精子では運動率・奇形率・濃度よりも○○が大事

精子のデータで重要なのは?

精液検査
赤ちゃんを望む夫婦がなかなか授からずに悩み、奥さまのみが不妊治療を続けることも少なくありません。
そして数年後、夫の精子に異常があったことが検査によりようやく分かるというケースもあります。
最近ではこういった「男性不妊」の認知も進んできた印象ですが、やはり結婚から数年経過していたり、年齢では35歳を超えた男性が検査を受けることが多いといいます。
妊娠・出産は夫婦の共同作業です。
お子さんを望まれたら、まずは男性もきちんと病院で検査を受けることをおススメします

今回は、精液検査の項目中で重要な要素が分かった、という研究結果について書きます。

精液検査とは

精子のデータ
「精液検査」でチェックするのは、精子の数だけではありません。
精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態などを評価をします。

精液検査を行うことで不妊の原因がより正確に判断できます。
その結果は、男女両方の不妊治療を的確に行うために役立ちます。
精液検査は、不妊治療の方向性を定める重要な検査のひとつです。

このような検査の判断基準は、WHO(世界保健機関)によって定められています。

■WHOの基準値
液量:1.5ml 以上
濃度:15×10の6乗/ml 以上
運動率:40%以上
正常形態率:4%以上
白血球数:1.0×10の6乗/ml 未満

精子データで妊娠率には何が重要か?

精子の質

『精子検査で異常である場合、妊娠率には何が重要か?』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29553043

【方法】
2010年世界保健機関(WHO)の精液分析ガイドラインに基づいて、精液検査で1つ以上の異常があった場合の妊娠率への影響を調べる。

【結果】
981人のカップルが2231回の人工授精を受けた。
妊娠率は11〜25%の範囲であった。
精子の量や濃度や運動性の中で、どれかが異常であっても妊娠率は影響を受けなかった。
しかし、精子の数が3,900万を下回ったときにだけ妊娠率が減少した。

【結論】
精子の総量が重要であり、精子の濃度は重視しないようにすべきである。

当院の考察

精子と鍼灸
現在日本で行われている人工授精は、精液を洗浄・濃縮させて子宮に送り込む方法です。
今回の研究結果からは、このように濃度を上げることにはさほど意味はなさそうです。

精子の総数が重要であるという結果から、やはり重要なのは排卵時期になるべく多くの精子たちが卵管にいることではないでしょうか。
これは性交渉(タイミング)の回数が必要になることを示唆しています。
精子数が少ない精液だった場合にも、回数を増やすことで受精の可能性を増やすことができるのではないでしょうか。

また、精子数そのものを増やすのは、生活習慣と関連してきます
精液など生殖関係は、東洋医学(鍼灸)では「精」と関連づけて考えています。
「精」を減らすのは過労や睡眠不足だけでなく、過食やお酒の飲み過ぎなどもいけません。

性交渉の回数を増やして、生活習慣を整える…、そうは言ってもなかなかすぐに改善できないことも少なくありません。

そこで鍼灸です。
「精」の減少をおさえたり、逆に増やすことに役立つツボがありますので、それらを鍼灸で活用していきます。

「妊活で身体づくりに鍼灸」というのは、何も女性ばかりではありません。
精子数をしっかり作れるカラダになるための鍼灸もございます。
ご活用ください。

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