寝ても眠い人のツボ

いくら寝ても眠い時のツボ

寝ても眠い人のツボ・写真1|鎌ケ谷・松戸・船橋

今回は、「いくら寝ても眠い」というお悩みについて、東洋医学の視点から原因と対策、そして当院の鍼灸治療について解説していきます

人はそれぞれ睡眠時間が異なる

睡眠時間は人それぞれで、8時間以上必要な人もいれば、4時間で足りる人もいます。
大切なのは、自分にとって必要な睡眠時間を確保し、翌日元気に過ごせるかどうかです。

しかし、十分な睡眠時間をとっているはずなのに、「いくら寝ても眠い」と感じる方も少なくありません。

東洋医学では「いくら寝ても眠い」をどう考えるか

東洋医学では、寝ても寝ても眠い状態を「嗜睡(しすい)」と呼び、病証の一つとして捉えています。

東洋医学では、「気・血・水」という生命活動を維持する3つの要素が、過不足なく、スムーズに体内を巡っている状態を健康と考えます。
逆に、これらの要素に過不足があったり、巡りが滞ったりすると、様々な不調が現れると考えます。

寝ても眠い原因としては、主に「湿邪(しつじゃ)」と「肝うつ(かんうつ)」の2つが考えられます。

「湿邪」とは

湿邪とは、「水が滞り体に停滞している状態」を指します。
体内の水分代謝がうまくいかず、余分な水分が体内に溜まってしまうことで、様々な不調を引き起こします。

湿邪が体に悪さをしている人は次のような症状も出やすいです。

  • 疲れて眠くなる
  • 食後に眠くなる
  • 頭や体が重だるい
  • 雨の日や湿度が高い日により症状が出る
  • 食べ過ぎ・飲み過ぎで悪化する
  • 気力や体力がない

このような症状に心当たりがある方は、「湿邪」が原因かもしれません。

湿を取るおススメのツボ

合谷(ごうこく)

親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこみが合谷です。
合谷は、万能のツボとも呼ばれ、様々な症状に効果があるとされています。

水分(すいぶん)

おへその上に親指をおき、そこから親指1本上がったところが水分です。
体内の水分代謝を調整する重要なツボです。お腹に位置し、余分な水分の排出を促します。

豊隆(ほうりゅう)

膝のお皿の下と外くるぶしを結んだ線のほぼ中央にあります。スネの骨の外側のくぼみで、筋肉の盛り上がりの外側に位置します。
体内の余分な水分を排出し、胃腸の働きを整える効果があるとされています。

湿を取るための養生

運動や入浴で適度に汗をかく:
汗をかくことで、余分な水分を体外に排出することができます。

お酒や甘いものの過剰摂取を控える:
これらは体内に湿を溜めやすい食品です。

腹八分目を心がける:
食べ過ぎは消化不良を引き起こし、湿を溜める原因となります。

十分な休息をとる:
体の回復を促し、水分代謝を正常に保ちます。

水分はこまめに少量ずつ摂る:
一度に大量の水分を摂ると、かえって体に負担がかかることがあります。

「肝うつ」とは

肝うつとは、「ストレスなどによる気の滞りが強い状態」を指します。
精神的なストレスや抑うつ状態が続くと、気の流れが滞り、様々な不調を引き起こします。

肝うつが体に悪さをしている人は次のような症状も出やすいです。

  • 眠り自体が浅い
  • 眼精疲労や肩こりなどが強い
  • 怒りやストレスがかかると症状が出る
  • 生理痛がひどい・生理周期が変動しやすい

このような症状に心当たりがある方は、「肝うつ」が原因かもしれません。

肝うつ気滞を取るおススメのツボ

太衝(たいしょう)

足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。
肝経のツボで、気の巡りを整え、イライラや精神的な緊張を和らげる効果があります。

合谷(ごうこく)

親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこみが合谷です。
全身の気の巡りを改善する万能のツボと言われています。特に、吐き気や頭痛の緩和に効果的です。

内関(ないかん)

手首の曲がりジワに薬指をおき指幅3本そろえて人さし指があたっているところ、腕の幅の真ん中が内関です。
精神的な安定をもたらす効果があります。

気滞をとるための養生

運動やストレッチなど体を動かす:
体を動かすことで、気の流れを促進することができます。

こまめなストレス発散:
自分に合った方法でストレスを解消することが大切です。

楽しいことを多く心がける:
ポジティブな感情は気の流れを良くします。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院での本格的な鍼灸治療

寝ても眠い人のツボ・写真2|鎌ケ谷・松戸・船橋

上記でご紹介したツボや養生法は、あくまでセルフケアであり、症状の一時的な緩和を目的としています。
睡眠の質を根本的に改善したいとお考えであれば、鍼灸治療が非常に有効です

鍼灸治療は、副交感神経に働きかけることで、体をリラックス状態に導き、消化吸収を促進し、疲労回復を助ける効果があります。
これにより、質の高い睡眠を促し、日中は元気に活動できる体づくりをサポートします。

当院では、丁寧な問診と東洋医学に基づいた診察で、お一人おひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの鍼灸治療を行っています。
「いくら寝ても眠い」というお悩みだけでなく、様々な不調に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。