電気が走るような頭痛への鍼灸症例

頭痛(電撃痛)への鍼灸治療

頭痛

「頭に電気が走るように痛む」
想像を絶するこの激しい痛みを、あなたは経験したことがありますか?

今回は、長年このようなツラい頭痛に悩まされていた70代女性の症例です

病院では原因が分からず、痛み止めで一時をしのぐ日々でした。
そんな患者様が当院の鍼灸治療によって劇的な改善を遂げた症例をご紹介します

患者さまについて

年齢・性別:
70代女性

鍼灸院に来るまでの経緯:
6ヶ月前から頭痛に悩まされ始め、4ヶ月前に仕事を退職してからは痛みが悪化していました。

その痛みは「頭に電気が走るよう」と表現されるほど激しく、日常生活に支障をきたすほどでした。
病院では原因が特定できず、痛み止めの処方のみ。
根本的な解決には至っていませんでした。

もともと首から肩にかけてのコリがひどく、今回の頭痛もそれと関連があるのではないかと感じていました。

さらに、数日前からは左のお尻にも痛みを感じるようになっていました。

既往歴としては、甲状腺がんと胃がんの経験があり(どちらも完治)、甲状腺の薬は継続服用中。
緑内障も患っており、眼科にも通院していました。
日常的に疲れやすく、冷えを感じやすい体質とのことでした。

東洋医学的考察

東洋医学では、痛みは「不通即痛(ふつうそくつう)」、つまり「流れが滞ると痛みが生じる」と考えます。
今回の患者様の場合、長年の首肩の凝りによって経絡(気血の通り道)の流れが滞り、それが激しい頭痛を引き起こしていると考えられました。

とくに、首肩は頭部と密接に関係しており、この部分の血行不良は頭痛の大きな要因となります。

また、患者様は疲れやすく冷えやすい体質とのことでしたので、これは「気虚(ききょ)」と「陽虚(ようきょ)」の状態を示していると考えられます。
気虚はエネルギー不足、陽虚は体を温める力が不足している状態です。

これらの状態は血行不良を招き、痛みを増強させる要因となります。

さらに、過去の病歴や現在の服薬状況も考慮し、全身のバランスを整える視点から治療を行う必要がありました。

治療方針

今回の治療では、最優先の目標を「電気が走るように痛む頭痛」の緩和に設定しました。

東洋医学的な診立てに基づき、気血の滞りを改善することで頭痛の軽減を目指しました。
具体的には、首肩の凝りをしっかりと取り除き、経絡の流れをスムーズにすることで、頭部への血流を改善することを目的としました。

また、全身の状態を考慮し、気虚や陽虚の改善も視野に入れました。

これにより、根本的な体質改善を図り、痛みの再発を防ぐことを目指しました。
患者様の病歴や服薬状況も考慮し、安全かつ効果的な治療を行うことを心がけました。

治療経過

1回目:
仰向けで、「合谷」「外関」「足三里」「太衝」に置鍼、棒温灸は「中脘」に行いました。足先にはホットパックで温めました。
うつ伏せで、「肩こりの局所」には鍼と灸を施しました。
さらに、「風池」「心兪」「膈兪」「腎兪」にも鍼と灸を行いました。

2回目(1週間後):
施術後1週間は頭痛が全く出ていないとのことでした。
首肩の凝りとお尻の痛みは残っていましたが、明らかな改善が見られました。
前回に準じた施術に加え、首肩の凝り局所には円皮鍼を追加しました。

3回目(2週間後):
頭痛はすっかり消失していました。
肩こりと腰痛は残っていましたが、これらの改善には時間がかかることを説明しました。

前回同様の施術を行い、患者様と相談の上、頭痛が改善したため一旦治療を終了することとなりました。

使用した主なツボとその代表的な効果

合谷(ごうこく):
手の甲にあるツボで、鎮痛作用や血行促進作用があります。特に頭痛、肩こり、目の疲れなどに効果的です。

外関(がいかん):
手首の上にあるツボで、上半身の熱を冷ます作用や、気の流れを整える作用があります。頭痛、肩こり、耳鳴りなどに効果的です。

足三里(あしさんり):
膝の下にあるツボで、胃腸の働きを整え、全身の気を補う作用があります。消化不良、胃もたれ、足のむくみなどに効果的です。

太衝(たいしょう):
足の甲にあるツボで、肝臓の働きを整え、気の流れをスムーズにする作用があります。イライラ、不眠、目の疲れなどに効果的です。

中脘(ちゅうかん):
お腹にあるツボで、胃腸の働きを整え、消化を促進する作用があります。胃痛、食欲不振、便秘などに効果的です。

風池(ふうち):
首の後ろにあるツボで、頭部の血行を促進し、頭痛、めまい、首こりなどに効果的です。

心兪(しんゆ):
背中にあるツボで、精神安定作用や血行促進作用があります。動悸、不眠、不安感などに効果的です。

膈兪(かくゆ):
背中にあるツボで、血液を浄化し、血行を促進する作用があります。貧血、皮膚疾患、消化不良などに効果的です。

腎兪(じんゆ):
背中にあるツボで、腎臓の働きを整え、体を温める作用があります。腰痛、冷え性、頻尿などに効果的です。

まとめ

今回の症例を通して、当院の鍼灸治療が激しい頭痛の改善に非常に有効であることが示されました

患者様はわずか3回の治療で長年の頭痛から解放され、日常生活を取り戻すことができました

もちろん、慢性的な肩こりなど、他の症状の改善には継続的な治療が必要となりますが、今回の結果は鍼灸治療の可能性を改めて示すものとなりました。

当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた丁寧な問診と東洋医学に基づいた的確な診断を行い、最適な治療を提供しています。

「どこに行っても良くならない」「長年の痛みを諦めている」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

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