生理痛（月経痛）
そもそも生理痛とは
生理痛は、女性が月経(生理)期間に経験する一般的な痛みのことです。
月経血が子宮を出る際に起こる炎症や筋肉の収縮に起因しています。
生理痛の症状には下腹部の鈍い痛みやけいれん、腰痛、吐き気、頭痛、疲労感などが含まれます。
月経時に生じる痛みや不快感のうち、痛み止めを飲んだり、寝込んだりしなければならないなど、日常生活に支障をきたすほど症状の重いものを「月経困難症」といいます。
そのなかには子宮筋腫や子宮内膜症など、何らかの病気があって起こる「器質性月経困難症」と、はっきりした原因のない「機能性月経困難症」とに分けられます。
生理痛を放置するとダメな理由
「生理は痛くて当たり前」「生理は激しい痛みを耐えるもの」と思い込んで痛みにひたすら耐えている人もいます。
生理痛を放置することは、身体や心理的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
まず第一に、
激しい生理痛は日常生活に支障をきたし、効率的な仕事や学業、社交活動に影響を及ぼすことがあります。
これにより生活の質が低下する可能性があります。
さらに、
生理痛を無視することは、隠れた健康問題を見逃すことにもなりかねません。
子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫などの病気が生理痛の原因となることがあり、これらの問題が放置されると重大な合併症が発生することがあります。
毎回必ず薬を飲んでいたり、薬の量や回数が増えているなど、生理時の痛みが悪化してきているのは思わぬ病気のサインかもしれません。
痛みの程度などに変化があるようでしたら、婦人科の医師の診察を受けてください。
最後に、
生理痛は精神的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。
慢性的な痛みや不快感はストレスを増加させ、うつ病や不安症状のリスクを高めることがあります。
したがって、
生理痛を適切に管理し、必要に応じて婦人科の病院の助けを受けることは、生理痛で悩む女性の健康と幸福にとって重要です。
西洋医学(病院での治療)だけでは改善しないこともあり、東洋医学(鍼灸)と一緒になっての改善がお勧めになります。
東洋医学（鍼灸）からみる生理痛の原因
東洋医学(鍼灸)では、生理痛は気血の巡りが円滑でないことに起因すると考えられています。
生理痛をはじめカラダの痛みの主な原因は「気血水(き・けつ・すい)のめぐりがスムーズでないこと」にあります。
気の流れが滞ったり血の循環が悪くなることで、腹痛や頭痛、腰痛などの症状が現れるとされています。
東洋医学的には、気血水のバランスを整えることが生理痛対策として大切だとされています。
血液は身体のすみずみまで栄養や酸素を運び、また老廃物を排泄する大切な役割を担っています。
血液の流れが悪い状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。
生理痛は｢瘀血(おけつ)」が主原因であると考えられています。
ただし、
どうして瘀血状態になってしまうのかには、もう一段根本の原因があります。
それが「エネルギー不足(気虚)」、「気づまり(気滞)」、「冷え(寒邪)」などです。
この根本の原因が改善しないことには、瘀血体質も改善されません。
熱がこもって生理痛が起きるなどもありますが、代表的に以下の3つをご説明します。
気虚(脾虚)からの血瘀
脾胃が虚弱なために飲食物からエネルギーが作れなかったり、慢性疾患などによりエネルギー不足になっているケース。
血流を巡らせる力が不足し維持できなくなり(気虚血瘀)、生理痛を生じます。
【症状】
生理痛は鈍い痛み・重い痛み。温めると気持ち良い。月経血量は少なくて色は薄い。血塊が少ない。
ダルさやめまい、たちくらみが出やすい。
【使用経穴(ツボ)の例】
三陰交・足三里・中脘・関元・脾兪・次髎など
気滞(肝気鬱結)からの血瘀
ストレスや考えこみ過ぎなどにより肝気鬱結し気滞が生じているケース。
元々抑鬱しやすい性格があり、生理期や生理前後にホルモンバランスの変化とともに肝気がさらに抑鬱されます。
気が巡らなくなることで血も巡らなくなり(気滞血瘀)、生理痛を生じます。
【症状】
生理痛は強く、張った痛み・ちくちく痛み。
下腹部は触られると不快。
月経血は色が黒く、血塊が多い。
生理周期は毎回ずれる事が多い。
月経前の数日は胸が張って苦しい。イライラ、憂鬱、不安感、偏頭痛等も出やすい。
【使用経穴(ツボ)の例】
血海・太衝・陽陵泉・関元・膈兪・肝兪・次髎など
寒邪による血瘀
冷える環境での生活や冷える服装を続けたり、生ものや冷たいものを過食すると、寒邪にカラダが侵されます。
冷えると血流は滞ります(寒凝血瘀)。
また温める力の足りない人(陽虚体質)の人も同様です。
【症状】
生理は強い。激痛。温めると気持ち良い。
月経血は黒っぽく血塊が多め。
生理周期は遅くなりがち。
手足の冷えが強く、顔色が青白い。
【使用経穴(ツボ)の例】
血海・三陰交・関元・膈兪・腎兪・次髎など
以上のように、
体の状態もさまざまあり、その人なりの体質に合わせてツボを選択し、全身より施術していきます。
鍼灸は、良い体質になることで生理痛が出にくいカラダを作ることが目的です。
体質改善こそが一番の根本かつ近道です。
生理痛鍼灸のよくある質問と回答
Q: 生理痛って本当に鍼灸で治りますか？
A: はい、「あなたの生理痛が“絶対”に治ります」と確定的なことは申し上げられませんが、鍼灸院では多くの患者さんが生理痛の症状改善に成功しています。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の重さによりますが、通常は数週間から数ヶ月の継続的な治療が必要です。
Q: 鍼灸が生理痛改善にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、婦人科系の機能を改善するのに役立ちます。
Q: 施術後にどのような効果や変化が期待できますか？
A: 施術後、多くの患者さんが生理痛の軽減や周期の安定、不快な症状の減少を報告しています。
Q: 施術の頻度はどのくらいですか？
A: 施術の頻度は個別の状態によりますが、通常は週に1回が一般的です。
Q: 生理前に治療を受ける必要がありますか?
A: できるだけ生理前～生理中に治療することをおすすめします。ただし生理周期通じての継続治療が大切です。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 料金はどのくらいですか？
A: 初回はお試し部分鍼灸ですと2200円。2回目以降は全身鍼灸になり7700円です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 生理痛以外の症状も同時に治療できますか？
A: はい、他の症状や不調も同時に治療できます。
不妊・肩こり・頭痛・腰痛・自律神経失調症・冷え・ストレスなど、複数の不調に同時並行して治療します。
生理痛への鍼灸の論文・研究
国内外の研究でも生理痛の鍼灸灸は有効性を確かめられています。
●1987年の報告では、月経3周期間に、効果的な場所への鍼治療群と効果の見込めない場所への鍼治療群と何もしない群と治療者が訪問するだけの群の4つに分け比較した結果、真の鍼治療群では90.9％が改善。鍼治療終了後も今まで使っていた鎮痛薬が41％削減。
（『原発性月経困難症の管理のための鍼治療』Acupuncture for management of primary dysmenorrhea.Obstet Gynecol,1987）
●2007・2008・2010年の論文を比較した研究では、真の鍼治療群と偽鍼治療群では有意な差はなかったが、鎮痛薬や漢方薬と比較では鍼治療の方が改善していた。
（『月経困難症の鍼治療』Acupuncture for dysmenorrhea (Review).The Cochrane Database Syst Rev,L 2011）
当鍼灸院でも、あなたの生理痛を改善に導くために最大限の施術をさせていただきます。
