卵巣機能低下
そもそも卵巣機能低下とは
卵巣機能低下は、女性の卵巣が正常に機能しなくなる状態を指します。
卵巣の持つ、月経サイクルで正しく卵子を成長・排出する機能が低下した状態です。
通常、
卵巣は月経周期をコントロールし、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを分泌する役割を果たしています。
しかし卵巣機能低下では、卵胞の数や質が減少し、ホルモンの分泌も低下します。
そのため卵胞が成熟しにくく、排卵が正常に起こりにくく、子宮内膜も厚くなりにくいです。
卵巣機能低下は、
一般的に加齢に伴って起こることが多いですが、若い年齢でも発症することがあります。
ストレス過多や生活習慣の乱れから早期に低下するケースもあります。
主な症状としては、月経不順や無月経、不妊、性欲低下、ホットフラッシュ、骨粗鬆症のリスク増加などがあります。
重度の場合では閉経の原因にもなります。
卵巣機能低下は妊娠を希望する場合には特に心配されます。
「卵巣機能不全」や「早発卵巣不全(POI)」などは、さらに卵巣の機能が低下（ほとんどなくなった）したものです。
卵巣機能低下を放置するとダメな理由
卵巣機能低下を放置すると以下のような弊害が考えられます。
まず妊娠を希望している場合、
卵巣機能低下によって卵子の数や質が減少し、妊娠しにくくなる可能性が高いです。
卵胞が成熟しにくく、排卵が正常に起こりにくく、子宮内膜も、厚くなりにくいという症状が起こりやすくなります。
そのため排卵が起こっても、受精や着床がうまくいかない状態になりやすいです。
放置すれば不妊症の問題が続く可能性があります。
また、
卵巣が正常に機能しないことで、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の分泌が低下し、ホルモンバランスが乱れます。
これによって、月経不順や無月経といった生理周期の異常や、性欲低下といった性機能の低下が起こることがあります。
さらに、
卵巣機能低下によるエストロゲンの低下は骨粗鬆症のリスクを増加させます。
エストロゲンは骨の形成を促進するため、不足すると骨密度が低下し、骨折のリスクが高まります。
放置するとこれらの症状が悪化する可能性があり、生活の質や健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
そのため卵巣機能低下を放置せず、婦人科の病院での早めの診断と治療が重要です。
また同時に病院(西洋医学)だけでなく鍼灸(東洋医学)も併用してください。
鍼灸治療は卵巣機能の改善効果が期待されるため、積極的な選択肢の一つとなります。
卵巣機能低下と鍼灸
東洋医学では「気・血・水・精(き・けつ・すい・せい)」の質量と巡りがしっかりしていることで順調な生殖器系が保たれると考えます。
卵巣機能低下はおもに「エネルギー不足(気・血・精の不足)」とみます。
月経周期を起こすエネルギーそのものが不足しているとみます。
卵巣に栄養を届けて養い、元気づける役割は「血」がしています。
血は身体のすみずみまで栄養や酸素を運び、また老廃物を排泄する大切な役割を担っています。
血の巡りが悪いケースや、そもそも流れている血量が不足するケースなどいくつかのパターンがあります。
また婦人科と影響の深い臓器は「肝」「腎」です。
※東洋医学で言う肝・腎なので西洋医学的な肝臓・腎臓とは一致しません。
これらのどこに何が過不足あるかで治療方針が決まってきます。
卵巣機能低下の場合の代表的なものは「気血両虚」「腎陰虚」「肝気鬱結(かんきうっけつ)」「瘀血(おけつ)」がありますので以下に説明します。
気血両虚
卵巣に栄養を与える「血」が不足したり、その血を運ぶための「気」の力が不足しているため、卵子が育ちにくいケースです。
貧血、低血圧、眼精疲労、不眠、疲れやすい、めまい、脱毛などを起こしやすいタイプです。
エネルギー不足(疲れ)からきているので、睡眠時間を減らしたり、過度な運動や、過度なダイエットは要注意です。
【よく使う経穴(ツボ)】
足三里、三陰交、膈兪、脾兪、中脘など
