体外受精の成功のために必要な○○○とは?|研究論文

体外受精(胚移植)に鍼灸を勧める科学的証拠

不妊鍼灸

「体外受精(IVF)を考えているけれど、鍼灸って本当に効果があるの?」
「移植の時に鍼灸を受けると良いって聞くけど、いつ受けたら良いの?」

当院は、千葉県鎌ケ谷市にあり、20年間、延べ4万人以上の患者様の施術に携わってきました。
とくに不妊治療や婦人科系疾患、自律神経失調症の治療に力を入れており、30~40代の女性の患者様が多くいらっしゃいます。

このように鍼灸院にすでに足を運んでくれている人もいますが、鍼灸師である私が「不妊治療に鍼灸が良い!」と叫んでも「ホントなの?」という迷いや不安のは聞こえてきます。

そこで、客観的な証拠になる研究をご紹介して、不妊治療(体外受精)に鍼灸を併用することをお勧めしたいと思います。

今回は、体外受精(胚移植)と鍼灸の関係について、科学的な研究結果も交えながら、わかりやすく解説していきます

鍼灸や東洋医学に馴染みのない方にも理解していただけるよう、丁寧な言葉で説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

胚移植は何曜日が効果的? – リラックスの重要性

トルコの休日

まずは鍼灸とは一見関係なさそうな研究からご紹介します。

「胚移植って何曜日にしたら良いと思います?」ということを研究した論文があります。

体外受精において、胚移植は非常に重要なステップです。
移植のタイミングは、生理周期などの体のタイミングなのだから「曜日なんて関係ない。曜日によって影響を受けることはない」と思われますよね!?

私もそう思いました。

しかし、この研究では、曜日によって胚移植の成功率に違いが出る可能性が示唆されています。

研究論文:
『平日と週末での胚移植成功率の比較』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27123200

結果:
平日に移植を受けたグループと週末に移植を受けたグループを比較した結果、週末に移植を受けたグループの妊娠率が平均14.6%増加したという結果が出ています
ただし、統計的に有意な差はなかったため、更なる研究が必要とされています。

この研究が行われた国は、日本ではなくトルコです。
ですので、トルコの文化の影響を受けていることが考えられます。
「お国柄」ですね。

トルコでは、週末は家族や友人とゆっくり過ごす時間が一般的のようです。

このことから、週末のリラックスした過ごし方が、胚移植の成功に影響を与えている可能性が考えられます。

移植後、受精卵が着床するまでの期間は、初期胚で3~5日、胚盤胞で1~2日程度です。

この間の心身の状態、とくに精神的な状態は非常に重要です。
精神的なストレスは自律神経の乱れを引き起こし、血流やホルモンバランスに影響を与え、着床や着床後の子宮環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

つまり、曜日が重要なのではなく、「リラックス」が重要なのです

平日に移植を受ける場合でも、ゆったりと過ごすことで良い結果につながる可能性があります。
逆に、曜日に関わらず、体外受精の結果について過度に心配することは、マイナス効果になるかもしれません。

夫婦間のストレスがあると体外受精に失敗する?

夫婦間のストレスは不妊の原因・写真

胚移植後、リラックスできる時間を過ごす方が、体外受精がうまくいくという研究を見てきました。

では、ストレスが強いとどうなるのでしょうか?

「夫婦のストレスはIVF失敗と関連あり」という研究があります。

題名:
『不妊症のカップルにおけるストレス・不安・うつは、IVF失敗と関連している』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29528174

結果:
女性側・男性側のストレスは、それぞれのパートナーのストレス、不安、抑うつとも関連している。
ストレスや不安などが強いと不妊治療での妊娠率が低下する。
不妊カップルは、メンタル面でのコンディションを保つような治療を受けることで恩恵を受ける可能性がある。

ストレスが自律神経やホルモンに悪影響を与えることは、よく知られています。
ストレスは、女性ホルモンのエストロゲンや、抗ストレス作用のある副腎皮質ホルモン、緊急時に働くアドレナリンなど、様々なホルモンの分泌に影響を与えます。
これらのホルモンは全身に大きく作用するため、ストレスが心身に与える影響は非常に大きいと言えます。

この研究では、不妊に悩む夫婦のストレスや不安、うつが、IVFの失敗と関連していることが示されています

夫婦間でお互いのストレスや不安を受けやすいこと、それがサイトカインというストレス反応物質の量に影響を与え、IVFの成功率に影響を与える可能性が示唆されています。
体外受精は夫婦の共同作業であり、お互いの心身の健康を支え合うことが非常に重要です。

パートナーの心の健康は、自身の心の健康にも影響を与えます。
「不妊の夫婦は、パートナーのストレスを上手く対処することで(自分に)恩恵がある」のです。

以上のことから、リラックスできる環境は不妊治療にプラスで、ストレスが強いのは不妊治療にとってはマイナスになるということです。

当院の考察と感想

二つ目の研究は「妊娠出産は夫婦の共同作業である」というのが建前ではなく、具体的なリアルな事実であることを教えてくれる気がします。
体外受精を成功させるためにも、円満な夫婦関係が大事ということです。

