不妊症への鍼灸論文の分析
不妊症と鍼灸:科学的根拠と当院のアプローチ
「赤ちゃんが欲しいのに、なかなか授からない…」
不妊という現実は、多くのご夫婦にとって深刻な悩みです。
近年、不妊治療の選択肢の一つとして鍼灸が注目を集めていますが、「本当に効果があるの?」と疑問に思われる方も少なくありません。
今回は、鍼灸が不妊症(妊活)にどのように役立つのかを、科学的な根拠に基づいて解説します。
また、当院が大切にしている考え方や施術の特徴についても詳しくご紹介し、鍼灸という選択肢が皆様の妊活の一助となることを願っています。
不妊症と鍼灸に関する研究:科学的根拠
鍼灸の効果を検証する研究は世界中で行われており、不妊症に対する鍼灸の効果を示唆する論文も数多く発表されています。
ここでは、複数の研究を統合的に分析したレビュー論文をご紹介します。
『不妊症に対する鍼治療のレビュー』
A Review of Acupuncture Treatment for Infertility
https://e-jar.org/journal/view.php?number=2544
この研究では、過去10年間に発表された不妊症に対する鍼灸治療の効果に関する18件の研究を分析しています。
対象となった不妊症の原因は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、早発卵巣不全(POF)、精巣静脈瘤など多岐にわたり、合計534人分のデータが分析されました。
その結果、鍼灸治療を行ったグループは、対照群や西洋医学単独のグループと比較して、妊娠率、排卵率、子宮内膜の厚さ、精子の状態(正常形態率、運動性、濃度)などの項目で有意な改善が見られました。
また、いくつかの研究では、鍼灸治療による副作用は見られなかったと報告されています。
このレビュー論文は、鍼灸が不妊症に対して一定の効果を持つ可能性を示唆しており、西洋医学と併用することで、より良い結果が期待できる可能性を示しています。
使用された経穴(ツボ)
全ての研究で使用された経穴(ツボ)も分析されており、とくに多く使われたのは、関元(かんげん)、中極(ちゅうきょく)、気海(きかい)、三陰交(さんいんこう)、腎兪(じんゆ)といったツボでした。
これらのツボは、東洋医学において生殖機能やホルモンバランスに関わると考えられており、古くから婦人科疾患の治療に用いられてきました。
そのほか、不妊症の原因別でよく使われたツボは以下の通りです。
・多のう胞性卵巣症候群(PCOS)の研究
三陰交SP6、関元CV4、中極CV3、気海CV6、足三里ST36、子宮EX-CA1、帰来ST29、血海SP10、腎兪BL23、中脘CV12
・早発卵巣不全(POF)の研究
三陰交SP6、脾兪BL20、腎兪BL23、次髎BL32、子宮EX-CA1
・精巣静脈瘤の研究
足三里ST29、腎兪BL23、次髎BL32、中極CV3、関元CV4、気海VC6
東洋医学から見た不妊:原因とアプローチ
東洋医学では、不妊の原因を単一のものとは捉えず、心身全体のバランスの崩れとして捉えます。
とくに、以下の要素が不妊に関わると考えられています。
腎虚(じんきょ):
腎は成長、発育、生殖を司ると考えられており、腎のエネルギー不足は生殖機能の低下につながります。
肝鬱(かんうつ):
ストレスや精神的な緊張は気の巡りを滞らせ、ホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。
脾虚(ひきょ):
脾は消化吸収を司り、気血を生み出す源です。脾の機能低下は全身の栄養不足につながり、生殖機能にも影響を及ぼします。
血瘀(けつお):
血の巡りが滞ることで、子宮や卵巣への血流が悪くなり、機能低下を招くことがあります。
当院では、これらの東洋医学的な考え方を基に、患者様一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの施術を行っています。
当院の不妊鍼灸:特徴とこだわり
当院では、20年の施術経験と延べ4万人以上の施術実績を持つ院長が、東洋医学に基づいた丁寧な問診と検査を行い、患者様の状態をしっかりと把握します。その上で、以下の点を重視した施術を行います。
丁寧な問診と分かりやすい説明:
患者様のお話をじっくりと伺い、症状や体質、生活習慣などを詳しく把握します。
そして、東洋医学の考え方や施術内容について、分かりやすく丁寧に説明いたしますので、安心して施術を受けていただけます。
脈診・舌診・腹診による体質判断:
東洋医学独特の診断方法である脈診、舌診、腹診を用いることで、患者様の体質や現在の状態を詳しく把握します。
全身のツボを使ったアプローチ:
鍼と灸を用いて、全身のツボ(経穴)を刺激し、気血の巡りを整え、心身のバランスを整えます。
とくに、生殖機能に関わるとされる腎経、脾経、肝経などの経絡を重視し、下腹部、腰、足などのツボを丁寧に刺激します。
心地よい施術:
当院では、鍼は痛くなく、灸は熱くなく、心地よく効果を感じていただける施術を心がけています。
体質改善を重視:
不妊の根本原因にアプローチするため、体質改善を重視した施術を行います。
一時的な症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善を目指すことで、妊娠しやすい体づくりをサポートします。
不妊治療、婦人科疾患、自律神経失調症、冷え、ストレスへの対応:
不妊治療だけでなく、婦人科疾患、自律神経失調症、冷え、ストレスなど、女性特有のお悩みにも幅広く対応しています。
当院が重視する要素
治療方針:
補腎(じんを補う)、疏肝(かんの巡りを良くする)、補脾胃(脾胃を補う)、活血(血の巡りを良くする)
五臓六腑:
脾、腎、肝
経絡:
腎経、脾経、膀胱経、胃経、督脈、任脈
体の部位:
下腹部、背中~腰、足(膝より下)、首肩
最後に
病院での治療やセルフケアに加えて、何かできることはないかと感じている方は、ぜひ一度当院の鍼灸をお試しください。
鍼灸は、皆様の妊活を力強くサポートする可能性を秘めています。
ご不安なことやご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。
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