胚移植前後の鍼灸の通い方

胚移植前後の鍼灸はいつ受ける?

移植前後の鍼灸・写真1

「赤ちゃんを授かりたい」

そう願うご夫婦にとって、体外受精は希望の光となる治療法の一つです。
とくに胚移植を控えた時期は、期待と不安が入り混じる、とても大切な時間。

もしあなたが今、体外受精の胚移植を間近に控え、

「少しでも成功の可能性を高めたい」

「移植に向けて、心身ともにベストな状態に整えたい」

「でも、何をして良いかわからない…」

…と感じているなら、ぜひこの先をお読みください。

今回は、体外受精の胚移植を控えた方に向けて、鍼灸をどのように活用したらよいかをお届けします

胚移植は生理周期何日目に行うもの?

移植前後の鍼灸・写真2

初期胚(受精後2~3日目の胚)を移植する場合、一般的には生理周期の16日目から18日目あたりに行われることが多いです。
これは、排卵日から数えて2~3日後に相当します。

胚盤胞(受精後5~6日目の胚)を移植する場合、一般的には生理周期の19日目から21日目あたりに行われることが多いです。
排卵日から数えて5~6日後、子宮内膜がより着床に適した状態になると考えられる時期です。

ただし、これはあくまで目安であり、個々の生理周期やホルモンバランス、採卵後の状況などによって、移植のタイミングは異なります。
医師の指示に従い、最適な時期に移植が行われるように進めていくことが最も重要です。

この大切な時期に向けて、鍼灸はあなたの心と体の状態を整え、胚移植をより良い状態で迎えられるようにサポートします。

胚移植前後の鍼灸のおすすめの頻度

移植前後の鍼灸・写真3

では、胚移植に向けて、また移植後には、どのくらいの頻度で鍼灸を受けるのが良いのでしょうか?

体づくりは継続治療が大前提

移植前後の鍼灸の頻度を語る前に、大前提のハナシを書かせて下さい。

これが非常に重要です。

妊活鍼灸では「体質改善」と「継続治療」が重要です

体外受精の移植の前後だけの鍼灸では、鍼灸の本当の効果は出づらいです。

想像してみてください。
植物の種を良い土壌に植えることで、根をしっかりと張り、栄養を十分に吸収し、大きく育つことができますよね。

私たちの体も同じです。

妊娠しやすい体とは、子宮や卵巣といった生殖機能だけでなく、全身のバランスが整い、赤ちゃんを迎え入れる準備ができている状態のこと。

そのための土壌づくりが「体質改善」なのです。

東洋医学では、体の不調は一部分だけを見るのではなく、全身の気の流れ、血の巡り、そして内臓の働きのバランスが崩れた結果として現れると考えます。
不妊もまた、そのバランスの乱れが原因となっていることが多いのです。

これらの変化は、一度の施術で劇的に起こるものではありません。

長年かけて積み重なった体の状態を根本から変えていくためには、継続的な治療が必要となります。

一般的に、体質改善には最短でも3ヶ月程度の期間が必要と考えています

これは、私たちの体が変化し、新しい状態に慣れ、安定するまでに、3ヶ月ほどは必要だからです。

この期間中、週1回程度の定期的継続的な鍼灸治療で、体は徐々に、しかし着実に、妊娠しやすい状態へと変化していきます。
血流が改善し、ホルモンバランスが整い始めるのを実感できるでしょう。

当院では、患者様一人ひとりの体の状態や目標に合わせて、オーダーメイドの治療計画をご提案しています。
「週に1回」「2週間に1回」など、あなたのライフスタイルに合わせた無理のないペースで、まずは3ヶ月を目安に継続治療に取り組んでいただくことをお勧めしています

事前に定期的な治療をうけていれば、これから書くような胚移植前後の鍼灸を受けられなくても十分に成果を見込めます。

繰り返しですが、大事なのは「継続的な体づくり」です。

胚移植前

移植前の鍼灸は、子宮内膜の状態を整え、心身の緊張を和らげることを目的として行います。

■おすすめの頻度
移植周期が始まったら週1~2回ペースで来て、移植予定日の当日~2日前くらいに施術を受けます
※移植当日に鍼灸を絶対受けなければ!などと考えなくて大丈夫です。

この時期に鍼灸を受けることで、子宮への血流が促進され、内膜がふかふかの状態になりやすくなります。
また、リラックス効果により、精神的な不安やストレスが軽減され、穏やかな気持ちで移植当日を迎えることができるでしょう。

