腰痛に鍼治療を活用すべし!という論文

腰痛に鍼灸に効果|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

腰痛に鍼治療を活用すべし!という論文

腰痛の鍼灸治療は、日本の医療保険でも保険適応が認められています。
医療保険で鍼灸が使える6疾患のひとつで、これは国がお墨付きを与えているわけです。
ただ正確には、どうして腰痛が適応疾患になったのかは知りません(すみません)。
もちろん「腰痛に鍼灸は外せないでしょ!という明らかさ」があって保険適応になったと推察しますし、事実、鍼灸院で腰痛はよく見かけますし、実際に効果も出ます。

腰痛に鍼灸が効果を出すことを改めてしっかり書かれた論文がありますので、紹介しつつ当院の考察を書きます。

腰痛における鍼治療

『腰痛管理における鍼治療と神経機構』
http://www.mdpi.com/2305-6320/5/3/63/htm#B1-medicines-05-00063

そこそこ文章量があり、鍼灸の歴史から、どうして効くのかまでを紐解いていく丁寧さです。
読み応えありますが、抜粋します(笑)

【要約】
過去10年間で、腰痛の割合は18%増加した。
腰痛治療のコストは高く、医療システムに多大な負担をかけている。
生活習慣・外傷・変性・職業上の要因など、腰痛のリスク要因は数多く特定されているものの、腰痛患者の95%が原因がはっきりしない腰痛である。
現在、腰痛はクスリで治療されている。
患者のおよそ25〜30%が、眠気や薬物中毒などの深刻な副作用を引き起こす。
脊髄手術は痛みを改善しないこともしばしばだ。
したがって、クスリ以外の補完的な方法がとられる。
そのなかでも鍼治療は、最も一般的に使用されるクスリ以外の腰痛緩和技術である。
これは、悪影響が少なく費用も少なく済むためである。
現在、多くの研究結果で有望な結果をだしている。

【結論】
世界保健機構(WHO)は、2002年に、28の症状について鍼治療の有効性を確認した。
腰痛はその一つである。
腰痛の鍼治療は33の試験で、偽鍼治療群と無治療群よりも良好な結果を示した。
また慢性腰痛患者1162人を対象にしたドイツでの有効性の証拠は、鍼治療群・偽鍼治療群・従来の治療群を分けて比較し、鍼治療群の有効性は従来療法の約2倍であった。
鍼治療は、費用対効果と副作用の少なさのために慢性腰痛患者に推奨される。
鍼治療と従来の治療とを統合することで、副作用のない医療につながるはずである。

当院の考察

腰痛に鍼灸
「今さら腰痛に鍼灸のススメかよ!」と鍼灸師なら思うはずです。
そんな事とっくの昔からわかっていることだよ、と。

ただ、この論文が海外のものであることと、結論がランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスを調べたうえで「腰痛に鍼治療を推奨」ということです。
(※RCTのメタアナリシスは、根拠に基づく医療において最も質の高い根拠とされます)

日本では、病院以外の腰痛対策に手技療法など多様な方法が行われています。
その中でも、「証拠があるよ!」と言えるのは鍼灸の強みです。
他の施術法でここまでの証拠を出せる施術方法は少ないはず。
鍼灸がおススメになる証しです。

また、鎮痛剤などクスリの副作用を考えると、鍼灸併用は副作用対策にもなりそうです。
クスリのデメリットは全身に作用が及ぶことでしょうから、血流や神経に効かせる鍼灸でそれらが緩和できます。

慢性腰痛のある人で、以下のような方に鍼灸はおすすめです。
●病院での治療でなかなか効果が出ない人
●クスリに頼りたくない人
●病院では原因不明と言われてしまう人

ぜひ鍼灸もお試しください。
(※慢性の腰痛は短期間で劇的な変化を期待せず、少し継続的に施術を受けることが成果につながります)