顔面神経麻痺(ベル麻痺)への鍼灸症例

顔面神経麻痺(ベル麻痺)への鍼灸への鍼灸

顔面神経麻痺(ベル麻痺)の鍼灸|鎌ケ谷・船橋・松戸

患者さま

40代 女性

初来院

2023年1月25日

お悩みの症状

・顔面神経麻痺(ベル麻痺)
・首肩コリ

初来院までの経過

8日前より、右のまぶたが閉じきらない、かつまぶたが下がる、口の端(口角)が下がる。
翌日、耳鼻科の病院へ。
「顔面神経麻痺(ベル麻痺)」との診断で、ステロイドの飲み薬と抗ウイルス薬とビタミン剤を処方される。
1週間たち(鍼灸院に来院する直前に)病院にいき「あとは様子を見よう」とビタミン剤のみだされる。
鍼灸で少しでも改善すれば、と期待して来院。
中学3年生の受験生の娘さんがおり、母親である自身もストレスを感じている、とのこと。

その他の症状。
・首肩コリ。
・ストレス。
・眠りが浅い。

治療方針

「手足の陽明経」(と「手足の少陽経」)の気血の滞りが原因でのマヒと考える。
発症の引き金は、受験のストレス(肝気うつ)と冬の寒さ(寒邪)だろうと推察。
また、同じ原理で気滞血瘀が首から背中のコリになったとみる。
陽明経と少陽経のツボを多くとり、巡りを促すように施術することにする。

治療と経過

1回目。
「天枢」の温灸。「右合谷-手三里」と「右足三里-陽陵泉」にパルス鍼。顔の麻痺局所(右の陽白・四白・太陽辺り)に点灸。
肩のコリの局所の点灸。「首のコリの局所」「心兪」「膈兪」「肝兪」に置鍼。

2回目(5日後)。
麻痺は変わらず。首肩のコリの改善はみられるとのこと。
「天枢」の温灸。「右足三里-陽陵泉」にパルス鍼。側頭部~前頭部のブヨブヨ部分に置鍼。顔の麻痺局所(右の陽白・四白・太陽辺り)に点灸。
首肩コリの局所の点灸。「百会付近のブヨブヨ部分」「首のコリの局所」「心兪」「膈兪」「肝兪」に置鍼。首のコリに円皮鍼。

3回目(3日後)。
マヒが少し改善。眠りも改善傾向。
肩甲骨のあたりのコリも軽減傾向。
2回目に準した施術をする。
(お灸・円皮鍼の場所をかえたりパルスをしたりなどは適宜調整して行う)

4~6回目(4日ごと)。
少しずつ麻痺は改善していき、6回目の段階でほとんどなくなっていた。
3回目に準じて治療を行い、これにて終了とする。

同時に治療した症状

・首・肩のコリと痛み
・ストレス
・眠りの質

まとめ

顔面神経麻痺(ベル麻痺)が鍼灸を活用することで改善したケース。
眠りの質と首肩のコリも改善は見られ、全体的な好循環で改善したと思われる。

施術では、顔(麻痺)の局所にはお灸を多めに使い、熱刺激での気血の巡りの活性化をはかった。
肩・背中のコリをほぐす(気血の巡りを良くする)ことが重要であると、しっかりほぐすように施術をした。
経絡では陽明経と少陽経の経穴を意識的に使った。

心兪から肝兪あたりは自律神経に関する領域でもあり、そのあたりを鍼・灸・円皮鍼で刺激することで、全身に効かす効果をはかった。