妊娠初期(妊娠確認~10週まで)の鍼灸

妊娠初期の鍼灸:知っておきたいこと

妊娠初期の鍼灸

「妊娠初期」という言葉を聞くと、なんだか不安定で心配な時期というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
実際、妊娠が分かってからしばらくは、様々な不安や疑問を感じやすい時期です。

「お腹の赤ちゃんは元気に育っているかな?」
「つわりが辛くて何もできない…」
「流産しないか心配…」

そんな不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、そんな妊娠初期の鍼灸治療について、当院の考えなどを含めて解説します
この記事を読むことで、妊娠初期の鍼灸に対する疑問や不安を解消し、安心してマタニティライフを送るためのヒントを得ていただけたら幸いです。

妊娠初期とは

「妊娠初期」とは、一般的に妊娠が分かってから妊娠15週程度までを指します。
その後は「安定期」と呼ばれるようになります。

不妊治療専門の病院では、妊娠8~10週頃まで妊娠が継続できれば卒業となることが多いため、最初の不安な時期をここでは「妊娠10週まで」とします。

妊娠5~6週頃に「胎嚢」と呼ばれる赤ちゃんの袋が確認され、7~8週目頃には「心拍」が確認されます。

心拍が確認されると流産の確率は大幅に下がると言われていますが、その後も1~2週間ほど様子を見て、流産の心配が少ないことを確認してから不妊専門病院を卒業し、産婦人科病院へと移行するのが一般的な流れです。

妊娠初期に鍼灸を受けても大丈夫?

「妊娠初期に鍼灸を受けると流産するのでは?」という心配をされる方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、鍼灸施術そのものが流産を引き起こすという医学的な根拠はありません

当院でも、妊活目的で通院されていた方が妊娠した後、妊娠初期の不安定な時期を安定期まで健やかに過ごすために、継続して鍼灸を受けていらっしゃいます。

ただし、初めて鍼灸を受けるという方や、鍼灸施術に強い不安を感じる方は、無理に受ける必要はありません

つわりがツラくてどうしようもないなど、病院では改善できないおツラい症状がある場合に、選択肢の一つとして鍼灸を検討してみるのが良いでしょう。

妊娠初期の鍼灸施術とは?

当院では、妊娠初期の方にも「全身鍼灸」を行っています。
全身のツボ(経穴)の中から、その方の状態に合わせて適切なツボを選び、鍼やお灸で刺激していく方法で、当院のスタンダードな施術方法です。

ただし、妊娠初期は過度な刺激は不要という考えから、鍼の本数や深さ、お灸の刺激量を控えめにするなど、刺激量をソフトにするように心がけています。

妊娠初期の鍼灸施術の主な目的は「体調管理」です。

お母さんの婦人科系のコンディションを整えることで、妊娠状態をしっかりと継続できるような体づくりをサポートすることを目的としています。
体の中に満ちて巡っている「気血水(きけつすい)」の状態が健康を左右しますので、この気血水の過不足や滞りがあるかないかを東洋医学的な方法で判断し、必要なツボを選択し、鍼灸施術をします。

こういった健康増進・免疫力向上・疲労改善・ストレス発散のような効果が鍼灸にはあります。

妊娠初期によくある症状とその原因

妊娠初期は、つわりをはじめ、様々な不調が現れやすい時期です。
具体的には、つわり・吐き気・食欲不振・倦怠感・眠気・便秘・下痢・腰痛・頭痛・肩こり・冷え・精神的な不安定…などがよく出る症状です。

これらの不調は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなどが原因と考えられています。

たとえば鍼灸によるつわり対策

つわりの鍼灸

つわりは、妊娠初期に多くの女性が経験するツラい症状の一つです。

鍼灸では、気の巡りが逆流したり停滞することでつわりが起こると考えられています。

つわりに効果的なツボを刺激することで、気の巡りを整え、つわりを緩和する効果が期待できます。
たとえば、「内関(ないかん)」「足三里(あしさんり)」「公孫(こうそん)」「胃の六つ灸」などがつわりに効果的なツボの代表例です。

また、妊娠するとお母さんの体には様々な変化が起こりますが、鍼灸は自律神経系や内分泌系(ホルモン)に効果があるため、これらの変化による不調にも対応できます。

妊娠初期の鍼灸の効果

妊娠初期の鍼灸施術には、以下のような効果が期待できます。

つわりの緩和
吐き気、嘔吐の軽減
食欲不振の改善
倦怠感の軽減
眠気の改善
便秘、下痢の改善
腰痛、頭痛、肩こりの緩和
冷えの改善
精神的な安定

当院では、妊娠初期から安定期、臨月まで、それぞれの時期に合わせたマタニティ鍼灸を提供しています。

妊娠中の様々な不調に対応し、お母さんと赤ちゃんの健康をサポートさせていただきます。
妊娠初期の鍼灸は、安心して受けていただける施術です。

つわりなどの初期症状の緩和や、安定期に向けての体づくりに役立ちます。

ただし、ご不安が強い場合は無理に受ける必要はありません。

妊娠期間を通じて、鍼灸はお母さんの健康(ひいては赤ちゃんの健康)に貢献できると考えていますので、ぜひご活用ください。

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