片頭痛に効くツボ

片頭痛に効果的なツボ

片頭痛のツボ・写真1

片頭痛は突然の強い頭痛に加え、吐き気や光・音に対する過敏など、日常生活に大きな影響を与えるつらい症状です。
仕事や家事、趣味などが思うようにできず、悩まれている方も多いでしょう。

まずは無理をせず、ご自身の体をいたわることが大切です。

今回は、片頭痛の東洋医学の視点からの体質別の考え方、そしてセルフケアに役立つツボを解説します

西洋医学からみた片頭痛

片頭痛は、脳の血管が急激に拡張し、その周囲の神経が刺激されることで発生すると考えられています。
片側のこめかみから目の周囲にかけてズキズキと脈打つような痛みが特徴で、発作的に起こります。

痛みは数時間から数日間続き、吐き気や嘔吐、視界のチカチカ(閃輝暗点)などの前兆を伴うこともあります。

発症の要因としては、ストレス、寝不足、ホルモンバランスの変化、特定の食べ物(チョコレート、ワイン、チーズなど)などが挙げられます。

治療法としては、鎮痛薬やトリプタン製剤の服用、生活習慣の改善が一般的です。
これらの薬は副作用があったり、効果が一時的だったりすることもあります。

西洋医学的な治療だけでは十分な改善が見られない場合は、東洋医学的なアプローチも併用して取り入れてみてください。

東洋医学からみた片頭痛

東洋医学では、片頭痛は体内の「気」「血」「水」の流れが滞ることで生じると考えます。
体質によって原因となるものが異なり、それぞれに適した対処法があります。

以下のように体質別に分類し、それぞれの特徴と対策を紹介します。

肝気鬱結(ストレス型)

ストレスや情緒の乱れが原因で、気の流れが滞ることで起こる片頭痛です。

症状:
こめかみの痛み、イライラ、胸のつかえ、ため息が多い。

対策:
リラックスを心がけ、ストレス発散を意識する。菊花茶やジャスミン茶が効果的。

肝陽上亢(のぼせ型)

気血が頭に上りすぎて起こるタイプです。

症状:
ズキズキする痛み、顔のほてり、口の渇き、怒りっぽい。

対策:
冷やす食材(キュウリ、スイカ)を取り入れる。お風呂でのぼせないように注意。

瘀血(血行不良型)

血の巡りが悪くなることで痛みが発生します。

症状:
刺すような痛み、肩こり、皮膚のくすみ、冷え。

対策:
適度な運動、温かい食事(生姜、黒砂糖)を取り入れる。

痰湿(むくみ型)

水分代謝の低下による片頭痛です。

症状:
重だるい痛み、めまい、胃もたれ。

対策:
水分の摂りすぎに注意し、消化の良い食事をとる。

片頭痛に効果的なツボ

肝気鬱結(ストレス型)

太衝(たいしょう)

足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。
肝経のツボで、気の巡りを整え、イライラや精神的な緊張を和らげる効果があります。

百会(ひゃくえ)

耳のいちばん高いとこりに親指をあて中指を頭のてっぺんにあててそこから前げ押しながら移動し、気持ちよく感じるところ。
頭頂部の気の滞りを解消。

肝陽上亢(のぼせ型)

風池(ふうち)

首の後ろの左右のスジに指をおき、指をすり上げていきます。髪の生え際まできたら、左右外側のくぼみでいちばんへこんでいるところ。
頭部の熱を下げ、血流を整える。

合谷(ごうこく)

手の甲で親指と人さし指の間。
ストレスによる緊張を緩和。全身の気の流れを調整。

瘀血(血行不良型)

血海(けっかい)

膝の内側、膝のお皿より指3本分上にあります。
血流を良くする効果が高いツボです。

天柱(てんちゅう)

首の後ろの左右のすじに指をおき、そこから指をすり上げ、 髪の生えぎわが天柱です。
首や肩のこりを解消し、血流を良くする。

痰湿(むくみ型)

陰陵泉(いんりょうせん)
膝の内側、太い骨(脛骨)の下にあるくぼみです。
水分の代謝を調整し、むくみを改善する効果があります。
体内の余分な水分を排出。

豊隆(ほうりゅう)

下腿(すね)の外側、膝と足首の中間あたりに位置しています。筋肉が盛り上がっている部分で、外くるぶしから親指8本分上の場所。
消化機能を助け、湿を取り除く。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院での本格的な施術のススメ

セルフケアのお灸やツボ押しは効果的ですが、片頭痛の根本改善を目指すには、定期的な鍼灸治療がおすすめです。
鍼灸施術では、あなたの体質に合った適切なツボを選び、より深く作用させることができます。
また、体全体のバランスを整え、片頭痛の起こりにくい体質へ導くことも可能です。

とくに慢性的な片頭痛で悩んでいる方は、一度鍼灸院での施術を受けてみると良いでしょう。

鍼灸と日常のセルフケアを組み合わせることで、片頭痛に悩まされる日々から解放される可能性が高まります。

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