30代の不妊、PMSのイライラが強い鍼灸症例
30代の不妊、PMSのイライラが強い症例
患者さま
30代 女性
初来院
2016年11月30日
お悩みの症状
一人目不妊
初来院までの経過
4年程前に交際中の彼氏と別れたショックで生理が止まってしまう。
ホルモンの薬を飲むことで回復するがピルを1年間続ける。
1年前から妊活開始と同時に婦人科の病院にもいく。
検査をすると、患者さん(奥様)には「卵管障害」「甲状腺機能低下」があり、パートナーのご主人様には「男性不妊」が確認される。
病院からは体外受精(ICSI)を勧められる。
4ヵ月前に1回目の採卵。
10個の卵子が取れ顕微授精するも、結局育たず。
3ヵ月前に2回目の採卵。
7個の卵子が取れ、1個凍結卵ができる。
1ヵ月前に移植するもうまくいかず。
数ヶ月休んでから再開するつもりであるが、その間に体調を整えたいと当院に来院。
月経前症候群(PMS)はイライラ感が強く、生理痛もかなりある(鎮痛薬は飲んだり飲まなかったりする程度)。
寝つきの悪さと眠りの浅さを実感しており不眠も気になっている。
肩こりもある。
疲れもある。
治療方針
肝うつ+瘀血体質であることは間違いなく、気血の巡りを整えるような施術が一番と考える。
疲れやコリなど、その都度の調子を聞きながらそれに対応する治療をすることで、心身のリラックスを作ることにする。
治療と経過
1回目。
「大巨」「関元」に鍼+温灸。「曲池」「太衝」「三陰交」「陽陵泉」に鍼。足にホットパック。「首~肩甲間部のコリ部分」「膏肓」「隔兪」「肝兪」「大腸兪」「次リョウ」に鍼。腰にはお灸も追加。
2回目~16回目(10日に1回ペース)。
その時その時のイライラ感の程度やコリの場所などにより若干の配穴を変えながら、基本は同様の施術とする。
10日に1回ペースだったため円皮鍼などを加えることも多かった。
結局、不妊の専門病院へは行かず自己タイミングを続けていた。
鍼灸開始から5か月後に自然妊娠が分かる。
妊娠判明後も10日間隔で来てもらい、妊娠10週になったところで鍼灸は終了とする。
同時に治療した症状
・生理痛
・イライラ
・疲れ
・冷えのぼせ
・肩こり
まとめ
顕微授精を勧められ、それが上手くいかなかったが結果的に、自然妊娠でのご懐妊となったケース。
ご本人にとっては「びっくり」な結果となり、こちらも嬉しかった。
基本的には疎肝理気、活血の施術。
鍼とお灸と円皮鍼を取り混ぜながら気を巡らせることに集中した。
仕事や不妊のストレスは軽快しづらい類のストレスであるが、継続的な鍼灸でお役には立てたと思う。