腎陰虚
カラダに潤いを与える「水」「血」が不足するケースで、細胞に潤いがなくなりとくに生殖器である卵巣の働きが低下して、卵子の発育・成長が遅れます。
足腰がだるい、倦怠感、筋肉のつり、のぼせなどを起こしやすいタイプです。
加齢もありますし、慢性疲労、目の使い過ぎ、寝不足などにより水や血の消耗には注意です。
【よく使う経穴(ツボ)】
復溜、三陰交、陰陵泉、腎兪、関元など
肝気鬱結
イライラ・ストレス・緊張などの精神的な負荷により「気」の巡りが滞るケース。
円滑な月経周期は気の働きでもあるため、それが停滞するため卵子が育ちにくい。
首肩コリ、側頭痛、月経前症候群、イライラ、ノドのつまりなどを起こすタイプです。
ストレス過剰による自律神経失調症とも言えます。
元々ストレスを感じやすい性質なのでしょうが、ストレスや考え事を抱え込み過ぎるのは要注意です。
【よく使う経穴(ツボ)】
太衝、内関、膻中、心兪、肝兪、風池など
瘀血
「血」の流れが悪いケースです。
血流阻害は結果的に起こる現象で、そこには原因があります。
今まで書いてきた「気血両虚」「腎陰虚」「肝鬱」のどれがあっても瘀血になり得ます。
頭痛、肩コリ、内出血しやすい、生理痛が強い、月経血にレバー状の塊が混じりやすいなどが起こるタイプです。
元々の原因を悪化させないようする過ごすことが大事です。
【よく使う経穴(ツボ)】
血海、膈兪、肝兪、腎兪、三陰交、合谷など
以上のように、
体の状態もさまざまあり、その人なりの体質に合わせてツボを選択し、全身より施術していきます。
鍼灸は、良い体質になることで卵巣機能改善を目指すのが目的です。
体質改善こそが一番の根本かつ近道です。
卵巣機能低下鍼灸のよくある質問と回答
Q: 卵巣機能低下って本当に鍼灸で治りますか？
A: はい、完全な治癒には至りにくい病気ですが、症状の緩和や改善を目指すことができます。
「あなたの卵巣機能低下が“絶対”に治ります」と確定的なことは申し上げられませんが、鍼灸院では多くの患者さんの症状改善に成功しています。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の重さによりますが、通常は数週間から数ヶ月の継続的な治療が必要です。
Q: 鍼灸が卵巣機能改善にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、婦人科系の機能を改善するのに役立ちます。
Q: 施術の頻度はどのくらいですか？
A: 施術の頻度は個別の状態によりますが、通常は週に1回が一般的です。
Q: 薬と鍼灸治療は併用できますか？
A: はい、薬と鍼灸治療は併用することができます。
ご不安な場合は医師の指示を仰いでください。鍼灸は西洋医学と互いに補完しあう療法として相乗効果が期待できます。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 料金はどのくらいですか？
A: 初回はお試し部分鍼灸ですと2200円。2回目以降は全身鍼灸になり7700円です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
安全性が高く、副作用の心配はほとんどありませんが、個人によっては軽度の赤みや内出血が現れることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
初回の施術後から体調の変化を感じる方もいらっしゃいますが、持続的な改善のためには継続的な治療が必要です。
Q: 卵巣機能以外の症状も同時に治療できますか？
A: はい、他の症状や不調も同時に治療できます。
肩こり・腰痛・片頭痛・ストレス・冷えなど、複数の不調に同時並行して治療します。
卵巣機能低下への鍼灸の論文・研究
国内外の研究でも卵巣機能低下の鍼灸は有効性を確かめられています。
「卵巣予備能が低下した人への体外受精で鍼灸が効果的だった研究」について別の記事に書きました。
参考にしてください。
当鍼灸院でも、あなたの不妊体質を子宝体質にするために最大限の施術をさせていただきます。
