リハビリに鍼治療(円皮鍼)が有用
リハビリに鍼治療(円皮鍼)が有用
円皮鍼とは
身体の痛い部位やツボに貼るだけという手軽な鍼道具が「円皮鍼」です。
0.3~1.5mmの極短の鍼がついたシールのことです。
鍼灸院でも施術の補助として使われますし、自宅でも気軽にセルフケア用に使うこともできます。
肩こりや腰痛、さらに顔のくすみなどにも効果が期待できます。
円皮鍼は、鍼灸院での鍼施術と同様の仕組みで効きます。
微細な皮膚(ツボ)への損傷により、身体はそれを修復するために血流を良くして筋肉のコリを和らげるのが円皮鍼のしくみです。
(※あくまで簡単に言うと、です)
円皮鍼は、長さが短いとはいえ刺さる部分がありますから、使用することでごく浅い位置に鍼が刺さったままの状態を維持することができます。
鍼治療の効果を得ながら、日常生活を問題なく過ごせます。
円皮鍼をリハビリに使えるかの研究
『ランダム化比較試験による筋疲労の回復に及ぼす円皮鍼の効果』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/59/4/59_4_375/_article/-char/ja
【要約】
筋疲労の回復に及ぼす円皮鍼の効果を調査し、リハビリテーションでの補助手段としての有用性を検討した。
対象は健康成人男性に腕の筋トレ(リハビリ)をしてもらった後、休憩後もう1回筋トレしてもらった際の筋疲労の回復度合いを、「円皮鍼使用群」と「ニセ円皮鍼使用群」に分けて調査した。
円皮鍼は0.6ミリ使用(ニセ円皮鍼は鍼無し)。
貼る場所は、腕に向かう神経の出口である背骨の脇(第5頚椎から第1胸椎棘突起外方10~15ミリ)に4ヶ所。
結果、検査数値では「円皮鍼使用群」がより回復していた。疲労感の自覚は両群で差がなかった。
円皮鍼の刺激が自律神経に働きかけ、血管を拡張させ、腕の筋肉の血流を増やした事が効果となったと考えられる。
結論。リハビリテーションにおける運動療法に円皮鍼を補助的手段として用いることは患者の機能回復を促進し、「生活の質」向上に寄与できる。
当院の考察
円皮鍼は「簡便な鍼治療道具」だと考えます。
鍼灸施術は、血流を良くし、コリをほぐし、痛みを緩和する作用が確かめられています。
ですので、筋肉量の維持向上などが必要なリハビリ使用することは有効だと考えられます。
今回の研究もそれを支持しています。
簡単に・負担なく・安全に・継続的に使用できるのも円皮鍼の良いところです。
使う円皮鍼の長さにもよりますが、論文で使用された0.6mmでは刺激感は小さいので、ほとんどの人に不快なことなく受けてもらえるはずです。
これで、リハビリ効果が高まるのであれば併用しない手はありません。
円皮鍼をどこに貼るかは鍼灸師などの専門家に頼った方がより良いと考えますが、上手く活用することで早い回復や健康年齢の維持に役立てて欲しいです。
本当におススメ、です(^^)/