片耳難聴になっての不便と気づき

重度の突発性難聴になり、右耳が聞こえない状態で3年ほど経ちました。
当初からさほど悲観的になったことはなかったですが、実生活では多少の困ったこと(多少の不便)もあります。
また、この件から気づくことも書きます。
ちなみにすべてはあくまで「私個人のケース」です。

困ったこと

突発性難聴での片耳難聴・写真1
これはもう「片耳難聴あるある」だと思いますが、以下のようなものがあります。

難聴側からだと聞こえづらい

私の場合は右耳難聴なので、右側から話しかけられると聞こえづらいです。
右からだとすごく小さくしか聞こえないので、話しかけれても何を言っているのかわからず左耳を向けて聞き直すことはよくあります。

そもそも全体的に聞こえづらい

片耳に耳栓している状態だと思ってもらえばいいので、両耳聞こえる人が10の音量で聞こえる音が8くらいでしか聞こえません。
※数字は私の感覚値(笑)
ですので、ボソボソっと話しかけられるとたいてい何を言っているかは聞こえません。
とくに、低い声(男性のボソボソ声)が顕著ですので、息子から話しかけられると聞こえないことが少なくないです。

音の聞こえる方向が分かりづらい

何でも左耳から聞こえるので、その音が左からなのか右からなのか前からなのか…判別が難しいです。
だいたい見当はつきますが、時々外れます。
たとえば家の中にいて、外で近所の誰かが話している声が聞こえるとします。
右隣の家の声かな?と思って家人に聞くと「左隣の家から聞こえるよ」などと言われます。

なので、聞こえる方向にはいつでも自信はないです(笑)

騒がしい場所だと音が聞こえづらい

これは片耳難聴にならないと分かりづらいかもしれません。
広くて騒々しい場所、たとえばスーパーとか、混み合っているカフェとかで起こります。

周囲の騒音が「邪魔な音」として左耳の聞こえを妨害するのです。
レジで「袋は要りますか?」のようなことを聞かれた時も、周囲のガヤガヤ・ザワザワした音にかき消されるように、その声が聞こえづらくなります。
しかもコロナ対策のビニール幕やアクリルパーテーションがあればなおさらです(苦笑)

電話やイヤホンをすると他の音が聞こえない

片耳しか聞こえないので電話はその耳に当てます。
またイヤホンもその耳だけに当てます。
するとそれ以外の音が聞こえなくなるので少々不便です。

電話もイヤホンも軽く当てるくらいにして外の音も拾えるようにしています。

耳鳴りはついてまわる

聞こえづらさの原因のひとつに耳鳴りもあるのかもしれません。
聞こえない側の耳の中でいつでも音が鳴っています。
ジージーとかピーーという音が聞こえるので、それが「邪魔な音」となり、本当に聞きたい音を聞こえづらくしている気もします。

耳鳴りに関しては、それが苦痛になる人と気にならない人がいるようです。
私自身は「耳鳴りはあるけどさほど気にならない」方だと思います。

片耳難聴になって気づいたこと

突発性難聴での片耳難聴・写真2
以上が困ったこと(不便なこと)でした。
次にこうなって気づいたことを徒然に書いてみます。

片耳生活になって2~3年ほどたちました。
片耳難聴が日々の暮らしにどの程度影響するのかは、最終的には人によってずいぶん異なると感じています。

まず私の仕事は、静かな部屋で患者さんと1対1で話して施術するスタイルです。
また、多人数と会話するような機会もない日常でもあり(友達少なく寂しい??(笑))、聞こえづらさの弊害は少ないと感じています。
これは幸いでした。

最初の印象も大きいかもしれません。
本当に激烈なめまいを経験しそれがツラすぎたので、発症時から聞こえないことは脅威ではなかったです。
半分は聞こえてるし、めまいなく生きていられるなら御の字かな、と感じていました。
もちろんそれは最初期の気持ちで、日常生活を送るようになって聞こえづらい不便さを嘆くかも…とも思いました。
でも、結局今のところ「聞こえないのはしゃーねーか」と思い続けられています。
また、
50年近く聞こえに不自由してこなかったので、少し不便になっても「これも加齢のひとつかな」とも思えています。
我ながらこういう心もちになれている自分に感謝ですね(笑)

反対に、
聞こえづらい環境で聞き取らないとならない仕事内容だったり、耳鳴りが苦痛だったり、すればそれはキツイなと思います。

生活の状況も、仕事の内容も、病気(後遺症)の程度も、みな人それぞれ。
自分は状況に恵まれ、わりとうまく対応できている方ではないかと思います。

もっと年齢を重ねて困ることも増えるかもしれませんが、それは今心配しても仕方ないですものね。
なるべく「今」を生きたいと思います。
こういうこともこの病気を経て学んだことです。

あ、そうだ。
聴覚が減衰したぶん他の感覚が研ぎ澄まされたか?…って言えば、全然ないですね。
鍼灸師として触覚(指頭感覚とか)が磨かれたりしたらよかったのですけど…(笑)
そんなにうまいことはないみたいです…(-_-;)

人生は続く。