雨水|鍼灸師が教える二十四節気の健康法
雨水の今できる健康法について
雨水(うすい)は二十四節気の第2番目、立春(りっしゅん)と啓蟄(けいちつ)の間に位置し、2025年は2月18日からです。
降り積もった雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃という意味です。
空から降るものが雪から雨に変わり、氷が解けて水になる様子を表していて、昔から農耕の準備を始める目安とされます。
草木が芽吹き始める頃でもあります。
とは言え、まだまだ寒い時期です。
この時期は、冷えから体調を崩しやすいので、体を温める食べ物を摂るなど、養生を心がけましょう。
雨水の頃に起こりうる心身の不調
雨水の頃は、冬の寒さから徐々に暖かくなり始める時期ですが、寒暖差が大きく、体調を崩しやすい時期でもあります。
以下に、雨水の頃に起こりうる心身の不調をまとめます。
【寒暖差による体調不良】
三寒四温と言われるように、暖かい日と寒い日が交互に訪れるため、自律神経が乱れやすく、風邪を引きやすい、体がだるい、頭痛がするなどの症状が出やすくなります。
【アレルギー症状の悪化】
気温の上昇とともに花粉や黄砂などが飛び始め、花粉症などのアレルギー症状が悪化する場合があります。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどに注意が必要です。
【気分の変動】
春は環境の変化も多い時期であり、気候の変化も相まって、気分が落ち込みやすい、イライラしやすいなど、精神的な不調を感じることもあります。
【消化器系の不調】
まだ寒さが残るため、胃腸の働きが弱まりやすく、食欲不振や胃もたれ、下痢などを起こしやすくなります。
これらの不調は、体内の「気」の流れやバランスが崩れることで起こると考えられます。
東洋医学では、春は「肝」の働きが活発になる時期とされ、肝は自律神経や感情のコントロールに関わっています。
そのため、この時期は特に心身のバランスを意識した養生が大切になります。
雨水ころの不調を避ける健康法
雨水の時期に起こりうる心身の不調を避けるためには、日々の生活の中で以下の健康法を意識することが大切です。
寒暖差対策
気温の変化に合わせて脱ぎ着しやすい服装を心がけましょう。
薄手の羽織ものやストールなどを活用し、こまめに体温調節を行うことが大切です。
また室内では暖房器具などを活用し、適切な室温を保ちましょう。
ただし、暖めすぎには注意し、適度に換気を行うことも大切です。
外出時はマフラーや手袋、レッグウォーマーなどを活用し、首、足首、手首といった「首」と名のつく部位を温めることで、効率よく体を温めることができます。
食生活の見直し
生姜、ネギ、ニンニク、カボチャなど、体を温める作用のある食材を積極的に摂りましょう。
温かいスープや鍋料理などもおすすめです。
胃腸に負担をかけないよう、消化の良い食事を心がけましょう。
油っぽいものや冷たいものの摂りすぎには注意が必要です。
また、ビタミン、ミネラル、タンパク質などをバランス良く摂取することで、免疫力を高め、体調を崩しにくくします。
生活習慣の改善
睡眠不足は自律神経の乱れにつながります。
規則正しい時間に就寝・起床し、質の高い睡眠を確保しましょう。
寝る前に温かい飲み物を飲んだり、リラックスできる音楽を聴いたりするのも効果的です。
日中は、軽いウォーキングやストレッチなど、適度な運動は血行を促進し、心身のリフレッシュにつながります。
天気の良い日には積極的に外に出て、日光を浴びることもおすすめです。
ストレスは自律神経の乱れを引き起こす要因の一つです。
音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、趣味に没頭したりするなど、自分なりのリラックス方法を見つけて、心身を休める時間を作りましょう。
朝起きたらカーテンを開けて日光を浴び、体内時計をリセットしましょう。
軽いストレッチや深呼吸などもおすすめです。
これらの健康法を実践することで、雨水の時期に起こりやすい心身の不調を予防し、健やかに過ごすことができるでしょう。
ただし、体質や症状によって合う合わないがありますので、ご自身の状態に合わせて無理のない範囲で行うようにしましょう。
雨水ころの体に効果的なツボ
雨水の時期におすすめのツボを挙げ、それぞれの効果について説明します。
・太衝(たいしょう)
場所: 足の甲、足の親指と第二趾の骨の間にできるV字の窪みの頂点。
効果: 肝の興奮を鎮め、イライラや怒りを鎮める。血行を促進し、頭痛や目の疲れを改善する。
理由: 雨水の時期は、環境の変化や気候の変化により、精神的に不安定になりやすい時期でもあります。
太衝を刺激することで精神的な安定をもたらす効果が期待できます。
.・合谷(ごうこく)
場所: 手の甲側、親指と人差し指の骨が交わるあたり、やや人差し指寄りのくぼみにあります。
効果: 合谷は「万能のツボ」とも呼ばれ、全身の気の巡りを整える効果があります。
とくに、上半身の血行促進、免疫力向上、鎮痛作用などに優れています。
理由: 雨水の時期に起こりやすい頭痛、肩こり、鼻詰まり、風邪の初期症状などに効果的です。
また、自律神経を整える作用もあるため、気分の落ち込みやイライラなどにも有効です。
これらのツボを、軽い指圧やお灸で刺激すると効果的です。
日常のケアに取り入れてみてください。
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