当院では、初診時に時間をかけてお話を伺い、脈やお腹の状態を丁寧に診ることで、あなたの体の状態を東洋医学的に把握します。
その上で、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を行いますので、ご安心ください。

胚移植後

胚移植後の鍼灸は、受精卵の着床を促し、妊娠の維持をサポートすることを目的として行います。

■おすすめの頻度
初期胚の移植なら移植4日後くらい、胚盤胞移植なら移植2~3日後、そしてその1週間後くらいに1回程度です

移植後は、結果が出るまでの期間、不安な気持ちになりやすいものです。
鍼灸には、心身をリラックスさせる効果があり、過度な緊張を和らげることができます。
また、全身の血流を促進することで、子宮や卵巣への血流も改善され、着床しやすい状態を維持するサポートをします。

もちろん、頻度については、あなたの体調やスケジュールに合わせて調整することが可能です。
お気軽にご相談ください。

胚移植前後の鍼灸がなぜ効果的かの理由

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「鍼灸が体外受精の成功に役立つって、本当なの?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、鍼灸が胚移植前後に効果を発揮する理由を、東洋医学の観点からわかりやすくご説明します。

■ストレス軽減とリラックス効果

体外受精の過程は、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。
とくに胚移植前後は、「どうかうまくいきますように」という強い願いと同時に、「もしダメだったら…」という不安が押し寄せる時期です。

東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると考えます。
ストレスや不安は、気の流れや血の巡りを滞らせ、体のバランスを崩す原因となります。

鍼灸施術は、全身のツボ(経穴)を刺激することで、自律神経のバランスを整え、心身のリラックスを促します。
これにより、過度な緊張が和らぎ、穏やかな気持ちで移植に臨むことができるでしょう。

■子宮内膜の血流改善

受精卵が子宮内膜に着床するためには、十分な血液と栄養が必要です。
子宮内膜の血流が悪いと、着床しにくくなる可能性があります。

鍼灸施術は、全身の血流を促進する効果があります。
とくに、下腹部や腰回りのツボを刺激することで、子宮や卵巣への血流を改善し、子宮内膜をふかふかの状態に整えるサポートをします。

当院は、マッサージや整体は行わない、鍼とお灸の専門施術です。
鍼とお灸には絶対の自信があり、長年の経験に基づいた的確な施術で、あなたの体の内側から変化を促します。

■ホルモンバランスの調整

妊娠には、女性ホルモンのバランスが非常に重要です。
ホルモンバランスが乱れていると、排卵や子宮内膜の状態に影響が出ることがあります。

鍼灸施術は、体のエネルギーの流れを整え、ホルモンバランスの調整をサポートする効果が期待できます。
全身のツボを使い、体の内分泌系の働きを活性化することで、妊娠に必要なホルモン分泌を促します。

当院では、施術前に脈、舌、お腹の状態を詳しく診察し、東洋医学に基づいてあなたの体の状態を正確に把握します。
その上で、体質に合わせたオーダーメイドの鍼灸を行うため、より効果的なアプローチが可能です。

■体が本来持つ自然治癒力の向上

東洋医学では、人間は本来、病気や不調を自ら治す力を持っていると考えます。
鍼灸施術は、この自然治癒力を高めることで、体の様々な機能を正常な状態に戻すサポートをします。

体外受精は、医療の力を借りる治療法ですが、最終的に妊娠が成立するかどうかは、ご自身の体の状態が大きく影響します。
鍼灸で体の内側から整えることは、妊娠への可能性を高める上で非常に重要と言えるでしょう。

まとめ

移植前後の鍼灸・写真6
胚移植の成功には、西洋医学だけでなく、東洋医学で体のコンディションを整えることも非常に重要です。

鍼灸は、子宮環境を整え、ホルモンバランスを調え、リラックスした状態を作ることで、着床の可能性を高めます。

当院では、体外受精を受ける方のために、東洋医学に基づいた鍼灸施術を提供しています。
移植の前後に適切なケアを行うことで、より良い結果を引き寄せることができます。

「できることはすべて試したい」と考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。

時間をかけてあなたの話を丁寧に聞き、わかりやすく説明し、あなたの体質や状態に合わせた最適な施術をご提供することをお約束します。

私たちの鍼灸で、あなたの妊娠への願いを全力でサポートさせていただきます。

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