乳腺炎に効くツボ

乳腺炎にお悩みなら

乳腺炎のツボ1

出産や育児の喜びを感じる一方、産後の心身は疲弊し、様々な症状が出やすい時期です。
産後のツラさのひとつである、乳腺炎にお悩みの方も少なくありません。

授乳中の女性に多い乳腺炎、胸の張りや痛みにセルフケアのお灸を試してみるのは良い方法です。

当院には、産後の不調でお悩みの多くの患者様が来院されています。
今回は、乳腺炎のセルフケアと、本格的な鍼灸施術についてご説明いたします

乳腺炎でおツラい思いをされているお母様のお力になれれば幸いです。

乳腺炎とは?主な症状と原因

乳腺炎のツボ3

乳腺炎の主な症状は以下の通りです。
乳房が痛い
乳房が熱をもって赤く腫れている
母乳が滞っている部分にしこりができる
発熱(高熱が出る場合もあります)
倦怠感

乳腺炎にかかる日本人女性は4人に1人くらいと言われています。
急性のものと慢性のものがあり、急性のうっ滞性乳腺炎は初産の方に多く、作られる母乳より赤ちゃんが飲む量が少ないなどの理由で、乳腺内に母乳がたまって、乳房が張り、熱っぽくなります。

乳腺炎の主な原因は、乳汁のうっ滞と細菌感染です。

乳汁うっ滞:
赤ちゃんの飲み残しや授乳間隔の開き、乳首の詰まりなどによって乳汁が乳房内に溜まってしまう状態です。
これが炎症を引き起こす原因となります。

細菌感染:
乳首の傷や亀裂から細菌が侵入し、乳腺内で繁殖することで炎症が起こります。
一番の解決策はおっぱいを飲ませることですが、それが難しい場合は搾乳やおっぱいマッサージで対応します。
しかし、痛みが強くて授乳や搾乳が困難な場合や、高熱が出ている場合は、医療機関への受診が必要です。

なお、胸の張りや痛み、しこりの原因が、乳腺炎以外の他の疾患による場合もありますので、一度は婦人科を受診してみてください
そこでとくに異常がない場合は西洋医学的な治療などはほとんどありませんので、東洋医学的なセルフケア(お灸やツボ押し)や、当院のような鍼灸院での施術も選択肢の一つとなります。

乳腺炎対策におすすめのツボ

乳腺炎のツボ2

東洋医学では、身体には「気」や「血」といったエネルギーが流れる道筋(経絡)があり、その経絡上にある特定のポイントを「ツボ(経穴)」と呼びます。
乳腺炎の緩和に効果的なツボをいくつかご紹介します。

膻中(だんちゅう)

胸骨の真上、左右の乳首の中間、身体の中央線と左右の乳首を結ぶ線の交点です。
気の巡りを整え、胸部の不快感を和らげる効果があります。

天宗(てんそう)

肩甲骨の中央、少しくぼんでいるところ。押すと痛いと感じる部分です。
乳腺の炎症を鎮め、痛みを緩和する効果が期待できます。

三陰交(さんいんこう)

足の内くるぶしから指4本分くらい上。
女性特有の症状に効果があるとされるツボで、ホルモンバランスを整え、血行を促進する効果があります。

足三里(あしさんり)

ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっているところ。
胃腸の働きを整え、全身の気を補う効果があります。産後の体力回復にも役立ちます。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院で産後の不調への本格鍼灸

乳腺炎もそうですが、産後は「ホルモンバランスの変化」「骨盤のゆがみ」「疲労」「ストレス」などで心身の不調が出やすい時期です。

めまい、立ちくらみ、頭痛、肩こり、だるさ、イライラ、不安、抑うつなどの産後の不調症状がある方で、セルフケアだけでなく、鍼灸院で施術を受けたいと考える方もいらっしゃると思います。

セルフケアはあくまで簡易的な施術ですので、お一人お一人の体質に合わせた本格的な全身鍼灸を鍼灸院で受けることを強くお勧めします。

当院では、20年の施術経験を持つ院長(私)が、延べ4万人以上の患者様を施術してきた実績をもとに、東洋医学に基づいた丁寧な問診と検査を行い、お身体の状態をしっかりと把握した上で、最適な施術をご提供しています。

産後の不調は、お母様にとって大きな負担となります。
当院では、お母様が心身ともに健康で、育児を楽しめるよう、全力でサポートさせていただきます。
乳腺炎だけでなく、産後の様々な不調でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

産後の鍼灸の詳しくはこちら

産後ケア