最新論文が証明した「得気(とっき)」と自律神経の関係|研究論文
鍼は「ズーンと響かなくても」自律神経を整える?最新研究

仕事や家事、育児に追われる毎日の中で、めまいや動悸、なかなか抜けない倦怠感にお悩みではありませんか。
これらは「自律神経の乱れ」が引き起こすサインかもしれません。
当院が位置する千葉県鎌ケ谷市周辺でも、こうした不調を抱える30代~50代の女性が多く来院されます。
「鍼灸で自律神経を整えたいけれど、鍼は痛そうだし、ズーンと重くなる感覚(響き)が怖い」と踏み出せずにいる方も多いでしょう。
私は25年間で延べ5万人の方を施術してきましたが、当院では0.16mmという非常に細い鍼を使用し、「心地よい優しい刺激」を大切にしています。
今回は、「鍼は強い刺激を感じなくても、しっかりと自律神経をリラックスさせる」という事実を証明した日本の科学論文をご紹介します。
痛いのが苦手な方にこそ、読んでいただきたい内容です。
論文の内容を紹介
鍼治療を受けると、緊張が解けて眠くなることがあります。
これは心拍数が下がり、体をリラックスさせる「副交感神経」が優位になるためです。
では、鍼特有の「ズーン」とする感覚(得気:とっき)がなければ、このリラックス効果は得られないのでしょうか。
2019年に帝京平成大学の研究チームが、この疑問に答える論文を発表しました。
論文名:
Effects of Acupuncture Sensations on Transient Heart Rate Reduction and Autonomic Nervous System Function During Acupuncture Stimulation(鍼刺激中の心拍数の一過性低下および自律神経機能に対する鍼感覚の影響)
著者:
Chikako Uchida ら
掲載誌:
Medical Acupuncture, 2019.
URL:
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6604907/
研究の概要と結果
対象:
健康な20歳前後の男性学生40人(最終解析32人)
方法:
左前腕の「手三里(てさんり・LI10)」というツボに、深さ15~20mmで2分間、手で軽く刺激(1秒に1回)
測定:
心電図で心拍数と自律神経のバランス(LFnu=交感神経、HFnu=副交感神経、LF/HF比)を調べた
同時に、患者さんが感じた「痛み」や「得気(響き感)」の強さをアンケートで聞いた
■主な結果
・鍼を刺している最中に、心拍数が明らかに下がった
・自律神経は副交感神経優位(リラックス状態)にシフト
・痛みが強かろうが弱かろうが、得気が「あった」「なかった」に関わらず、この変化はほぼ同じように起きた
・ただし、細かく分けると「弱い得気」や「何も感じない」グループで心拍低下が特に多かった
つまり、患者さん自身が「鍼をされている感覚がない」「ズーンと響かない」と感じていても、体内の神経ネットワークはしっかりと刺激をキャッチし、自律神経を整えるシステムを発動させているということです。
東洋医学的にみた「得気」とは

論文内でも言及されている「得気(とっき)」とは、東洋医学の専門用語で、一般的には「響き(ひびき)」と呼ばれます。
鍼をツボに刺したときに感じる、ズーンとした重だるさ、温かさ、または電気が走るような感覚のことです。
鍼灸の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』霊枢篇には、はっきりこう書かれています。
「気至而有効、気不至則不治」
→ 「気が到達すれば効果あり、気が到達しなければ治らない」
これらは痛みとは全く別物で、多くの方が「心地よい響き」と表現します。
施術者も針の先で「ズーン」とした抵抗を感じることがあります。
東洋医学において、ツボ(経穴)は気(エネルギー)や血(血液)の通り道である経絡(けいらく)上にあります。
鍼をして得気が起こることは、「気がその場所に集まり、滞りが通ったサイン」と解釈され、治療効果を引き出すための重要な指標とされてきました。
しかし、強い得気は、西洋医学的に言えば神経(特に深部のC線維)への強い刺激でもあります。
現代の慌ただしい生活で交感神経が過剰に働き、心身が疲労しきっている方にとっては、この強い刺激が逆に体の負担となり、防衛反応(緊張)を引き起こしてしまうことがあります。
論文を読んでの感想

25年間、延べ5万人の患者さんを診てきて「得気は大事だけど、感じなくても効果は出る」と実感していました。
この論文を読んで、科学的に裏付けられたことに本当に嬉しくなりました。
印象的だったのは、「何も感じない」グループでも副交感神経が優位になった点です。
当院に来られる初めての方は、施術後に「(鍼刺激を)何も感じなかったけど効果は大丈夫?」と心配されます人もいます。
でも論文通り、体の中ではちゃんと心拍が落ち着き、リラックスモードに切り替わっているのです。
今回の論文は、「感覚として認識できないほどの微細な刺激(細い鍼・浅い鍼)であっても、脳と神経はそれをきちんと捉え、副交感神経を優位にして体をリラックス・回復モードに切り替える」という事実を示しています。
患者さんの「何も感じないくらい痛くないのに、終わった後は体がポカポカしてめまいが楽になった」という感想などは、プラセボ(思い込み)ではなく、正しい自律神経反射(体性自律神経反射)の結果であることが科学的にも説明できるわけです。
もちろん「鍼刺激は弱ければ弱いほど効果的」なわけではありません。
響きがあることで、コリが緩んだり、痛みが緩和する実体験も多数積んできています。
理由を挙げればいくつかあります。
・凝っている筋肉に直接刺激できているサインとしてのメリット。
・響き感がもたらす神経伝達は、響きのない刺激とは違った伝達として鎮痛効果などに影響するだろうメリット。
・気血を巡らせる証拠としての古典記載の意義…など。
ようは、「患者さんの状態に合わせた最適な刺激を与えると、最高の結果になる」ということでしょう。
まとめ

東洋医学は「人間は自然の一部であり、自然の法則に従ってバランスを整える」ことを目指します。
めまい、動悸、倦怠感といった自律神経の乱れは、体が「少し休んで、バランスを取り戻して」と発しているサインです。
今回ご紹介した研究の通り、鍼灸治療において無理に痛みを我慢したり、強い響きに耐えたりする必要はありません。
あなたが何も感じていなくても、適切なツボへのプロの鍼刺激は、確実にあなたの自律神経をリラックスさせ、回復へと導いてくれます。
薬に頼らない体質改善を目指したい方、冷えやストレスからくる不調にお悩みの方は、ぜひ一度、当院の痛くない本格的な東洋医学鍼灸をご体験ください。
あなたの毎日が、少しでも穏やかで元気なものになるよう、全力でサポートいたします。
当院の鍼灸のご案内

千葉県鎌ケ谷市周辺には多くの整体院やマッサージ店がありますが、「鍼とお灸の専門院」は当院のみです。
当院が患者さんに選ばれ、そして結果を出せるのには明確な理由があります。
■最適な刺激点を見つけ出します
当院では、25年の経験を持つ院長が、手で体に触れ、脈やツボの反応を的確に読み取ります。
機械には見つけられない「あなたの本当の痛みの原因」を見つけ出し、最適な刺激を行います。
■痛くない鍼と、心地よいお灸
当院で使用する鍼は太さ0.16mmと、一般的な鍼灸院よりもさらに細いものです。
そのため痛みはほとんどありません。
また、お灸も熱すぎることはなく、皮膚レベルへの浅く心地よい刺激(八分灸など)を用います。
■時間をかけた問診と丁寧な説明
初めての鍼灸は不安がつきものです。
当院では施術前にしっかりと時間を確保し、患者さんの話を丁寧に聞きます。
完全予約制のため待ち時間もなく、他の方を気にせず何でも質問していただけます。
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