不妊治療中から妊婦さんの新型コロナワクチン接種について

【最新情報:2021年8月26日】

日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会より

コロナワクチン接種の提言

『妊産婦の皆様へ 新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第2報)』というアナウンスが8月14日付で出ています。
リンク:http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210814_COVID19_02.pdf

また、厚生労働省より『新型コロナワクチンQ&A』「私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか?」という記事があります。
リンク:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html

これらをまとめると、

■妊娠を希望される方について「いつでも接種した方が良く、避妊などは必要ない」と示されています。
【引用】
「ワクチンが生殖器に悪影響を及ぼす報告はなく、ワクチンのために妊娠のタイミングを変更する必要はないとしています」

■妊婦さんに関しても「いつの時期でも大丈夫なので、夫婦そろって接種した方が良い」という方向性です。
【引用】
「妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします。」
「妊婦の夫またはパートナーの方は、ワクチンを接種することをお願いします。」

ワクチン接種で不妊になるのか?

ワクチンで不妊に?
ネットなどで「新型コロナウイルスワクチンが不妊症や流産の原因となる」と言われているようです。
男女ともに不妊になる(可能性がある)などという情報が出ていますね。
しかし現在、公の学会などからはこの説は同意されておりませんので、誤情報(の可能性が高い)と言えます。

●⽇本産婦⼈科感染症学会が、7月19日付で『⼥性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチンQ&A』を発表しています。
こちらで不妊や流産の影響を否定しています。
ご参考になさってください。
リンク:http://jsidog.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20210721190701-57649255BD0A756A3E48F8FEB3D9AC5B55FDB9F89BB2D2EFC9C5AA308C98CC3D.pdf

様々な情報が飛び交う中、何を信じるかは人によりますが、当院では「公の」情報を参考にするのが良い、と考えています。

不妊治療中のワクチン接種についての私見

妊活中のワクチン接種
新型コロナに関しては「正解」を知っている人などいないと考えます。
ですので、ワクチンについても「絶対こうしたらよい」を語ることはできません。
当院は市井のいち鍼灸院にすぎませんので、ますます何か断定的なことは言えません。

最終的には「ご自分での判断」で決めていかなければいけません

そのための材料として、先に出した学会のアナウンスなどは参考にしてほしいです。

それを踏まえて、当院なりの考えを書きます。
あくまで当院ではこう考えるというひとつの意見です。

感染への不安が強いなら早めのワクチン接種を勧めます

コロナについては各人の温度差が大きいように感じます。
「風邪の一種」程度に考えている人もいれば、「怖い病気」と考えている人もいます。
対策としても、
営業している限り飲食店での飲食や旅行などもドンドン行うという人もいますし、感染が怖いからここ1年くらい必要以外の外出をしていないという人もいます。

このように、
新型コロナウイルスについてどう考えるかで、ワクチン接種にも温度差ができるでしょう。

まずは、
「ワクチンを打てば感染リスクや重症化リスクが減る」というデータははっきり出ていますので、感染不安が強い人はワクチン接種を早めに行ってほしいです

逆に、
感染への不安が少なくワクチン接種に疑問を感じている人は、急がずもう少し様子を見てから接種するかどうかを考えて良いと思います。

ワクチン接種と妊活(不妊治療)

ワクチンには、コロナだけでなく様々な病気用のワクチンがあります。

たとえば、
妊活でよく話題にされる「風疹」にもワクチンがあります。
風疹ワクチンの接種後は、2ヶ月間の避妊が必要です。

また、
インフルエンザワクチンは、避妊期間を設ける必要はないとされています。

コロナワクチンに関しては、
5月12日付の日本産婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会の提言には「生ワクチンではないので、接種後長期の避妊は必要ない」と明記されていました。

この「長期の避妊は必要ない」というのはどういう意味でしょうか?

考え方として「避妊しない」「慎重に1ヶ月ぐらい避妊する」「より慎重に2ヶ月避妊する」などが考えられます。
これもご自身の考えで決めることになります。

現在(2021年8月)では、婦人科の病院では妊活と同時並行でコロナのワクチン接種しても問題ないという考えが主流のようです。
それを受け入れて同時並行するのも何ら問題ないでしょう。
ただし、5月には「妊娠初期(12週まで)は妊婦さんにワクチン接種は控える」という学会の提言があったことも考え、当院では1~2ヶ月間は待てるようであれば「コロナワクチン接種の周期は避妊する」ことをお勧めします

コロナワクチンは2回接種(3~4週間かけて2回)ですので、最大2周期ほどは避妊することをお勧めいたします。
※避妊とは「病院での不妊治療もお休みする」という意味でもあります。

体調を整えるのがもっとも重要

コロナにかかれば重症化のリスクもありますし、ワクチン接種には副反応がついて回ります。
正解は分からないし、何かを選んでも必ずメリット・デメリットはあります。

ただ、
カラダのことですので基本的なことは言えます。
体調を整える重要性です。

毎日の生活習慣(食事・睡眠・運動・メンタルケア…など)を整える事です。
具体的には「腹八分」「睡眠時間しっかり」「適度の運動」「ストレス解消」「スマホ減らす」「時間的なゆとりをもつ」などは本当に有益だと考えます。

「生活習慣の改善」や「体に良い暮らし」は、コロナ感染やワクチン接種に向けてだけでなく、妊活対策にも有効です。
心身のコンディションを高めることは、ウイルスにもワクチンにも影響されづらくなり、そのまま妊活にも役立ちます。
ぜひ、生活習慣を整えておいてください。

以上、
コロナワクチン接種と妊活についての私見でした。
あくまで一意見ですが、参考になさってください。

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当院での新型コロナ対策
ワクチン接種と鍼灸施術
ワクチン接種と妊活(不妊治療)(本ページ)