2018年(第26回)はり師きゅう師試験から思う

国家試験|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

2018年の鍼灸師の国家試験結果の私見

2018年の「はり師国家試験」は合格率57.7%という衝撃がありました(きゅう師は62.5%)。
たしかに初報を聞いた時はビックリしました。

ただし詳細が出てきて(自分の中の)動揺は収まりつつあります。

当たり前ですが、試験には新卒(初めて試験を受ける人たち)と既卒(前回試験に落ちた人たち)がいます。
その合計で57.7%だったわけで、その内訳があります。

●新卒の合格率73.9%。
3,456人受けて、2,554人受かった計算です。
●一方、既卒の合格率は9.7%。
1,165人受けて、113人受かった計算です。

新卒は70%以上の人は受かるのです。
学校の成績が中の下くらいまでにいれば、ほぼ受かる訳です。
10人いて7番まで受かるイメージ。

もちろん去年まで合格率は新卒で80~90%あったので、それに比べれば難しくなったことは事実です。
簡単だとは言いませんが、悲壮感が漂う数字ではありません。

ポイントは普通にやれば大丈夫だけど、普通にやらないと危険、ということでしょうか。
今までのように、結構な手抜きでも受かる状況(=合格率8~9割)が異常だったと考えれば良いのでしょう。
普通には勉強してください、ということです。

基本的には「職業人」を養成するのが専門学校の意義でしょう。
そうであるなら、そこそこの知識と技術を持っている証明が卒業(資格試験合格)の意味かと思います。
鍼灸師として生きる未来のために学ぶ授業は、なんだか意義の見えぬまま受けていた義務教育の授業より、はるかにモチベーション高く意欲的になるものではないでしょうか。
だから「鍼灸師としてやっていくぜ!」と思って学生していれば国試は大丈夫だと考えます。

その意欲がないと、試験に受かったとしても、結局は鍼灸師としては働かないのでは??
鍼灸師として働かないのであれば、ライセンスの有無は「実質的にはどうでもいい」と言えます。
免許証を持っていて車に乗らない人と無免許だから車に乗らない人には実質的な違いはない、ということです。
そういう人は落ちても、逆に、今後の人生は大丈夫でしょう。

ここまで書いてきました私は、今の学生からみたら「簡単な時代」に試験に受かった人間です。
言うことに説得力もないでしょう。
でも、70%が受かる試験は難しい試験ではないと言えます。
「3年間学んだ結果、試験に受からないとそれが無駄になるのが怖い」と考える真摯な人は、ほぼほぼ大丈夫でしょう。
その気概で勉強していれば、まぁ受かりますよ(^^♪

ただし、
意欲はあるけど、要領の悪い人や勉強の仕方がわからない人だけが気になります。
こういう人は、きっと「勉強の仕方というテクニック」を学ぶことから始めなければいけないのでしょう。
高卒が鍼灸学校入学の基礎ですから、そこまでに自分が勉強の仕方を知っているかどうかはわかっていると思うので、1年生の頃から取り組んでいくことが大事でしょうね。

私自身は去年、「医薬品登録販売者」の試験を受けました。
合否ある試験を受ける決断をして、久しぶりに試験勉強というものに取り組みました。
その過程で、試験に受かる為だけの知識を暗記する愚かしさを思い出したし、モチベーションを保つのに苦労したし、当日は緊張もしました。

でもまぁ、これは結局、自分で選んだことなのです。
強制でなく自主的に入っていったわけで、そこで勉強しようがしまいが、すべては自己責任です。
そんな事を感じる良い機会になりました。

「登録販売者」は落ちても鍼灸の仕事に差し障りないものでしたが、これが「鍼灸師国家試験」だったら人生に大きく影響します。
そんな大きなプレッシャーのかかる試験はもう受けたくないなぁ、とは思いました(^^;)

大丈夫、大丈夫♪と書いてきましたが、その最中にいるうちはそうは思えないでしょうから、これからまさに国家試験に臨む学生さんは、ぜひ頑張ってほしいです。
お灸をセルフケアに使いながら、体からストレス対策してください!
応援しています。