水分や血の滞りを解消し、気の巡りを改善することで、痛みの根本原因にアプローチします。

脾腎(ひじん)の補強:
東洋医学では、脾は水分の代謝、腎は生命エネルギーの源を司ると考えます。
これらの機能を高めることで、体全体のバランスを整え、発作が起こりにくい体質へと改善していきます。

根本原因へのアプローチ:
日常生活における疲労や運動不足といった根本原因にも着目し、生活習慣の見直しも視野に入れたアドバイスを行いました。

発作時以外は激痛がないため、肩こりや背中のこり、腰痛など、背部の慢性的な症状を治療の指標としました。

治療内容と実際の経過

1回目:
仰向けで、「中脘」に棒温灸。「天枢」「足三里」「合谷」「陰陵泉」に響かせて置鍼。「足三里」には台座灸を追加。足先にはホットパック。
うつ伏せで、「肩こりの部位」「心兪~脾兪間の虚反応穴」に置鍼。「腰のコリ痛みの部位」に点灸+円皮鍼。

2回目の治療(1週間後):
腰痛の軽減が見られましたが、首から肩にかけてのこりが残っていました。
基本的には1回目と同様の治療を行い、首肩のこりに対してはパルス鍼を使用しました。

3回目から15回目(1~2週間に1回ペース):
肩こりや膝の痛み、寝違えなど、その時々の症状に丁寧に対応しながら、脾腎を補う施術を継続しました。

患者さまは仕事が多忙で過労気味でしたが、幸いにも発作は起こりませんでした。

15回目の治療を終えた時点で6月下旬となり、冬から春の発作が起こりやすい時期を無事に乗り越えられたため、一旦鍼灸治療を終了としました

鍼灸師としての感想とまとめ

今回の症例は、15年以上にわたり発作的な背中の激痛を繰り返していた40代男性のケースでした。

発作は呼吸が苦しくなるほど強く、仕事中の再発への不安も大きな悩みとなっていました。

当院では、背中の痛みだけを見るのではなく、体質や疲労の蓄積、運動不足、生活習慣なども含めて全身の状態を確認しながら施術を継続しました。

その結果、発作が起こりやすい時期を大きな症状なく過ごすことができ、肩こりや腰痛などの慢性的な不調も改善していきました

私自身、慢性的な痛みや原因がはっきりしない不調の患者さんを数多く施術してきましたが、症状が出ている場所だけではなく、身体全体の状態を整えることで変化がみられるケースは少なくありません。

一方で、背中の激しい痛みや呼吸困難感は、心臓や肺、消化器などの病気が関係している場合もあります。
そのため当院では、必要に応じて医療機関での検査をおすすめしています。

・背中に突然強い痛みが出る
・呼吸がしづらくなるほどの背部痛がある
・慢性的な肩こりや腰痛も抱えている
・再発への不安が大きい

このようなお悩みがありましたら、一度ご相談ください。
お身体の状態を丁寧に確認しながら、改善に向けた施術をご提案いたします。

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