妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)への鍼灸

妊娠高血圧症候群への鍼灸

妊娠高血圧と鍼灸・写真1

妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に高血圧と尿蛋白が出現する疾患で、以前は妊娠中毒症と呼ばれていました。
母体と胎児の健康を脅かす可能性があるため、早期発見と適切な管理が重要です。

妊娠高血圧症候群の症状

主な症状は以下の通りです。

高血圧:
収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上

蛋白尿:
尿中にタンパク質が過剰に排泄される

浮腫:
手足や顔のむくみ

頭痛:
激しい頭痛が持続する

視覚異常:
目がかすむ、光が見える、視野が狭くなる

吐き気・嘔吐:
つわりとは異なる吐き気や嘔吐

腹痛:
みぞおちや右季肋部の痛み

これらの症状に気づいたら、速やかに医師の診察を受けましょう。

妊娠高血圧症候群の原因

妊娠高血圧症候群の明確な原因はまだ解明されていませんが、胎盤の異常や血管内皮細胞の機能障害などが関与していると考えられています。

妊娠高血圧症候群になりやすい人

以下の人は妊娠高血圧症候群になりやすい傾向があります。

高齢出産:35歳以上の出産

初産婦:初めての出産

多胎妊娠:双子や三つ子などの妊娠

肥満:BMIが25以上

高血圧:妊娠前から高血圧がある

糖尿病:妊娠前から糖尿病がある、または妊娠中に糖尿病になった

腎疾患:腎臓の病気がある

家族歴:家族に妊娠高血圧症候群になった人がいる

妊娠高血圧症候群の西洋医学的な治療

西洋医学的な治療は、安静、食事療法、薬物療法が中心です。

安静:
十分な睡眠と休息をとり、過労を避ける

食事療法:
減塩、高タンパク、低カロリーの食事を心がける

薬物療法:
降圧薬や利尿薬などを使用する

重症の場合は、入院管理が必要になることもあります。

妊娠高血圧症候群に対する東洋医学的な考察

東洋医学では、妊娠高血圧症候群は「肝陽亢進」「腎陰虚」「痰湿」などが原因で起こると考えられています。

肝陽亢進:
ストレスや過労により肝の気が高ぶり、血圧が上昇する

腎陰虚:
加齢や出産により腎の陰分が不足し、相対的に陽が亢進する

痰湿:
水分代謝が滞り、余分な水分が体内に蓄積される

これらの原因に基づいて、鍼灸治療を用いて症状を改善のお手伝いができます。

妊娠高血圧症候群に対する鍼灸治療

妊娠高血圧と鍼灸・写真1

鍼灸治療では、以下の経穴(ツボ)を組み合わせて治療を行います。

肝陽を抑える:
太衝、行間、合谷

腎陰を補う:
三陰交、太谿、照海

痰湿を取り除く:
豊隆、陰陵泉、足三里

これらのツボ(経穴)に鍼を刺したり、灸をすえたりすることで、気血の流れを整え、症状を緩和します。

このように鍼灸には出ている症状や体質から施術を組み立てられます。

病院(西洋医学)での食事指導や生活習慣改善を行い、さらに鍼灸を併用していただくことは勧められます。
ただ、
一番は「鍼灸は予防のために使ってほしい」です

当鍼灸院の妊娠高血圧症候群に対するアプローチ

当鍼灸院では、患者様一人ひとりの体質や症状に合わせて、オーダーメイドの鍼灸治療を提供しています。

丁寧な問診:
現在の症状や過去の病歴、生活習慣などを詳しくお伺いします。

体質診断:
舌診や脈診などを行い、東洋医学的な体質を診断します。

治療計画の作成:
体質診断に基づいて、最適な治療計画を作成します。

鍼灸治療:
鍼や灸を用いて、経穴を刺激し、気血の流れを整えます。

当鍼灸院では、妊娠高血圧症候群の予防や症状緩和だけでなく、安産のための体づくりもサポートしています。
妊娠中から定期的に鍼灸治療を受けることで、母体の健康を維持し、胎児の成長を促すことができます。

妊娠高血圧症候群でお悩みの方へ。症状でお悩みの方や、予防に力を入れたい方は、ぜひ当鍼灸院にご相談ください。

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