髪のパサつきに効くツボ
髪のパサつきに効くツボ

毎日の仕事や家事、本当にお疲れさまです。
ふと鏡を見たときや、髪に触れたとき。「昔はもっとツヤがあったのに」「高いトリートメントを使っているのに、パサパサしてまとまらない」と気分が沈んでしまうことはありませんか?
40代、50代と年齢を重ねるにつれて深刻になる髪のパサつき。
髪のパサつきは、単にヘアケア不足だけが原因とは限りません。
紫外線や乾燥、ヘアカラーなどの外的なダメージだけでなく、加齢やホルモンバランス、栄養状態、血行不良など、体の内側の変化が影響していることも少なくありません。
西洋医学では「髪や頭皮の状態」から原因を探ります。
一方、東洋医学では「髪は体の状態を映す鏡」と考え、「全身のバランス」を整えることを重視します。
今回は、髪がパサつく原因を西洋医学と東洋医学の両面から解説するとともに、体質別の考え方やセルフケアに役立つツボについて詳しくご紹介します。
西洋医学からみた髪のパサつき

髪のパサつきは、髪の表面を覆うキューティクルが傷ついたり、髪内部の水分やタンパク質、脂質が失われたりすることで起こります。
原因として最も多いのは、ヘアカラーやパーマ、ドライヤーやヘアアイロンの熱、紫外線、摩擦などによるダメージです。
キューティクルが剥がれると、髪の内部から水分が蒸発しやすくなり、ツヤやしなやかさが失われます。
また、加齢によって皮脂分泌が減少すると、頭皮や髪の乾燥が進みやすくなります。
女性では更年期前後のホルモンバランスの変化も影響すると考えられています。
さらに、極端なダイエットや偏った食生活によるタンパク質、鉄、亜鉛などの栄養不足、睡眠不足やストレスによる血流低下も、健康な髪の維持に影響を及ぼすことがあります。
一方で、頭皮のかゆみや赤み、フケが多い、急激な抜け毛を伴う場合は、脂漏性皮膚炎や円形脱毛症、甲状腺疾患などが隠れていることもあるため、皮膚科での診察が勧められます。
西洋医学的な治療法
西洋医学において、髪のパサつきそのものは疾患として扱われないことが多いため、特効薬はありません。
しかし、背景にある原因に対してはいくつかのアプローチがあります。
主な対策は次のとおりです。
保湿効果の高いシャンプーやトリートメントを使用する
ドライヤーやヘアアイロンの高温使用を避ける
紫外線対策を行う
タンパク質、鉄、亜鉛、ビタミン類をバランス良く摂取する
十分な睡眠とストレス管理を心がける
皮膚疾患やホルモン異常などが原因の場合は、その病気に対する治療を優先します。
東洋医学からみた髪のパサつき

東洋医学では、「髪は血余(けつよ)」といわれ、体内に十分な栄養(血)があり、内臓から隅々まで満たされた後、一番最後に栄養が届くのが髪の毛であるという考え方です。
つまり、髪がパサつくということは「体に余分な栄養がない=体が栄養不足・エネルギー不足に陥っている」というサインなのです。
また、「腎(じん)は髪をつかさどる」とされ、「腎(じん)」は生命力や老化を司る臓器であり、腎の機能が充実していれば髪も黒々とツヤを持ちますが、年齢とともに腎が衰えると髪にパサつきや白髪が現れます。
東洋医学では、主に以下の3つの体質に分けて髪のパサつきの原因を判別します。
血虚(けっきょ)タイプ
もっとも多いタイプです。
血が不足して髪まで十分な栄養が届いていない状態です。
特徴は、
髪が乾燥する
枝毛や切れ毛が多い
顔色が白い
めまい
月経量が少ない
血を補い、全身の栄養状態を整えることが大切です。
腎虚(じんきょ)タイプ
加齢や慢性的な疲労によって生命力の源とされる「腎」が弱った状態です。
特徴は、
髪にコシがない
白髪が増えた
抜け毛を伴う
足腰がだるい
耳鳴り
腎を補い、体の根本的な活力を養うことを目指します。
陰虚(いんきょ)タイプ
体を潤す「陰液」が不足している状態です。
特徴は、
髪が乾燥する
肌も乾燥しやすい
のどが渇く
手足がほてる
寝汗をかく
体を潤しながら熱を鎮める治療を行います。
瘀血(おけつ)・気滞(きたい)タイプ
ストレスや冷えによって、気(エネルギー)と血の巡りが滞ってしまっている状態です。
特徴は、
ストレスでイライラしやすい
自律神経が乱れている
肩こりや首の張りが強い
生理痛が重い、経血にレバー状の塊が混じる
気血の巡りを促進する体へ整えていきます。
東洋医学では、髪だけを見るのではなく、「血」「気」「腎」の状態を総合的に判断し、全身のバランスを整えることで頭皮や髪の健康維持を目指します。
髪のパサつきに効くツボ