…とはいうものの、
夫婦間の感情的な距離や温度差などを、夫婦だけで解決するのは難しいと感じます。

そのご夫婦なりの歴史やドラマがあって、今このような夫婦の形になっているのですから…。

当院にくる不妊の患者さんにも「主人が協力的でない」「妊活に夫婦で温度差がある」などを切々と訴えられるケースもあります。
その際は、涙、涙の問診になります…。
女性に泣かれるのは心苦しいですが、それも含めての問診(カウンセリング)ですので、傾聴したします。

…ともあれ、
このような心理的な課題をどうしたら良いのか!?と言えば、ここで東洋医学・鍼灸です(ようやく鍼灸登場!(笑))。

鍼灸が、薬とは全く違った切り口で、体から心を整える作用を持っていることを説明します。

鍼灸のリラックス効果

リラックス

「リラックスは胚移植の成功率を高め」「夫婦間のストレスやうつ状態は体外受精の成否に影響する」ことを示唆した研究内容をご紹介してきました。
これは違う言い方をすれば、リラックス状態を作れれば、妊活に良い効果を期待できるということです

鍼灸は、身体の特定の部位、いわゆる「ツボ」(経穴)を刺激することで、身体のバランスを整え、様々な効果をもたらすとされています。
その中でも、鍼灸のリラックス作用は、多くの方が実感される効果の一つです

鍼灸がリラックス効果をもたらす主な要因は、自律神経系への働きかけにあります。
自律神経系は、心臓の鼓動、呼吸、消化など、身体の無意識的な機能をコントロールしています。
この自律神経系は、活動モードの「交感神経」と休息モードの「副交感神経」の二つに分かれており、シーソーのようにバランスを取り合っています。

ストレスや緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、心身が興奮状態になります。
これが慢性的に続くと、心身の不調につながることがあります。
そこで鍼灸によってツボを刺激することで、副交感神経の働きを高めることができるのです。

具体的には、鍼やお灸の刺激は、神経を通して脳に伝わり、リラックス作用のある脳内物質の分泌を促します
とくに、リラックス効果や幸福感をもたらす「セロトニン」や、鎮痛作用のある「エンドルフィン」などの分泌が促進されると考えられています。
これらの脳内物質の作用により、心身がリラックスし、緊張が和らぎます。

このように鍼灸は、心身のリラックスにとても効果的な施術です。
鍼(はり)やお灸(きゅう)というと、少し怖いイメージがあるかもしれませんが、当院では痛みや熱さを極力抑えた、心地よい施術を心掛けておりますのでご安心ください。

心身ともにリフレッシュし、穏やかな気持ちで過ごせるようなお手伝いが、鍼灸にはできます。

IVF

ここまで読んで、「妊活にとって鍼灸が良いのかも…」と思っていただけましたか?

そうだと嬉しいですが、そのさいは「鍼灸をいつ使えばいいのか?」という疑問も出ると思います。

答えとしては、当院では「普段からの継続的な施術」を最も大切に考えています

「移植直後に鍼灸を受けると効果がある」という研究結果も存在しますが、それはあくまで継続的なケアがあってこその効果です。

当院の鍼灸の目的は、「妊娠しやすい体づくり」、つまり「体質改善」です。
1回や2回の短期間の治療で体質が劇的に変わることはありません。

継続的な治療によって、ホルモン薬などの副作用を軽減し、より良いコンディションで移植に臨むことができるのです。

当院の鍼灸の特徴

当院では、東洋医学に基づき、脈、舌、お腹などを診て体の状態を把握します。
そして、全身のツボ(経穴)を使って全身からアプローチする施術を行います。
鍼は痛くなく、お灸は熱くなく、心地よく効果を感じていただけるように配慮しています。

東洋医学では、「体質改善」が病気治療において非常に重要だと考えます。
時間をかけてできた状態(症状)には、改善のためにも時間がかかるのは当然です。
鍼灸治療は魔法ではありません。緩める作業、温める作業、整える作業を地道に繰り返すことで、効果が定着していくのです。

当院では、不妊鍼灸の場合、6ヶ月程度の期間を目安に体質改善に取り組むことをお勧めしています。
そのくらいの時間をかけて体を根本から変えていくことで、移植の前後に鍼灸をするかどうかを悩む必要のない状態を目指します。

当院では、時間をかけて患者様のお話を丁寧に伺い、わかりやすく説明することを心がけています。
どんな些細なことでも、安心してご質問ください。

体外受精(胚移植)を考えている方、鍼灸に興味をお持ちの方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。
心身ともにリラックスできる空間で、あなたの体質に合わせた最適な施術をご提供いたします。

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