習慣性流産への鍼灸
繰り返す流産(習慣性流産)と鍼灸治療
「またダメだった…」
妊娠の喜びを知ったのも束の間、繰り返される流産の宣告。
その度に、言葉では言い表せないほどの悲しみと、自分を責める気持ちに押しつぶされそうになる。
授からないツラさとはまた違う、喪失感、絶望感、そして「なぜ私だけ…」という孤独感。
それは、経験した人にしか分からない、心の奥底を締め付けるような痛みかと思います。
「赤ちゃんを抱きたい」ただそれだけの願いが、何度も打ち砕かれる。
病院では「原因不明」と言われ、途方に暮れる日々。
もし、あなたが今、このような状況で苦しんでいるなら、どうか一人で抱え込まないでください。
当鍼灸院は、そんなあなたに寄り添い、心と身体の両面からサポートする場所です。
なぜ、繰り返してしまうのか?
現代医学では、流産の原因が特定できる場合もありますが、実はその多く(約65%)が原因不明とされています。
染色体異常や子宮の形態異常、内分泌系の異常などが原因として考えられますが、検査をしても何も異常が見つからないケースも少なくありません。
現代医学的な治療観では、「原因が分からないものには治療法がない」とされ、有効な手立てが見つからないのが現状です。
しかし、東洋医学(鍼灸)の視点から見ると、違ったアプローチで改善の道を探ることができます。
それが「体質改善」です。
東洋医学では、身体全体を一つの繋がりとして捉え、バランスの崩れが様々な不調を引き起こすと考えています。
流産を繰り返してしまう背景には、身体の根本的なバランスの乱れ、つまり「体質」が深く関わっていると考えます。
流産と体質の深い関係。3つの重要なポイント
鍼灸で考える体質改善は、以下の3つのポイントに着目します。
冷えの改善:
東洋医学では「冷えは万病の元」と言われるように、身体の冷えは様々な不調を引き起こします。
とくに、子宮や卵巣といった骨盤内の臓器が冷えていると、赤ちゃんを育む力が低下してしまうと考えます。
基礎体温が低い、手足が冷える、お腹や腰回りが冷たいといった症状は、子宮が冷えているサインかもしれません。
冷えによって血流が悪くなり、子宮内膜が十分に栄養されなくなると、受精卵が着床しにくくなったり、成長を維持できなくなったりする可能性があります。
血流促進:
子宮や卵巣は、豊富な血液によって栄養されています。
とくに、赤ちゃんのベッドとなる子宮内膜は、毛細血管の集まりです。
血流が滞ると、子宮内膜が十分に栄養されず、受精卵が育つための環境が整いません。
また、抗リン脂質抗体症候群などの凝固系異常では、血流が悪くなることが流産の直接的な原因となることも分かっています。
鍼灸治療では、血流を促進することで、子宮や卵巣にしっかりと栄養を届け、赤ちゃんが育ちやすい環境を整えます。
ホルモンバランス:
ホルモンバランスの乱れは、妊娠の維持に大きな影響を与えます。
東洋医学では、ホルモンバランスが整っている状態を「育てる力がある」と表現し、非常に重視しています。
これは、単にホルモンだけの問題ではなく、免疫系の働きとも深く関わっています。
とくに、不育症や習慣性流産では、自己免疫の異常が関与しているケースが多く、鍼灸治療では、免疫系のバランスを整えることも視野に入れて施術を行います。
実際の施術ではどういうツボをとるのか?
実際の鍼灸治療ではどのようなことを重視して治療をするかを書きます。
『冷えの改善』、『血流促進』、『ホルモンバランスを整える』という3つのポイント別に大枠をお伝えします。
当院の鍼灸治療では、身体中にあるツボの中から、その人の体質を改善するために効果の高いツボをセレクトします。
ですので、必ず以下のツボを必ず使うわけではありませんが、比較的効果が出やすいツボをご紹介します。
冷え対策のツボ
冷えが原因で婦人科系が弱っている場合、やはり下腹部や腰のあたりの『エネルギーを増やす働きのツボ』が有効です。
例:腎兪・志室・八髎・関元・大巨・気海あたり。
ですので、下腹部や腰にあるツボを多用していくことになります。
血流促進のツボ
『血流促進によく効くツボ』は足に多くあります。
直接「血」に効かすものだけでなく、腹部に効かすツボもよいです。
ですので、足に響かせるような鍼を使うことが多いです。
例:三陰交・血海・腹部の脾経・腎経・胃経のあたり。
ホルモンバランスのツボ
『ホルモンバランスを整えるツボ』は腰を中心とした背骨沿いに多くあります。
婦人科のエネルギーを増やすツボと自律神経を整えるツボに、その働きがあると考えます。
例:腎兪・志室・八髎・背部兪穴あたり。
当鍼灸院の流産への鍼灸施術
当鍼灸院では、東洋医学の診察法である脈診、舌診、腹診などを用いて、あなたの身体の状態を丁寧に把握します。
時間をかけてじっくりとお話をお伺いし、不安なこと、疑問に思っていること、どんなことでもお気軽にご相談いただけるように、安心できる空間づくりを心がけています。
施術では、鍼と灸を用いて全身のツボ(経穴)を刺激し、身体全体のバランスを整えていきます。
当院の鍼は、ほとんど痛みを感じない優しい刺激で、お灸も熱すぎることなく、心地よい温かさを感じていただけるように配慮しています。
「冷えを改善するツボ」、「血流を促進するツボ」、「ホルモンバランスを整えるツボ」など、それぞれの目的に合わせたツボを組み合わせて施術することで、効果的に体質改善を促します。
身体を温めることで子宮や卵巣の機能を高め、血流を促進することで子宮内膜をしっかりと栄養し、ホルモンバランスを整えることで妊娠を維持する力を高めます。
当院では、「妊娠しやすい身体」「妊娠を継続できる身体」を作ることを目標に、妊活と流産予防のための身体づくりを同時に行っていきます。
それは、母体が健康になればなるほど、妊娠する力、育てる力が高まっていくからです。
最後に…
流産を繰り返すことは、本当にツラく、出口の見えないトンネルを歩いているように感じるかもしれません。
しかし、どうか諦めないでください。
当鍼灸院は、あなたの心に寄り添い、身体の根本から改善していくことで、赤ちゃんを抱くというあなたの願いを叶えるため、全力でサポートいたします。
妊活鍼灸の詳しいページはこちら