東洋医学では、髪のパサつきに対して頭皮だけを刺激するのではなく、全身の血流や気血の巡り、腎や胃腸の働きを整えるツボを組み合わせます。
髪は毛根で作られますが、その毛根へ十分な栄養が届くためには、血液循環が良好であること、消化吸収が正常であること、そして体全体の気血が充実していることが重要です。
鍼灸院では、脈診・舌診・腹診などを行い、その日の体調や体質を判断して配穴を決めます。
頭部だけではなく、手足やお腹、背中のツボを組み合わせることで、全身から頭皮環境を整えることを目指します。
セルフケアでは、入浴後など体が温まったタイミングで、指の腹を使って心地よい強さで5~10秒ほど押すとよいでしょう。
頭皮マッサージを併用するのもおすすめです。
ただし、髪のパサつきはヘアケアだけでなく、睡眠、栄養、ストレス、紫外線対策など生活習慣も大きく関係します。
ツボ刺激は、それらの対策と組み合わせて継続することが大切です。
髪のパサつきに効く共通のツボ
■百会(ひゃくえ)
耳のいちばん高いとこりに親指をあて中指を頭のてっぺんにあててそこから前げ押しながら移動し、気持ちよく感じるところ。
頭部の気血の巡りを整える目的で用いられます。
■足三里(あしさんり)
膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみに人差し指を置き、指幅4本揃えて小指が当たっているところにあります。
髪の材料となる栄養を十分に取り込める体づくりを目指します。
■三陰交(さんいんこう)
内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところが三陰交です。
血を養い、女性の体調を整える目的でよく用いられるツボです。乾燥しやすい体質にも適しています。
髪のパサつきに効果的な体質別のツボ
血虚タイプ
■三陰交(さんいんこう)
内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところが三陰交です。
血を補い、髪へ十分な栄養が届くよう促す目的で選択します。
腎虚タイプ
■太谿(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱のほぼ中央のくぼみにあります。
腎の働きを補い、髪のハリやコシを支える体質改善を目指します。
陰虚タイプ
■復溜(ふくりゅう)
内くるぶしのいちばん高いところに薬指をおき、指幅3本そろえて人さし指があたっているアキレス腱の前。
体を潤し、乾燥による髪や肌のパサつきを和らげる目的で用います。
瘀血・気滞けタイプ
■太衝(たいしょう)
足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。
全身の気血の巡りを改善する目的で使用します。
ツボを自分で探す時のコツ
より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。
ツボの基本位置を確認
鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。
押して探す
だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。
体の反応をみる
ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。
ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。
せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点
ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。
「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。
せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。
せんねん灸の使い方
種類を選ぶ
「せんねん灸」には様々な種類があります。

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。

初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。
ツボの場所を決める
どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。
準備
お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。
台座の裏紙を剥がす
「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。
もぐさに点火
巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。
皮膚に据える
火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。
取り外す
使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。
お灸をする上での注意事項
・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。
・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。
・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。
・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。
・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。
・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。
・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。
上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
セルフケアのツボ押しの方法と注意点
ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。
ツボ押しの方法
リラックスできる環境を整える
静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。
ツボの位置を確認
書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。
指の腹で押す
親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。
適度な力で押す
「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。
時間をかけて押す
1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。
呼吸を意識する
力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。
温めてから行うと効果的
入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。
ツボ押しをする上での注意事項
・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。
・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。
・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。
・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。
・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。
・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。
・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。
・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。
上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
ドライヤーお灸のやり方と注意事項
ドライヤーお灸は、火を使わずにドライヤーの温風を利用してツボを温める、手軽で安全な方法です。
広い範囲を温める場合や、火を使うお灸に抵抗がある方や、初めてお灸を試す方におすすめです。
ドライヤーお灸のやり方
準備
ドライヤーと、もしあればですが、姿見もしくは手鏡を用意します。
手鏡があると、背中など見えにくい部分のツボを温める際に便利です。
温風の当て方
ドライヤーを肌から5~10cmほど離します。
近すぎると熱くなりすぎるため、必ず距離を保ってください。
温風の温度は、低温(50~60度程度)に設定します。
ドライヤーに温度調節機能がない場合は、ドライヤーと肌の距離を調整することで熱さを調節します。
熱く感じたらすぐにドライヤーを離すようにしてください。
温風を当てる時間は、1つのツボにつき、熱いと感じたら離す、を5回程度繰り返します。
連続して長時間当て続けるのは避けましょう。
温める場所
特定のツボを意識する必要はありますが、厳密な位置にこだわる必要はありません。
ドライヤーの温風は比較的広い範囲に当たるため、「面」で温めるイメージで大丈夫です。
ツボの周辺をじんわりと温めることで、効果が期待できます。
行う頻度
朝晩2回程度行うのがおすすめです。
ご自身の体調や生活に合わせて、無理のない範囲で行ってください。
ドライヤーお灸の注意事項
・怪我や炎症、痛みなどで熱を持っている部位には使用しないでください。症状が悪化する可能性があります。
・泥酔時や発熱時など、体調がすぐれない場合は使用を控えましょう。
・他人にドライヤーお灸を行うのは避けてください。
温度の感じ方には個人差があり、火傷をさせてしまう可能性があります。
・使用中に皮膚に異常(赤み、かゆみ、痛みなど)が現れた場合は、直ちに使用を中止し、必要に応じて医師に相談してください。
・同じ部位に長時間当て続けないように注意してください。
低温火傷の原因となることがあります。
まとめと本格的な鍼灸のススメ
髪のパサつきは、ヘアカラーや紫外線などの外側からのダメージだけでなく、加齢や栄養状態、ホルモンバランス、血流など、体の内側の状態も大きく関係しています。
西洋医学では髪や頭皮へのダメージを防ぎ、適切なヘアケアや栄養管理を行うことが基本です。
一方、東洋医学では「髪は血余」「腎は髪をつかさどる」という考えのもと、気・血・腎のバランスを整え、体質から改善を目指します。
当院では、脈・舌・お腹の状態を丁寧に確認し、お一人おひとりの体質を見極めたうえで、東洋医学に基づいた鍼とお灸による施術を行っています。
「年齢とともに髪のツヤがなくなってきた」「ヘアケアを頑張っても改善しない」「体の疲れとともに髪質も変わってきた」と感じている方は、髪だけでなく体全体のバランスを見直してみることも大切です。
髪の健康は、体の健康を映す鏡でもあります。内側から健やかな髪を育てたいとお考えの方は、ぜひ一度、本格的な東洋医学による鍼灸施術をご相談ください。
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