妊婦さんで腰痛でお悩みの方へ
妊娠中の腰痛に対する鍼灸が73%に効いた報告
腰痛は多くの妊婦さんが経験すると言われています。
原因は「ホルモンの作用(骨盤が開きやすくなる)」「体形や姿勢の変化」「下半身の血行不良」などが考えられます。
ホルモンのはたらきによる骨盤のゆるみの影響で、妊娠4週~15週頃の早い時期から腰痛が起きることがあります。
また妊娠28週~32週頃には、体形の変化や下半身の血行不良が関係する腰痛も増加するようです。
このように妊娠期には腰痛がつきものですが、その悩みに鍼灸で対応できるのではないかという研究をご紹介します。
『妊娠中の腰痛に対する鍼治療』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29482798
【概要】
ニュージーランドの産婦人科クリニックでは、妊娠中の腰痛治療のために鍼治療を行っている。
腰痛に鍼治療が効くのかどうか?の治療成果に関する新たな証拠とするため、ニュージーランドの病院で妊娠中に鍼治療を受けた女性患者からの疼痛軽減報告を収集した。
腰痛で鍼治療を受けた患者が自己申告する形での症状軽減報告を収集した。
(質問事項には治療経験および有害事象に関する質問が含まれていた。)
結果。
私たちが完全な治療データを持っていた81人の女性のうち、約73%が症状減少を報告した。
患者が報告した有害事象は、まれで軽度であった。
結論。
腰痛軽減の患者報告および所見は、妊娠中の鍼治療が現場で安全で有益であるというさらなる証拠となる。
当院の考察
妊婦さんの腰仙骨部痛に鍼灸が効いた、という結果でした。
「どのような治療をしたのか(回数・頻度・使用したツボなど)」がわかりませんので、同じ結果が出せるとは言いませんが、少なくとも「鍼灸には妊娠期腰痛に効果を出せる可能性がある」ことの証しだと考えます。
また副作用的なものも「まれで、軽度」とのことも知っていただきたいことですので書き添えます。
※副作用とはおそらく「鍼をした部分に小さな内出血ができた」とか「響く感じが1・2日間残った」とかではないかと推測します。
当院では妊活目的の鍼灸から入り、無事にご懐妊された方たちをそのまま継続施術することが少なくありません。
つまり妊婦さんの鍼灸ケアを日常的に行っているということです。
不快な副作用などはほとんどなく(論文にあった通り「まれで・軽度」です)、安心して継続治療を受けていただいています。
治療の大きな目標は「安産」ですが、そのなかには「つわり対策」「腰痛対策」「逆子対策」など個別のお悩みへの対応が含まれています。
今回のテーマは「腰痛」ですが、妊婦さんの腰痛は1回でスッキリという訳にはいかないと思います。
お腹が大きくなっての腰痛であれば、日々体への負担がかかりながらの治療ですので、少し定期的にメンテナンス的に通ってみて欲しいです。
病院(西洋医学)での治療以外に何かできることはないか、と考えた際には鍼灸も検討ください。
お待ちしております。