【PCOS不妊症例】生理不順と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でお悩みの30代女性が自然妊娠された事例
【PCOS・不妊鍼灸】生理周期90日の不順と低AMHを克服し、2ヶ月で自然妊娠した30代の症例

※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。
今回は、生理周期が40〜90日と長く、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されていた30代女性の症例をご紹介します。
患者さまは婦人科での治療を受けながら妊活を続けていましたが、なかなか妊娠に至らず、不妊専門クリニックへの転院も検討されていました。当院では東洋医学的な観点から体質を分析し、妊活中の身体づくりを目的として鍼灸治療を開始しました。
その後、鍼灸治療開始から約2か月、7回目の施術を迎えた頃に妊娠が確認されました。
なお、本症例はあくまで一例であり、妊娠という結果が鍼灸のみの効果によるものと断定することはできません。妊娠の成立にはさまざまな要因が関与します。本記事では、実際の経過と東洋医学的な考察についてご紹介します。
【症例概要】
・30代女性
・主訴:第一子不妊
・既往歴:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・生理周期:40〜90日
・妊活期間:約8か月
・鍼灸治療回数:7回
・鍼灸開始から約2か月で妊娠確認
患者さまの情報と経緯
年齢・性別:
30代・女性
主訴: 第一子不妊
既往歴:
元々生理不順(周期40~90日)。
3年前に6ヶ月間生理が来なかったため病院を受診し、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断される。
その後、ピルと漢方薬を処方される。
不妊治療歴:
8ヶ月前から妊活を開始し、婦人科を受診。
「ピルを3ヶ月服用後、排卵誘発剤を使ったタイミング療法を開始」と提案される。
タイミング療法を2ヶ月間行うも妊娠に至らず。
その後、不妊専門病院への転院を検討していた。
その他の症状:
便秘、軽度の疲労感
この患者さまは、生理不順という長年の悩みを抱え、PCOSの診断を受け、西洋医学的な治療も経験されていました。
しかし、なかなか妊娠に至らず、精神的にも大きな負担を感じておられました。
当鍼灸院院へは、西洋医学以外の効果の期待できる方法を求めていらっしゃられました。
この人を東洋医学ではどうみるか?
東洋医学では、人間の身体は「気・血・水」のバランスによって維持されていると考えます。
とくに女性の生殖機能は、「腎(じん)」、「肝(かん)」、「脾(ひ)」の働きと深く関わっています。
「腎」は生命の根源となるエネルギーを蓄え、成長や発育、生殖機能を司ります。
「肝」は血の流れをスムーズにし、精神状態を安定させる役割を担います。
「脾」は飲食物からエネルギーを作り出し、全身に栄養を運びます。
この患者さまの場合、長年の生理不順やPCOSの診断、そして疲労感といった症状から、「腎虚(じんきょ)」、つまり腎のエネルギー不足が顕著に見られました。
また、不妊のストレスや便秘といった症状から、「気滞血瘀(きたいけつお)」、つまり気血の巡りが滞っている状態も併せ持っていると考えられました。
治療方針
上記の東洋医学的考察に基づき、以下の治療方針を立てました。
「補腎(ほじん)」:
腎のエネルギーを補い、生殖機能を高める。
「疏肝理気(そかんりき)」:
肝の働きを整え、気血の巡りを改善する。
「健脾益気(けんぴえっき)」:
脾の働きを助け、全身に栄養をしっかりと行き渡らせる。
これらの治療方針に基づき、鍼灸治療を通して身体全体のバランスを整え、自然な妊娠力を高めることを目指しました。
治療内容と実際の経過
1回目:
「中脘」「関元」に棒温灸。
「肓兪」「曲池」「足三里」「太衝」「太谿」に置鍼。
「三陰交」にせんねん灸。
「風池」「心兪」「肝兪」「腎兪」「次髎」に置鍼。
「神道」「命門」に棒温灸。
全身の状態を把握し、上記の治療方針に基づいたツボを選択し施術。
棒温灸と鍼を組み合わせ、リラックス効果も高めるように配慮。
2回目(2週間後):
便秘の改善が見られる。
施術後1週間で生理が来たとの報告を受ける。
この頃、新しい婦人科クリニックに転院し検査を開始。
施術内容は前回とほぼ同様。
3~6回目(2週間に1回ペース):
病院での検査結果は「PCOS」「AMH値低い」「ビタミンDを多く摂るように」との指摘を受ける。
「排卵誘発剤を用いたタイミング療法を次から行う」と説明を受ける。
鍼灸治療は、患者様の状態に合わせて微調整を行いながら継続。
7回目(2週間後):
病院から「生理周期が50日になっても生理が来なかったら受診するように」と言われていたが、生理予定日を過ぎても生理が来ないため、自身で妊娠検査薬を使用したところ陽性反応が出たとの報告を受ける。
病院でも妊娠が確認されたが、「まだはっきりしない」とのことで1週間後に再度受診予定とのこと。
7回目の鍼灸治療の日は、その再受診日であり、施術後に病院へ向かう予定であった。
この日の施術は、妊娠初期であることを考慮し、刺激量を抑えた施術を行った。
その後、無事に妊娠が継続していることを確認し、一旦鍼灸治療は終了となりました。
鍼灸師としての感想とまとめ
今回ご紹介したのは、生理不順と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)にお悩みだった30代女性の症例です。
患者さまは長年の生理不順があり、婦人科でPCOSと診断されていました。
妊活を続けるなかで思うような結果が得られず、当院で鍼灸治療を開始されました。
東洋医学では、生殖機能だけではなく、全身の気血の巡りや五臓の働きとの関係を重視します。
本症例でも、生理周期の乱れや疲労感、便秘などの症状を含めて身体全体の状態を確認しながら施術を行いました。
結果として、鍼灸治療開始から約2か月後に妊娠が確認されました。
ただし、本症例はあくまで一例であり、妊娠の成立が鍼灸治療のみの効果によるものと断定することはできません。
妊娠には年齢やホルモン状態、生活習慣、タイミングなどさまざまな要因が関わり、結果には個人差があります。
当院では、医療機関での検査や治療を大切にしながら、妊活中の体調管理や身体づくりのサポートとして鍼灸治療を行っています。
生理不順やPCOS、妊活中の体調不良などでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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