東洋医学のハナシ
穀雨|鍼灸師が教える二十四節気の健康法
穀雨の今できる健康法について
穀雨(こくう)は二十四節気の6番目で、4月20日頃から始まる時期です。
2025年の穀雨は4月20日です。穀雨が終わる頃に八十八夜があります。
「百穀を滋雨(ひゃっこくをじう)す」という意味があり、春の終わりに向かう頃、たっぷりと降る雨が田畑を潤し、作物の成長を助けるとされています。
穀雨が過ぎると気温が徐々に上がり、本格的な初夏へと移行していきます。
春は「肝」の働きが活発になる季節と考えます。
「肝」は、自律神経や感情、解毒などを司るとされており、ストレスや不規則な生活が続くと、「肝」の働きが乱れ、様々な不調が現れると考えられています。
穀雨の頃は、その春から初夏への移行期です。… 全文を読む
あなたの体質タイプと養生法|鍼灸師による東洋医学・6
東洋医学での体質タイプとその養生法
私たちの体調は、気温やストレス、食事などさまざまな要因で変化します。
東洋医学では、体質をいくつかのタイプに分け、それぞれに合った生活習慣を実践することで健康を維持する考え方があります。
体質とは「生まれつきの体格や体質、生活習慣などによって形成された、心身の状態の傾向」を指します。
体質は、病気のかかりやすさや症状の現れ方、回復力などに影響すると考えられています。
今回は、代表的な体質タイプ(気虚、血虚、陰虚、陽虚、気滞、血瘀)について解説し、簡単なセルフチェックで自分の体質を知る方法を紹介します。
また、それぞれの体質に合った食事や生活習慣についてもお伝えします。… 全文を読む
春分|鍼灸師が教える二十四節気の健康法
春分の今できる健康法について
春分は、二十四節気の4番目に位置し、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
太陽が春分点(黄道と天の赤道が交差する点)を通過する時を指します。
暦の上では、この日から夏至までの期間を「春」と呼びます。
春分の時期は、冬の寒さが和らぎ、草木の芽吹きや花の開花など、生命の息吹が感じられる時季です。
また、農作業を始める目安ともされており、種まきや田植えなど、農家にとって重要な時期となります。
昔から、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として国民の祝日にも制定されています。
日本では春のお彼岸とも重なり、祖先を供養する習慣もあります。… 全文を読む
五臓六腑を解説|鍼灸師による東洋医学・5
五臓六腑とは? 〜東洋医学の視点から健康を考える〜
東洋医学では、人の体を「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」という概念で捉えます。
これは単なる解剖学的な臓器の名称ではなく、それぞれが特有の働きを持ち、互いに影響を与えながらバランスを保っていると考えます。
例えば、「肝(かん)」は西洋医学の肝臓に相当しますが、単に解毒を担うだけでなく、ストレスとの関係が深く、「気(き)」の流れを調整する役割があります。
日々の生活の中でこの五臓六腑の働きを意識すると、体調管理や病気予防に役立てることができます。
それでは、それぞれの臓腑の機能、不調による症状、そして日常生活で実践できる養生法について解説していきます… 全文を読む
啓蟄|鍼灸師が教える二十四節気の健康法
啓蟄の今できる健康法について
啓蟄(けいちつ)は、二十四節気の3番目に位置し、2025年は3月5日にあたります。
「啓」は「ひらく」、「蟄」は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」という意味で、冬眠していた虫たちが土の中から這い出してくる頃を表しています。
暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也」と記されています。
この時期は、冬の寒さから徐々に暖かくなり、春の兆しを感じ始める頃です。
自然界では、草木の芽吹き、虫たちの活動開始など、生命の息吹が活発になります。
しかし、気温の変化が大きいため、体調を崩しやすい時期でもあります。
昔から「三寒四温」と言われるように、暖かい日と寒い日が交互に訪れ、体温調節が難しくなります。… 全文を読む
陰陽五行説を分かりやすく解説|鍼灸師による東洋医学・4
東洋医学の基礎:陰陽説と五行説
東洋医学、とくに鍼灸や漢方薬に興味をお持ちの皆さん、こんにちは。
私は鍼灸師として、日々の治療を通じて東洋医学の奥深さを実感しています。
今回は、東洋医学の根幹をなす「陰陽五行説」について、東洋医学の知識がない方にも分かりやすく解説していきたいと思います。
現代医学とは異なる視点から体を捉える東洋医学の知恵は、私たちの健康維持や日々の生活に役立つヒントを与えてくれます。
陰陽説:万物の二面性を表す概念
まず、「陰陽説」から見ていきましょう。
陰陽説は、世の中のあらゆるものは「陰」と「陽」の二つの性質に分けられるという考え方です… 全文を読む
体内の潤いと栄養を保つ鍵 「血」と「水」|鍼灸師による東洋医学・3
東洋医学から見る「血(けつ)」と「水(すい)」
東洋医学では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素によって構成されていると考えます。
これらは単なる物質ではなく、体を構成し、生命活動を維持するための重要なエネルギーや体液、そしてそれらの流れを意味します。
今回は、その中でも「血」と「水」に焦点を当て、それぞれの役割、不調のサイン、そして日常生活でどのように活かせるのかを解説していきます。
「血」と「水」とは?現代医学との比較
まず、「血」と「水」が具体的に何を指すのかを現代医学と比較しながら見ていきましょう。
血(けつ)とは
現代医学でいう血液と似ていますが、単なる血液だけでなく、血液が運ぶ栄養やエネルギー、そして血液が全身を巡ることで得られる滋養作用も含みます。… 全文を読む
立春|鍼灸師が教える二十四節気の健康法
立春の今できる健康法について
立春は二十四節気の第1番目、春の始まりを告げる日です。
暦の上では冬から春へと季節が移り変わる節目であり、古来より新しい年のはじまりとして大切にされてきました。
2025年は2月3日です。
この日から自然界は少しずつ春の息吹を感じ始め、人間の心身もまた自然と同期して春への兆しを感じていきます。
まだまだ寒さは本番という時期ですが、日は少しずつ伸びていき、春へと移ろうことも実感できます。
立春には、体の内側から温めてくれる食材を取り入れたり、春の芽出しを意識した軽い運動を取り入れるなど、季節の変わり目に合わせた養生がおすすめです。
立春の頃に起こりうる心身の不調
… 全文を読む東洋医学の根幹「気」とは?|鍼灸師による東洋医学・2
東洋医学の根幹をなす「気」とは?〜現代人のための「気」の養生法〜
日々、患者さんの心身の不調と向き合う中で、東洋医学の世界観の奥深さを改めて実感しています。
今回は、東洋医学の根幹をなす概念でありながら、現代人には少し理解しにくい「気(き)」についてまとめました。
日々の生活に取り入れやすいように解説していきたいと思います。
「気」とは何か?〜東洋医学における生命エネルギー〜
「気」という言葉は、日常生活でも「元気」「病気」「気力」など、様々な場面で使われています。
しかし、東洋医学でいう「気」は、単なる気分や雰囲気とは異なり、生命活動の根源となる「エネルギー」を指します。
現代医学的に「気」を説明するのは難しいです。… 全文を読む