肩こり
そもそも首こり・肩こりとは
国民病と言われるほど日本人には肩こりが多いことで知られています。
肩こりは、肩や首の筋肉が緊張し、疲労や痛みを感じる状態を指します。
長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、ストレス、筋力の低下などが原因とされています。
筋肉のコリは、筋肉の血行不良や乳酸の蓄積、神経の圧迫などによって引き起こされます。
筋肉が緊張することで酸素や栄養の供給が減り、老廃物がたまります。
これにより筋肉が硬くなり、さらなる血流の低下や痛みを引き起こします。
肩こりの症状には、首や肩のこわばり、痛み、重さ、頭痛、めまい、手のしびれなどがあります。
また、肩こりが進行すると、慢性化して日常生活に支障をきたすこともあります。
肩こりを放置するとダメな理由
肩こりを放置すると、様々な悪影響が生じる可能性があります。
【症状の悪化】
肩こりは痛みやこわばりだけでなく、頭痛やめまいなど他の症状を引き起こすこともあります。
放置すれば、これらの症状が悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。
【姿勢の悪化】
肩こりによって筋肉が緊張し、姿勢が乱れることがあります。
長期間にわたって姿勢が悪い状態が続くと、骨格や筋肉に負担がかかり、慢性的な姿勢の歪みが生じる可能性があります。
これにより、腰痛や関節の問題など、別の健康問題が発生するリスクが高まります。
【心理的な影響】
肩こりによる痛みや不快感は、日常生活や仕事に集中できず、ストレスを増大させる要因となります。
また、肩こりが長期間続くと、自己効力感の低下やうつ症状の悪化など、心の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
以上の理由から、
肩こりを放置せずに早期に適切な対策を取ることが重要です。
定期的なストレッチや適度な運動、姿勢の改善、マッサージや鍼灸などの施術を受けることで、肩こりの症状を軽減し、健康な生活を送ることができます。
肩こりと鍼灸
鍼灸(東洋医学)では、肩こりにも成り立ちにより種類があると考えます。
東洋医学では、体に「気・血・水」が過不足なく、円滑にめぐっていることで健康が保たれると考えます。
つまり肩こりは、その気血水のいずれか(もしくは複数)の過不足や滞りがある状態とみます。
基本的にはコリや痛みは「滞りがあることが痛みになる」と考えます。
ですので、
気の滞り・血の滞り・水の滞りが肩こりの原因となります。
以下に代表的なものを挙げます。
風寒の邪による肩こり
睡眠中に肩が冷えり、冷たい風やクーラーなどに長く当たることで、冷えが気血を滞らせて肩の筋肉がコリになるタイプです。
肩の筋肉に急にこわばり・ひきつりを感じ、温めると一時的に和らぐ傾向があります。
悪寒などの風邪の初期に起こることもあります。
血の滞りによる肩こり
同じ姿勢を続けるようなデスクワークなどで動かないと、血が滞り肩こりが起きます。
いつも同じ場所が凝っていて、朝寝起きや、座った状態が長く続くと悪化します。
刺すような痛みが出やすく、痛みの程度も強い傾向があります。
水の滞りによる肩こり
余分な「水」が滞った状態で、それが肩の筋肉の気血を妨げることで起きるタイプです。
冷たいもの、生もの、アルコールのとりすぎなど胃腸を弱らせた時、湿気の多い季節、曇りや雨の日などに起こりやすいです。
肩こりは重だるく痛みます。
気の滞りによる肩こり
ストレスなどの精神疲労が続くと気が滞り、それが血の滞りも生み肩こりになるタイプです。
イライラしたり、怒りっぽくなることで気を巡らせる働きが落ちるため、血流をスムーズに保てなくなります。
気血の不足による肩こり
目の使いすぎで目を疲れさせると、血が消耗します。
すると肩の筋肉が栄養されず肩こりが起こります。
また、慢性疲労・過労や胃腸虚弱・栄養失調などがあると、気や血が不足します。
肩の筋肉を栄養する気血が足りず肩こりとなります。
鈍く痛むようなコリです。
以上のように、
肩こりと言っても、個々の患者さんの体質や病状に合わせて判断し、体のバランスを整えることで肩こりを改善する必要があります。
肩こりに効く鍼灸の代表的なツボ
肩こりに効果的なツボをいくつかご紹介します。
【肩井（けんせい）】
肩こりの緩和に効果的なツボです。
首のつけ根と肩先を結ぶ線の中央にあります。
肩こりやこわばり、頭痛に対して刺激を加えることで症状の緩和が期待できます。
