初めての不妊治療検査【病院・クリニック】

婦人科クリニック

病院で検査を受ける重要性

「なかなか子供を授からない」という悩みや疑問を感じた時、多くのご夫婦は原因を知るために婦人科を受診されるようになりました。
この辺の認知度は、5年前と比べてもはるかに高くなったような印象を受けます。
しかも20代でも、半年ほどお子さんができない人で病院に足を運ぶ人も増えました。

当院は東洋医学で体をみていく場所(鍼灸院)ですが、お子さんが欲しい(けどなかなか授からない)なら、まずは西洋医学の視点で現状チェックをしてみて欲しいと考えています。
それが「一般不妊検査」です。

不妊の原因は男女で半々ですので、検査はご夫婦でそろって受けていただきたいと考えます。
※女性のみの原因41%・男性のみ24%・男女とも24%・不明11%と言われます。

原因によっては、ご自身たちでタイミングをとっても自然妊娠が難しいかもしれません。
その場合は、体外受精のような高度生殖医療も選択肢になってきます。
その選択はご夫婦で行うべきもので、必ずしも高度生殖医療をしなくてもいいのです。
ただ、どういう選択をするにも、まずは検討材料が必要です。
なるべく早期に今のご夫婦の現状を知って、今後どうするか考える材料を得て欲しいです。

今回は、この病院での不妊検査である「一般不妊検査」について解説します。

一般不妊検査

病院やクリニックで多少の違いはあるでしょうが、おおむね以下のような流れで進むと思います。

初回

初回の検査では、生理周期に関係なく受けられる、すべての基本となる検査が行われます。
「血液検査」と「超音波検査」があります。

血液検査には次のような検査があります。

・感染症各種検査
B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、貧血などがあるかないかを確認する検査。

・クラミジア検査
性感染症の1つです。
クラミジアに感染すると、不妊の原因にもなりうる(子宮や卵管に炎症を起こし、卵管閉塞や周囲の癒着が生じやすくなるため)ため、早期発見のためにも欠かせない検査。

・AMH検査
「卵巣年齢が分かる検査」です。現在残っている卵の予想(今後の排卵できる期間が長いかどうか)を知るために行います。

・甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
甲状腺の異常は排卵障害や習慣流産につながる可能性があるのでホルモン値を検査。

・自己抗体
不育の原因になりうる抗核抗体を確認する検査。

・血液型や肝機能や腎機能検査も同時に検査します。

まずは基本的な検査を受けることで、婦人科を中心にして体全体の健康状態をチェックします。
普段の生活では気付くことが難しい症状を発見できるかもしれません。

月経中の検査

卵巣の機能を調べるために血液検査を行います。
脳から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、プロラクチン(PRL)、エストロゲン(E2)を測定します。

月経後から排卵までの検査

「子宮卵管造影検査」を行います。
卵管が詰まっていないかどうかを調べる検査で、自然妊娠可能かを判断する上で大事な検査です。
子宮内に造影剤を注入して子宮の形、卵管の通りを確認します。

排卵の時期の検査

「超音波検査」「頚管粘液検査」を行います。
子宮内膜は厚さや卵胞の発育を超音波で確認します。
また、排卵の時期には子宮の出口から分泌される頚管粘液が増えるので、それを調べます。
この粘液が少ないと精子が子宮内に到達出来ません。

「フーナーテスト」を行います。
排卵の時期に性交渉を行い、当日もしくは翌日に来院していただき、頚管粘液中の精子を調べます。
子宮に精子が到達しているか、きちんと運動しているかを確認します。
きちんと運動している精子が確認できた時は、当然妊娠する可能性があります。

高温期の検査

「黄体ホルモン検査(血液検査)」を行います。
排卵後の黄体ホルモンの値がしっかりしているかどうかの検査です。
黄体ホルモンは子宮内膜を厚くして受精卵を育てる環境を保持します。
超音波検査により子宮内膜が正しく厚くなっているかも調べます。

男性の不妊検査(精液検査)

精液の持込みか病院で採精します。
精子の数・形・運動性について行う一般的な精液検査と、精子の機能・染色体・遺伝子などを調べる特殊な検査があります。
女性の生理周期とは関係なく、いつでも検査ができます。
ただし、精液検査の結果はそのときの体調・ストレス・飲酒などにより変動があることもあります。

検査で分からないこと

検査を受けた結果「原因不明」と言われてしまう人も少なくありません。
原因不明とは「検査ではわからないもの」と言う意味です。

検査では分からないけど不妊の原因になるであろう代表的なものは以下の通りです。
・卵管のピックアップ機能
・卵子の質
・受精障害 

ピックアップ障害

排卵した卵子を卵管の先の手のような部分でキャッチする能力のことをピックアップ機能と呼びます。
毎回ちがう場所から排卵する卵子をキャッチする能力は検査で調べることは出来ません。

卵子の質

年齢とともに卵子の質は、低下していると考えられますが、それを体外から検査することはできません。

受精障害

精子や卵子の問題で、自然には正常受精が成立しない場合があります。
これは、実際体外受精を行ってみて、初めてわかる事で、一般不妊検査では分かりません。
受精障害があるとわかった場合には、顕微授精で治療をします。

不妊治療と鍼灸

不妊専門の病院(クリニック)で検査を受ける重要性はぜひ知ってほしいです。
「今の身体の状態を知る」ことで、初めてどうしたらより授かりやすくなるのかの方針が決められます。

しかし同時に、赤ちゃんを望む多くの人がすでに一般不妊検査は受けているのも事実です。
(※そのくらい「まずは婦人科で検査しよう」というの認知は高くなってきました。)

その結果、タイミング療法から始まり、人工受精や体外受精に進むものの、なかなか成果が出ないという人も少なくないのが現状です。

病院の検査や治療をしっかり受けたけど成果が出ない人には「違ったアプローチ」もおススメになります。
それが東洋医学=鍼灸です。

東洋医学では、西洋医学のように体をパーツを分けて原因を見つけてく方法ではなく、体全体はつながっているから「全体をよくしていくことで各パーツもよくなる」と考えます。
これは西洋医学とは全く異なる視点です。

たとえば、体全体の冷え性が改善することが生理痛を軽くすることにつながったりします。
または、体の疲れをとることで女性ホルモン値が改善することにつながったりもします。
これらを「体質改善」や「体づくり」と当院では呼んでいます。

当院では「赤ちゃんを招くにふさわしい体に近づくことが妊娠の可能性が高める」という考え方で、妊活目的の鍼灸に力を入れています。

なお、不妊治療クリニックの選び方は別の記事を参照ください。

不妊治療病院・クリニックの選び方のコツ

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