問診の必要性
鍼灸治療の目的
問診は、鍼灸治療の一環であり重要なパーツです。
鍼を刺し、お灸をすえるという施術と同等に重要です。
…と私は考えます。
まず、問診の目的から考えたいと思います。
そのために「問診」パーツが組み込まれている本体である「治療の目的」から考えます。
治療の目的も、おそらく考え出すとかなり深いテーマですが簡潔にします。
一般的に、治療の目的は「治ること(治すこと)」です。
痛みがあれば「痛くなくなる」ことですが、これが本当に最終目的でしょうか。
そもそも治らない症状というものもあります。
慢性的に変形した椎骨から発するコリや痛みがゼロになる、なんてことはないです。
このような完全には治らない症状に対して、治療は治すことが目的にはならないですよね。
私自身は治療の目的は「患者さんの満足」だと考えています。
治るかどうかではなく、満足を感じてもらえれば成功。そうでなければ残念。
満足には、痛みがゼロになるという満足があります。
また、治らないながら痛みが軽減したことでの満足や、痛みは全く変化しなくても心が癒されたらそれも治療の成果(患者さんの満足)と言って良いと考えます。
私自身は常に、患者さんに満足してもらう施術でありたいと考えています。
そう、これはあくまで私だけの話。
施術者ごとの治療観によるのです。
治療は何のために行っているかは、みな異なります。
問診の目的
治療目的を果たすためのパーツとして、問診があります。
当然、治療の目的が変われば問診の意味付けも変わってきます。
治療目的と同様、問診の目的も人それぞれということです。
「不問診」を掲げる流派や人もいます。治療のためには望・聞・切診で十分な情報を得られる、と。
その人が掲げる治療目的を果たすには問診不要、ということならそれならそれでいいですよね。
私ですと「患者さんの満足」という視点から問診をみます。
問診の役割(目的)は「(患者さん側の)納得感」と「(患者さん側の)話せた感」と「(施術者側の)情報収集」の3つです。
この3つを得るために行います。
問診の構成
上にあるように、患者さん側と施術者側の2つの視点を満たす必要があります。
通常使われる問診の意味は「施術者側が治療のために会話で情報を収集すること」でしょう。
弁証するうえでの重要要素です。
何を聞くか、どう聞くか、聞いた言葉をどう解釈するか、これは絶対大事だし、これだけでも十分奥深い技術です。
でもそれだけだと、患者さんは納得しませんし、話せた感も生まれません。
なぜなら、
「自分は何をなぜ話すのか?」「話したことが結局どう活かされたか?」の理解がないから。
「自分の身体のことみんな話したい、まだ言っていないことがある」というモヤモヤ感があるから。
つまり、
症状に対する問診(狭義の問診)だけでなく、患者さんへの「説明」と「ねぎらい」と「同意」が必須です。
それができてはじめて問診の役割が果たせると考えています。
以上のように、私自身は問診を重要視しています。
問診なくしては施術できず、みたいな(笑)
不問診している人って凄いな、と正直思います。