【不妊鍼灸】子宮筋腫の手術後3年妊活を続けた女性が、3ヶ月の鍼灸で自然妊娠した症例

子宮筋腫手術後の妊活と鍼灸|3年以上妊娠に至らなかった30代女性の症例


※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。


今回は、子宮筋腫の腹腔鏡手術後に妊活を再開したものの、なかなか妊娠に至らず、当院へご相談いただいた30代女性の症例をご紹介します

患者さまは婦人科での検査では大きな異常は認められず、排卵誘発剤を用いたタイミング療法を継続されていました。
当院では東洋医学的な視点からお身体の状態を確認し、鍼灸治療を併用して経過をみていきました。

結果として、鍼灸治療開始後3周期目に自然なタイミングで妊娠が確認され、その後も妊娠中のケアを継続し、無事に出産を迎えられました

なお、本症例はあくまで一例であり、妊娠という結果が鍼灸のみの効果によるものと断定することはできません。
本記事では実際の経過と東洋医学的な考え方についてご紹介します。

【症例概要】

・30代女性
・妊活期間:約3年半
・既往歴:子宮筋腫腹腔鏡手術
・婦人科治療:排卵誘発剤によるタイミング療法
・主な症状:強い生理痛、腰痛、肩こり、疲労感、ほてり
・鍼灸開始後3周期目で妊娠確認

患者さまの情報と経緯

年齢・性別:
30代の女性。

鍼灸院に来るまでの経緯:
8年前に検診で子宮筋腫を指摘され、経過観察をしていました。
3年半前から妊活を開始し、基礎体温を参考に自分たちでタイミングを試みるも、半年後には下腹部痛が悪化。

病院で子宮筋腫の状態が悪化していると診断され、2年8ヶ月前に腹腔鏡手術を受けられました。

その後、妊活を再開するも、なかなか結果が出ず、2年前からは漢方薬局で漢方薬の服用も開始。

3ヶ月前には近所の婦人科クリニックでご夫婦ともに検査を受けましたが、とくに問題は見当たらず。
「排卵誘発剤を使ったタイミング療法」を勧められ、通院していました。

患者さまの身体的な症状としては、生理痛が非常に強く、鎮痛剤が欠かせない状態でした。

その他、腰痛、目の疲れ、肩こり、冷えよりもほてりを感じる、疲れやすいといった症状も見られました。

これらの症状は、不妊の原因と深く関わっている可能性があり、東洋医学的な観点から詳細に分析する必要がありました。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、妊娠は単に子宮や卵巣だけの問題ではなく、全身のエネルギー(気)や血液(血)の流れ、そして五臓六腑のバランスが深く関わっていると考えます。

この患者様の場合、以下の3つの要素が不妊の要因として考えられました。

瘀血(おけつ):
血の巡りが滞っている状態。
子宮筋腫の手術歴や生理痛の強さから、骨盤内の血流が滞り、子宮や卵巣への栄養供給が不足している可能性が示唆されました。

腎虚(じんきょ):
腎は生命の根源となるエネルギーを蓄える場所と考えられており、生殖機能とも密接な関係があります。
疲れやすさや腰痛などの症状から、腎の機能低下が疑われました。

気滞(きたい):
気の流れが滞っている状態。
ストレスや精神的な緊張などが原因で起こりやすく、気の流れが滞ると血の巡りも悪化し、様々な不調を引き起こします。

これらの東洋医学的な考察を踏まえ、患者様の体質に合わせた治療を行うことが重要となります。

治療方針

当院では、患者様の状態を詳細に把握するために、丁寧な問診と脈診、舌診を行いました。
その結果、上記の東洋医学的な考察に基づき、以下の治療方針を立てました。

瘀血の改善:
血の巡りを促進するために、気の巡りを整えるツボや血行促進作用のあるツボを選び、鍼灸治療を行います。

腎の補強:
腎の機能を高めるツボを選び、身体の根本的なエネルギーを高める治療を行います。

心身のリラックス:
ストレスを緩和し、心身のリラックスを促すツボを併用することで、気の流れをスムーズにし、自然治癒力を高めます。

これらの治療方針に基づき、鍼灸、温灸、灸頭鍼などを組み合わせて治療を行いました。

治療内容と実際の経過

初回:
仰向けで「関元」周辺に棒温灸。「曲池」「足三里」「陰陵泉」「太谿」に置鍼。「三陰交」にせんねん灸。
うつ伏せで「風池」「心兪」「肝兪」「志室」「次髎」に置鍼。「神道」「命門」に温灸を行いました。

その後1週間に1回のペースで4回、その後は1~2週間に1回のペースで治療を継続しました
施術内容は初回に準じつつ、その都度の患者様の体調や天候などにより、お灸を増やしたり貼る鍼(円皮鍼)を貼ったりなど調整しました。

鍼灸治療開始後の最初の生理で、患者さまは生理痛が楽になったことを実感されました

その後も生理痛の軽減が見られ、3周期目には病院でのタイミング指導がないにも関わらず、自然なタイミングで妊娠に至りました

不正出血が見られたものの、病院ではホルモンバランスの乱れと診断された周期での妊娠だったため、患者さまも当院も大変驚きました。

妊娠が分かってからは、つわり対策を中心とした治療に切り替えました。
「中脘」「関元」に温灸、「内関」「足三里」「太谿」に置鍼、「三陰交」にお灸、「膈兪」「肝兪」「脾兪」「腎兪」に置鍼、「至陽」「命門」に温灸を行いました。

その後も、妊娠中のマイナートラブル(足のつり、お腹の張り、片頭痛、貧血、腰痛など)に対応する治療を継続し、妊娠35週まで施術を行い、無事出産を迎えられました

鍼灸師としての感想とまとめ

今回ご紹介したのは、子宮筋腫の手術後に長期間妊活を続けていた30代女性の症例です。

患者さまは婦人科での検査やタイミング療法を継続されていましたが、なかなか妊娠に至らず、鍼灸治療を併用することとなりました。

東洋医学では、生殖機能だけでなく全身の気血の巡りや身体のバランスを整えることを重視します。
本症例でも、生理痛や疲労感、腰痛などの症状を含めて全身状態を確認しながら施術を進めました。

その結果、鍼灸治療開始後3周期目に妊娠が確認され、その後も妊娠中の体調管理を継続し、無事に出産を迎えることができました

ただし、不妊治療の結果にはさまざまな要因が関与します。
本症例においても、婦人科でのタイミング療法や妊娠に適した時期が重なった可能性があり、鍼灸治療のみの効果で妊娠したとは断定できません。また、効果には個人差があります。

当院では、不妊治療を受けている方や妊活中の方に対して、医療機関での治療を尊重しながら、お一人おひとりの体質や体調に合わせた鍼灸施術を行っています。

妊活中の体調管理や冷え、生理痛、疲労感などでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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