娘の結婚とコロナ禍の自粛生活で起きた心身の不調が鍼灸で改善|白井市60代女性
足のゾワゾワする不快感が鍼灸でとれた症例

人生にはライフステージがあり、そのステージごとにいろいろな変化があります。
その転機や環境の変化は、心に大きな影響を与え、不安や落ち込みといった形で現れることがあります。
今回は、まさにそうした不安や落ち込みに苦しんでいた60代女性の症例です。
娘さんの結婚とコロナ禍による自粛生活という二重の環境変化に見舞われ、心身の不調を訴えて当院を訪れました。
女性は、愛するお子さんたちを育てることに大きな労力を注いで生きてくるので、「子供の巣立ち」が人生の中では大きな変化につながることも少なくありません。
子供が成長し巣立っていくことは、嬉しい半面、とても大きな精神的なダメージにもなり得ます。
このような精神的な変調は体にも不調として出ます。
今回のケースもまさに、そのような「心からくる体の症状」でした。
鍼灸はそのようなメンタル面からくる不調にも大きく貢献できます。
この症例を通して、当院の鍼灸治療がどのように心身の調和を取り戻し、患者様の生活の質を向上させたのかを詳しくご紹介いたします。
この記事を読まれた方が、もし同様の悩みを抱えているなら、当院の鍼灸治療がその一助となることを心から願っております。
当院で実際にあったリアルな体験談です。
患者さまの情報と経緯
年齢・性別・住まい:
60代女性・白井市在住
鍼灸院に来るまでの経緯:
2ヶ月前から太ももの前面にゾワゾワとした不快感を感じるようになり、悩んでいました。
その原因として思い当たるのは、勤務先の空調が以前より強くなったことでした。
しかし、温めても症状は改善せず、不安は募るばかりでした。
過去にも同様の症状が一度だけあったことを覚えていましたが、今回は以前にも増して辛いとのことでした。
症状が現れてから1ヶ月後、婦人科を受診し漢方薬を処方されましたが、効果はあまり感じられませんでした。
患者様は以前から不安や落ち込みといった傾向があり、10年ほど前には心療内科に通院していた経験もありました。
今回の不調の背景には、同居していた娘さんの結婚で家を出て寂しくなったこと、そして新型コロナウイルス感染症の流行による自粛生活で一人で過ごす時間が増えたことが大きく影響していました。
具体的な症状:
太もものゾワゾワ感に加え、寝つきの悪さ、肩こり、腰痛も併発していました。
心身ともに不調を感じ、藁にもすがる思いで娘さんの紹介を通して当院の鍼灸治療を希望されました。
この人を東洋医学ではどうみるか?
東洋医学では、心と体は密接に繋がり、互いに影響し合っていると考えます。
今回の患者様の症状を東洋医学的に考察すると、まず「気血(きけつ)」の虚(きょ)が根本にあると考えられました。
「気」は生命エネルギー、「血」は血液とそれを運搬する機能、そして精神活動を支える要素を意味します。
娘さんの独立や自粛生活による孤独感、不安感は「気」の巡りを滞らせる「気滞(きたい)」を引き起こし、精神的な落ち込みを招きます。
また、長期間のストレスや不眠は「血」を消耗させ、「血虚(けっきょ)」の状態を招き、身体的な不調(太もものゾワゾワ感、肩こり、腰痛など)が現れます。
さらに、これらの症状の背景には、五臓(肝・心・脾・肺・腎)のうち、「心(しん)」「肝(かん)」「脾(ひ)」の機能低下が関与していると考えられます。
「心」は精神活動を司り、不安や落ち込みと深く関わります。
「肝」は気の巡りを調整し、ストレスの影響を受けやすい臓器です。
「脾」は飲食物から気血を作り出す源であり、弱ると気血の不足を招きます。
これらの東洋医学的な視点から、患者様の症状は単なる身体的な不調ではなく、精神的な要因と身体的な要因が複雑に絡み合った状態であると判断しました。
治療方針
上記の東洋医学的考察に基づき、当院では以下の治療方針を立てました。
補気血(ほきけつ):
気血を補い、身体の根本的な活力を高める。
とくに「血」を補うことで、太もものゾワゾワ感やその他の身体的な不調を改善する。
疏肝理気(そかんりき):
肝の機能を整え、気の巡りをスムーズにする。これにより、精神的な落ち込みや不安感を和らげる。
健脾益気(けんぴえっき):
脾の機能を高め、気血の生成を促進する。これにより、身体全体のエネルギーを高める。
安神安定(あんじんあんてい):
心を安定させ、精神的な不安や動揺を鎮める。
これらの治療方針に基づき、鍼とお灸を組み合わせ、患者様の状態に合わせたオーダーメイドの施術を行いました。
治療と実際の経過
1回目:
仰向けで、「中脘」「関元」に棒温灸。「合谷」「内関」「神門」「復溜」「太衝」「三陰交」に置鍼。「足三里」に点灸。足にホットパック。
座ってもらい、「肩こりの局所」に単刺。
うつ伏せで、「風池」「心兪」~「大腸兪」辺りの反応穴に置鍼。
2回目から4回目(1週間に1回):
初回の治療に準じた施術を継続しました。
気温が低下する時期と重なったこともあり、2回目、3回目では太もものゾワゾワ感に大きな変化は見られませんでしたが、4回目あたりから症状が気にならない時間が増えてきました。
5回目から23回目(週に1回のペース):
治療を継続しました。
太もものゾワゾワ感はほとんどなくなり、同時に不安感も軽減していきました。
仕事が立ち仕事であるため、腰痛や肩こりが気になるようになってきたため、首肩こりや腰痛の部位にはパルス鍼を併用したり、お灸や円皮鍼を貼ったりと、症状に合わせて施術内容を調整しました。
回数を重ねるごとに症状は徐々に改善し、肩こりや腰痛も「コリはあるが辛くない」という状態まで改善しました。
一定の改善が見られたため、患者様と相談の上、鍼灸治療は終了となりました。
鍼灸師としての感想とまとめ
心と体の表裏一体性は、常々感じています。
体の不調から心を病むこともありますし、心の不調が体の不調を生むこともあります。
ハッキリ言えば、病気のほとんどが心身相関でしょう。
心と体の関係性を整える力が、鍼灸治療の魅力だと感じています。
今回の症例は、生活環境の変化による孤独感と不安感が自律神経の乱れを引き起こし、複数の体の症状になっていた、典型的なケースでした。
東洋医学的な見立てを通して、血虚と気滞が根本原因であると判断し、刺激量を抑えつつ温灸を多用した施術を行いました。
「虚(きょ)=エネルギー不足」の人には、刺激量はソフトが適していますし、鍼よりもお灸が効果的ですので、よく使います。
治療を通して不安の改善が見られ、最初のお悩みはなくなりました。その後は元々あった首や腰のコリが気になるようになり、そちらの治療も行いました。
どんどん良くなっていく姿がとてもうれしかったです。
鍼灸には心身のバランスを整え、「生活の質」を向上させる効果があることを改めて示すことができました。
当院の鍼灸の特徴としては、どのような体質かをしっかり見極めるのがスタートです。
患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧なカウンセリングで、まずは見立てをします。
そこには時間をかけます。
いろいろと、体のこと心のこと、話してください。
心身の不調でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。私たちは、皆様の健康を心からサポートいたします。
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