何となく落ち着かない時のツボ

何となく落ち着かない…慢性のイライラに効くツボ

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心が何となく落ち着かない時ってありますよね。
とくに原因となるようなはっきりしたものもなく、心の病気というほど大げさでもないけれど、何となく心ここにあらずのような、モヤモヤとした日々…。
仕事に集中できなかったり、趣味を楽しめなかったり、日常生活に支障が出てしまうこともあるかもしれません。

これ、実は「慢性のイライラ」が原因かもしれません。

弱いイライラや気づまりが常時あることで、知らず知らずに何となく落ち着かないという症状になるのです。
神経が過敏になっている方に多く、イライラしやすかったり、夜中に何度も目が覚めてしまう、些細なことで動揺してしまうなどの症状を伴うこともあります。

鍼灸院で施術をしていると、このようなお悩みを抱えた方が思いのほか多くいらっしゃいます。
お話をじっくり伺うと、「仕事や家事、育児で常に時間に追われている」「人間関係でストレスを感じている」「将来への不安がある」など、様々な背景が見えてきます。

今回は、慢性のイライラの東洋医学的な考察と、改善のためにおすすめのツボを紹介します

慢性のイライラは「肝(かん)」の異常

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東洋医学では、イライラは「肝(かん)」の働きが弱ることで起こると考えます。
「肝」は、血液の貯蔵や流れの調節、自律神経の働き、感情のコントロールなど、心身の健康に深く関わっています。

ストレスなどで気持ちが詰まると、「肝」の働きが滞り、イライラや落ち込み、お腹の張り、便秘などが起きやすくなります。
これらはみな、「肝」の働きがうまくいっていないサインです。

「何となく落ち着かない」のも、この「肝」の失調が原因の一つ。
肝を落ち着かせ、気の巡りを整えることで、心身のバランスを取り戻し、落ち着きを取り戻すことができるのです。

「肝」が穏やかになるセルフケア

ご自身でできるセルフケアも、心身のバランスを整える上で非常に大切です。

以下に、日常生活に取り入れやすい方法をご紹介します。

生活リズムを整える

不規則な生活リズムは、心身のバランスを大きく乱します。
体内時計が狂い、自律神経の働きも不安定になりがちです。
なるべく同じような時間帯に起きて、活動し、夜も同じような時間帯に就寝するのがおススメです。

とくに起きる時間を一定に保つことは大切。朝、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、一日のリズムが整いやすくなります。
可能であれば、日中は活動的に過ごし、夜はリラックスして過ごすのが理想的です。

軽い運動

身体を動かさないと「気」は巡りません。
「気」とは、東洋医学で考える生命エネルギーのようなもの。気が巡らないと、体も心もどんどん固くなってしまいます。

ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、気持ち良いと感じられる運動を無理のない範囲で取り入れてみてください。
運動することで血行が促進され、心身のリフレッシュにもつながります。

深呼吸

ストレスを感じると、呼吸が浅くなりがちです。
浅い呼吸は、自律神経のバランスを崩し、イライラや不安感を増長させる可能性があります。

意識的に深呼吸を行うことで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスします。

深呼吸の方法

1)息をゆっくりと吐ききる。
2)鼻からゆっくりと肺いっぱいに息を吸い込む。この時、息を吸うことに意識を集中し、お腹が数センチ膨らむように意識します。
3)吸うときの倍くらいの時間をかけるイメージで、口からゆっくりと息をスーッと吐き出す。
4)このサイクルを5回程度、繰り返します。

話す・書く

日ごろから自分の気持ちを話すことも、ストレス解消に効果的です。
親しい人や信頼できる人に、日々の出来事や感じていることを話すことで、気持ちが楽になることがあります。

話す相手がいない場合は、日記のような形で日々の思いを書くことで、感情を発散することができます。

慢性のイライラに効くツボ

セルフケアに加えて、ツボ押しやお灸などのツボ刺激も効果的です。

以下に、慢性のイライラに効果的なツボをご紹介します。

太衝(たいしょう)

足の甲にあります。
足の親指と人差し指の骨が交わる所です。
気の巡りを改善し、イライラや怒りを鎮める効果があります。

合谷(ごうこく)

親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこみが合谷です。
全身の気の巡りを整え、痛みやストレスを緩和する効果があります。

膻中(だんちゅう)

胸のツボ。体の真ん中のラインと左右の乳首を結んだラインが重なるところ。
気の巡りを改善し、呼吸を楽にする効果があります。不安や緊張を和らげる効果も期待できます。

風池(ふうち

首の後ろの左右のスジに指をおき、指をすり上げていきます。髪の生え際まできたら、左右外側のくぼみでいちばんへこんでいるところが風池です。
頭部の血行を促進し、イライラや頭痛、目の疲れなどを緩和する効果が期待できます。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院での本格的な鍼灸のススメ

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何となく落ち着かない時は、原因がはっきりしていなくても「慢性のイライラ」が形になって表れた時だと考えてみてください
心をノビノビとさせることが何より大切です。
体も心もコリコリになっているとイメージして、それらを緩めるようにリラックスさせましょう。

何も考えず十分な睡眠をとることも良いですね。
リズムを整えつつ、質の高い睡眠をしっかりとってください。それに加え、ツボ押しなどのセルフケアを試してみてください。

ただし、慢性化した心や体のコリは、セルフケアだけではなかなか改善が難しいものです。
長引く不調や、セルフケアだけでは改善が見られない場合は、当院のような鍼灸院での本格的な施術を受けて、根本的な体質改善を目指すことをおススメします。

当院では、鍼と灸の専門家として、全身のツボ(経穴)を使って全身からアプローチする施術を行っています。
痛くない鍼、熱くない心地よいお灸で、心身のバランスを整え、自然治癒力を高めることで、不安の根本原因に働きかけます。
ご相談ください。

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