3月の不調と東洋医学|春のストレスが体に出る理由

3月の不調と東洋医学的な対処法

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3月は卒業や転勤、生活環境の変化が重なりやすく、心身ともにストレスがかかりやすい季節です。
気候面でも寒暖差が大きく、体は冬から春へ順応しようと変化を続けています。

東洋医学において、春は五行の「肝(かん)」が主役となる季節です。
肝は本来、のびのびとした状態を好みますが、急激な環境変化や精神的プレッシャーを受けると、その機能がスムーズに働かなくなります。

春は陽気(エネルギー)が外へ広がる時期ですが、この変化に適応できないと『気滞(きたい)』と呼ばれる気の停滞が起こります。
その結果、精神的ストレスが体の症状として現れやすくなるのが3月の特徴です。

今回は、3月に起こりやすい心身の不調を、東洋医学的に解説し、セルフケアに取り入れていただけるような対策をご案内します

3月に起こりやすい心身の不調

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3月は精神的・身体的なストレスが重なりやすく、自律神経の乱れが表面化しやすい時期です。

東洋医学ではストレスは「気の流れ」を停滞させると考えられ、この状態を『気滞』と呼びます。

気が滞ると血流や内臓機能にも影響が及び、さまざまな症状が現れます。

■PMS
代表的なものの一つがPMSの悪化です。
春は肝の働きが活発になるため、感情の変動が強くなりやすいとされています。

気の巡りが乱れるとホルモンバランスにも影響を与え、生理前のイライラや抑うつ感、腹痛、乳房の張りなどが強く出ることがあります。

■頭痛
頭痛も増えやすい症状です。
気が上昇しやすい春は、頭部への血流変動が起こりやすく、こめかみや側頭部の痛みとして現れることがあります。
特にストレスが続くと筋肉が緊張し、緊張型頭痛や片頭痛を引き起こすことがあります。

■肩こり
肩こりもこの季節に増える症状です。
精神的な緊張は無意識に肩や首の筋肉を硬くし、血流低下を招きます。
気滞が続くと筋肉の柔軟性が低下し、慢性的なコリや痛みにつながります。

■胃腸不良
さらに胃腸不調も見られやすくなります。
東洋医学では肝は消化機能を助ける働きがあるとされ、肝のバランスが崩れると胃腸の働きが不安定になります。
その結果、食欲低下、胃もたれ、腹部膨満感、便秘や下痢などが現れることがあります。

このように3月は精神的ストレスと気候変化が重なり、気の巡りが乱れやすいことで多様な不調が生じやすい季節です。
これらの不調は、あなたの体が「今の環境変化に一生懸命適応しようとして、少し無理をしているよ」と教えてくれているサインなのです

3月を健やかに過ごすための東洋医学的養生法

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3月を健やかに過ごすためには、気の巡りを整え、心身の緊張を緩める生活が大切になります。
滞ってしまった「気」を動かし、渋滞を解消するための具体的な方法をお伝えします。
ポイントは「発散」と「リラックス」です。

■散歩
まずおすすめなのが散歩です。
歩行は全身の血流を促進し、気の巡りを自然に整える働きがあります。

特に春は自然の変化を感じやすい季節であり、外の空気に触れること自体が精神の安定につながります。
激しい運動ではなく、景色を楽しみながらゆったり歩くことが重要です。

■香りを楽しむ
次に香りを活用する方法があります。

東洋医学では香りには気の巡りを改善する働きがあると考えられています。
柑橘系の香りは気分を明るくし、ストレスによる緊張を緩める作用が期待されます。
入浴時にアロマを取り入れたり、ハーブティーを楽しむことも有効です。

■深呼吸
胸を開く運動も大切です。

ストレスが続くと姿勢が前かがみになり、呼吸が浅くなります。
胸郭を広げる動きは呼吸を深くし、副交感神経の働きを高める効果が期待されます。

肩甲骨を動かすストレッチや、背筋を伸ばして深呼吸を行う習慣は、気の巡りを整える助けになります。

■生活リズムを整える
また生活リズムを整えることも重要です。

春は活動性が高まる季節ですが、無理に予定を詰め込むと気の消耗につながります。
適度な休息を確保し、睡眠時間を安定させることで、自律神経のバランスを維持しやすくなります。

■香りのある食材
食生活では、香りのある食材や旬の野菜を取り入れることが勧められます。

春野菜は気の巡りを助けるとされ、ストレスによる体調不良の予防に役立つと考えられています。

この時期におすすめのツボ(経穴)

この時期にセルフケアで役立てたい代表的なツボをご紹介します。

■太衝(たいしょう)

足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。
肝の働きを整え、気滞による精神的緊張やPMSの緩和に用いられます。
春の不調に広く用いられる重要なツボです。

■期門(きもん)


みぞおちから肋骨の下縁をたどり、鎖骨の下で、乳首と同じ線上にある。
もしくは、みぞおちから肋骨へ指を移動し、肋骨と肋骨の間を押して痛みを感じるところが期門です。

ストレスによる胸の張りや胃腸不調に用いられることが多い部位です。

■合谷(ごうこく)

手の甲で親指と人さし指の間。
頭痛や肩こりの緩和に広く用いられます。

まとめ

3月は環境変化と気候変動が重なり、精神的ストレスが体調に影響しやすい季節です。
東洋医学では春は肝の働きが活発になり、気の巡りが乱れることでPMSや頭痛、肩こり、胃腸不調などが起こりやすくなると考えられています。

この時期を健やかに過ごすためには、散歩や香りの活用、胸を開く運動などを取り入れ、気の巡りを整える生活が大切です。

セルフケアと並行して、鍼灸院での本格的な鍼灸治療もお勧めします。
当院では脈やお腹の状態を丁寧に確認し、その方に合ったツボを選びながら全身のバランスを整える鍼灸施術を行っています。

季節の変わり目の不調でお悩みの方は、ぜひご相談ください。