ストレートネック（スマホ首）
ストレートネック(スマホ首)とは
スマートフォンを長時間利用することにより、肩こりや首こり、頭痛、眼精疲労、視力低下、ドライアイなどが起きることを『スマホ症候群』と呼びます。
頭痛・眼精疲労・首肩のこりは、とくに首に不調の原因が隠されているケースが多いです。
首肩に負担がかかりやすい首の状態を「ストレートネック」と言い、別名「スマホ首」とも呼ばれます。
現代人に急増している首の疾患のひとつです。
首のレントゲンをとると「首の骨がまっすぐになっていますね」などと言われます。
首の骨が頭の重みを支えづらくなっているため、肩や首のコリがひどくなり、それが頭痛や眼精疲労などを引き起こします。
ストレートネックになるのは、長時間のパソコン作業で首肩が動かず同じ状態で緊張していることが原因です。
スマホ首なら、スマホの使い過ぎで、慢性的なうつむき姿勢を取ることによります。
病院(＝西洋医学)でストレートネックと診断されると、痛み止め薬で痛みを緩和させ、電気治療や牽引で筋肉のコリをほぐしたりします。
東洋医学の強み｜自然治癒力を引き出す施術
西洋医学は、「症状を抑えること」が得意です。
例えば、頭痛なら痛み止め、炎症なら抗生剤といった具合に対処します。
一方、東洋医学は「症状の原因となる体質」に着目し、体全体のバランスを整える「体質改善」を目指します。
頭痛ひとつとっても、血流の滞り・冷え・ストレスなど原因はさまざま。
鍼灸は、その人に合ったツボを刺激し、本来の治る力を引き出します。
不調の原因は目に見える症状だけではなく、体の内側のバランスの乱れにあります。
例えるなら、私たちの体は、大河を流れる水のようなもの。
血液や気（エネルギー）が滞りなく巡ることで、健康という豊かな流れが保たれます。
しかし、ストレスや不規則な生活習慣によって、川のどこかに泥や石が溜まり、水の流れが悪くなってしまうことがあります。
それが体の不調として現れるのです。
鍼灸は、川の流れを整える水路の管理人のようなもの。
滞った部分を取り除き、スムーズな流れを取り戻すことで、体全体が元気に機能するように導きます。
東洋医学は、2千年の経験値を持つ体質改善の医学です。
鍼灸では「脈・舌・お腹」を診て、気・血・水の流れを察し、ツボ（経穴）に刺激を与えることで、全身の調和を取り戻します。
ストレートネック(スマホ首)と鍼灸
ストレートネックは、首の生理的なカーブ（前弯）が失われ、まっすぐになってしまう状態です。
東洋医学では、単なる骨格の問題ではなく、「気・血・水（津液）」の乱れや、臓腑のバランスが崩れることで生じると考えます。
体質によって原因が異なり、それに応じたアプローチが必要になります。
気滞（きたい）タイプ
■特徴
・ストレスが多く、精神的な緊張が強い
・肩や首の筋肉が硬くなりやすい
・ため息が多い、胸がつかえる感じがある
・寝つきが悪く、考えすぎる傾向
■ストレートネックの特徴
・長時間のデスクワークやスマホ使用による筋緊張が原因で起こる
・首や肩のこりが強く、こりが痛みに変わりやすい
・頭痛を伴うことも多い
■効果的なツボ
・合谷（ごうこく）（手の甲・親指と人差し指の間）
気の巡りを良くし、ストレスを和らげる
・太衝（たいしょう）（足の甲・親指と人差し指の間）
肝の気を流し、緊張を解く
・肩井（けんせい）（首のつけ根と肩の中央）
首・肩の緊張をほぐす
血虚（けっきょ）タイプ
■特徴
・血の不足による栄養不足の状態
・顔色が青白い、目の疲れや乾燥がある
・髪がパサつき、爪が割れやすい
・めまいや立ちくらみを起こしやすい
■ストレートネックの特徴
・首の筋肉や靭帯に十分な血流が行き届かず、筋肉がこわばる
・首の違和感が慢性的で、寝ても回復しにくい
・眼精疲労を伴いやすい
■効果的なツボ
・三陰交（さんいんこう）（内くるぶしの上、指4本分）
血を補い、全身の巡りを良くする
・血海（けっかい）（膝の内側、膝蓋骨から指3本上）
血を養い、筋肉の硬直を防ぐ
・風池（ふうち）（後頭部のくぼみ）
目の疲れや首のこりを緩和
痰湿（たんしつ）タイプ
■特徴
・水分代謝が悪く、むくみやすい
・胃腸が弱く、食後に眠くなることが多い
・舌が大きく、歯型がつきやすい
・重だるさや頭のぼんやり感がある
■ストレートネックの特徴
・水分の代謝が悪く、首まわりに余分な水分が滞っている
・首が重だるく、押すとむくんだ感じがある
・湿気が多い日や雨の日に症状が悪化しやすい
■効果的なツボ
・陰陵泉（いんりょうせん）（膝の内側下、脛骨の内側）
水分代謝を改善し、むくみをとる
・豊隆（ほうりゅう）（すねの中央、指4本分下）
痰湿を排出し、重だるさを軽減
・天柱（てんちゅう）（首の後ろ、髪の生え際）
首の重さを和らげる
肝腎陰虚（かんじんいんきょ）タイプ
■特徴
・体の潤いが不足し、のぼせやほてりがある
・目の乾燥、寝汗、口の渇きがある
・腰がだるく、疲れやすい
・舌の色が赤く、苔が少ない
■ストレートネックの特徴
・腎精（じんせい）が不足し、骨や関節が弱くなることで起こる
・長時間の作業で首の疲れが激しく、回復に時間がかかる
・目の疲れや、耳鳴り、めまいを伴うことがある
■効果的なツボ
・腎兪（じんゆ）（腰の高さ、背骨の両側）
腎を補い、骨や関節を強くする
・太谿（たいけい）（内くるぶしとアキレス腱の間）
腎の陰を養い、乾燥を防ぐ
・照海（しょうかい）（内くるぶしのすぐ下）
陰を補い、潤いを与える
以上のように、ストレートネックは体の姿勢だけでなく、気・血・水のバランスの乱れが深く関わっています。
原因となる体質を見極め、それに合ったツボを活用することで、根本的な改善が可能です。
施術では、患者さんの体質を見極めながら、適切なツボを選び、鍼やお灸で調整していくことで、より効果的な治療を提供できます。
ストレートネック鍼灸のよくある質問と回答
Q: ストレートネックって本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療はストレートネックの改善に効果があります。
鍼を用いてコリを直接ほぐし、お灸で温めつつ血行を促進し、全身の自律神経の乱れを緩和し血流を整え、コリや痛みや不快感を軽減します。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
症状が改善されたら、徐々に間隔を開けていきます。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸がストレートネックにどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術はコリの場所に直接的に刺激してコリと痛みの緩和をはかります。
また自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、首肩の不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: ストレートネック以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、頭痛、腰痛、不眠、婦人科疾患、冷え、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸の治療は妊娠中でも受けられますか？
A: はい。鍼灸治療は妊娠中でも受けられます。
妊娠中はホルモンのバランスや血液の量が変化するため、コリや痛みが出やすくなります。
鍼灸はこれらの症状を緩和するだけでなく、母体の健康にも良い影響を与えます。
ただし妊娠中に鍼灸を受ける場合は、必ず妊娠の有無や週数をお伝えください。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
