無排卵・排卵障害でお悩みならこのツボ【セルフケアお灸】
排卵障害と西洋医学
「排卵障害(=無排卵)」とは、卵が育たない、もしくは育ってもうまく排卵できないことをいいます。
排卵障害かどうかは基礎体温が2相にはならないことでわかります。
また、生理不順が続く場合も排卵障害を疑ったほうがいいでしょう。
病院ではさらに詳しく知るために、ホルモンの数値を測り、超音波検査で卵巣の状態を見ます。
【排卵障害の原因(簡単に)】
- 卵を育てる「指令」を出している中枢のトラブル
- 卵の数が不足
- 卵がある「現場(卵巣)」のトラブル(多のう胞性卵巣症候群など)…があります。
より正確に言えば、中枢性排卵障害・卵巣機能低下・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)・黄体機能不全・黄体化非破裂卵胞(LUF)・高プロラクチン血症などを言います。
今回は説明は省きます。
詳しくは専門サイトをご覧ください。
治療としては、ホルモン剤などで人為的に生理周期の正常化を目指すことが多いです。
排卵障害と東洋医学
西洋医学的にもお分かりの通り、排卵障害の原因は「生活習慣の乱れ」からも起こりうるし、「卵子の数が少ない」ことでも起こりうるし、「小さな卵子がたくさんできてしまうこと」でも起こりえます。
つまり、原因が多様なので「これだけが排卵障害の治療方法」という考え方は西洋医学でも東洋医学でも、共にないです。
ただし、西洋医学的には多様な病名が想像されても、東洋医学では病名は関係ありません(もしくはさほど注目しません)。
東洋医学で大事になるのは「その人の体質」だからです。
東洋医学では、人体にある「気・血・水(き・けつ・すい)」という物質の量と巡りがしっかりしていれば健康であると考えます。
逆に言えば、気血水のどこかに量的に・質的に・巡り的に問題があれば、それが病気をひきを起こすと考えているわけです。
ですので、排卵障害の鍼灸に関しても、その人の体質的な特徴を判断して、それに合わせた最適なツボを選んでいきます。
最終的にはオーダーメイドなツボ選びが重要ということです。
ただし、今回は多くの人に共通するであろう「排卵障害のツボ(考え方)」をご案内します。
排卵障害が婦人科系のトラブルであることからも、「腎(じん)」のトラブルが大きいと考えられます。
まずは腎系の要所をおさえたいです。
また、「卵子が飛び出る」という現象が「気の推動作用」であることから、気の巡りをしっかりさせたいです。
同時に、腎(=先天の精)を「後天の精」で補う意味で、脾胃の働きをしっかりさせておきたいです。
以上3点のポイントでおススメのツボをセレクトします。
排卵障害で悩む人におススメのツボ
まずはツボ刺激云々の前に「日常の生活習慣」が大事です。
どのようなタイプの方でも以下のことは心がけてください。
・しっかり睡眠
・腹八分
・適度な運動
・冷えない保温
・リラックス
これらをしっかりやればそれだけでも十分効果的です。
さらに「自宅でお灸」することでプラスアルファの効果が見込めます。
基本のツボ
どのタイプの人にも有効です。
三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから指4本分くらい上。
気海(きかい)
おへそから指2本分くらい下。
腎兪(じんゆ)
背中の指2~3本分くらい横(おへその高さあたり)
足三里(あしさんり)
すねの外側。ひざのお皿下、指4本分くらい下。
加齢や月経血量減少などが気になるタイプ
以下のツボも追加してみてください。
照海(しょうかい)
ストレスが強いタイプ
ストレスが強く、肩こりなどコリ痛みが強い、PMSでのイライラが強い人は以下のツボも追加してみてください。
合谷(ごうこく)
手の甲で親指と人さし指の間。
太衝(たいしょう)
足の甲で親指と人さし指の間。
血海(けっかい)
ももの内側、ひざのお皿から指4本分くらい上。
カラダがダル重いタイプ
水分代謝が悪い人は以下のツボも追加してみてください。
陰陵泉(いんりょうせn)
膝の内側の下、すねの骨の内側が大きく曲がってくぼみになったところ。
ツボの刺激方法
セルフケアのツボ刺激では「お灸」と「指圧」があります。
どちらでも構いませんが、細く長く続けるのが大事ですので、長続きしそうな方法を選んでみてください。
指圧(マッサージ)
指圧の場合は、ツボを押すときには垂直に、力がしっかりと伝わるように押します。
力加減は「痛いけど気持ちいい」くらいで。
3数えながら押していき、ちょうどよい強さになったら3数えてキープして、3数えながら力を抜きます。
呼吸にも注意し、ゆっくりと息を吐きながら押し、吸いながら指をはなすように意識するのもよいです。
心地よい刺激を感じることで効果が増大されますので、あくまでもゆったり、じっくりと。
お灸
( せんねん灸が有名ですが、)自宅で簡単にできるタイプのお灸が市販されています。
商品は温度設定で分かれていますので、まずは「ソフト」(せんねん灸だったら「竹生島」)が良いでしょう。
1日1回。
それぞれのツボに1個ずつ。
せんねん灸に使い方はこちら。
火を使わないせんねん灸もあります(お腹や腰にはいいかも)。
使用感の動画はこちら。
以上、試してみてください。
当院の卵巣機能に関する鍼灸のご案内
自宅だけでなく、鍼灸院で施術を受けたいと希望される方もいらっしゃるかもしれません。
こちらに卵巣機能に関する鍼灸のページをご案内します。
参考になさってみてください。