【天宗（てんそう）】
肩や背中の筋肉を和らげる作用があり、特に背中から腕にかけてだるさ・痛みを伴うような肩こりによく使われるツボです。
肩甲骨のほぼ中央、骨が薄くなってくぼみになっている所にあります。
軽めの刺激で十分効きます。
周囲の緊張を緩和し、血液や気の流れを改善する効果があります。
【風池（ふうち））】
首の中心線と髪の毛の生え際から、親指の幅4本分ほど左右外側にずれたあたりです。
首と肩のコリがが良くなります。眼精疲労にともなう肩こりなどに効果がよいです。
【曲池（きょくち）】
五十肩などによる肩こりに効果があるとされるツボです。
ひじを曲げた時にできるシワの外側端にあります。
これらのツボは一般的に『肩こり』の症状緩和に効果がありますが、その人の肩コリの場所やツラさの種類、全身の状態などにより相応しいツボが異なります。
個人の状態や症状によって適切なツボの選択が必要です。
鍼灸治療では、症状や体の状態を総合的に考慮し、適切なツボを組み合わせて治療を行います。
肩こり鍼灸のよくある質問と回答
Q: 肩こりって本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療は肩こりの改善に効果があります。
鍼を用いてコリを直接ほぐし、お灸で温めつつ血行を促進し、全身の自律神経の乱れを緩和し血流を整え、コリや痛みや不快感を軽減します。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
症状が改善されたら、徐々に間隔を開けていきます。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が肩こりにどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術はコリの場所に直接的に刺激してコリと痛みの緩和をはかります。
また自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、肩の不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 肩こり以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、頭痛、腰痛、不眠、婦人科疾患、冷え、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 料金はどのくらいですか？
A: 初回はお試し部分鍼灸ですと2200円。2回目以降は全身鍼灸になり7700円です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸の治療は妊娠中でも受けられますか？
A: はい。鍼灸治療は妊娠中でも受けられます。
妊娠中はホルモンのバランスや血液の量が変化するため、コリや痛みが出やすくなります。
鍼灸はこれらの症状を緩和するだけでなく、母体の健康にも良い影響を与えます。
ただし妊娠中に鍼灸を受ける場合は、必ず妊娠の有無や週数をお伝えください。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
肩こりへの鍼灸の論文・研究
現代医学な研究でも肩こりの鍼灸施術の有効性は確かめられています。
●肩こりに対する2002年の研究報告では、『週1回で3回の鍼治療は、肩こりのつらさ感が偽鍼治療より優位に改善した』とされています。
（『鍼施術による慢性頸部と肩の痛みの緩和 - 擬似的にコントロールされたランダム化試験』Relief of chronic neck and shoulder pain by manual acupuncture to tender points - a sham-controlled randomized trial. Complement Ther Med,2002）
●日本での2005年の研究では『真の鍼施術と偽鍼施術の比較試験の結果、真の鍼施術の方が肩こりのつらさ感は優位に改善した』と記載されています。
（『肩こりに対する鍼治療の臨床効果に関する研究－ランダム化比較試験による検討』2005年）
●貼る鍼（円皮鍼）と肩こりの関連では2005年の研究で『円皮鍼は"いわゆる肩こり"に対しては有効であった』としています。
（『肩こりに及ぼす円皮鍼の効果－偽鍼を用いた比較試験』2005年）
あなたの肩こりが少しでも良くなるように最大限の施術をさせていただきます。
