卵子の質を良くするツボ
卵子の質を高めるツボ
「なかなか妊娠しない…もしかして、卵子の質が関係している?」
近年、晩婚化が進み、30代後半から40代で妊活を始める方が増えています。
それに伴い、「卵子の質」という言葉を耳にする機会も多くなりました。
西洋医学では明確な基準がないため、対策が難しいとされる卵子の質ですが、東洋医学、特に鍼灸の視点から見ると、体質改善を通して質の向上をサポートできる可能性があります。
卵子の質とは?数値で測れない、妊娠の鍵
「卵子の質」とは、卵子が受精する能力、そして受精卵が正常に発育する能力を指します。
西洋医学では、卵子の質を直接測る明確な指標はありません。
しかし、体外受精などの高度生殖医療の現場では、卵子の状態が受精率や着床率に影響することが知られています。
一方、東洋医学では、目に見えない「気・血・水」の流れやバランスを重視します。
「質」という概念は、まさに東洋医学が得意とするところ。
卵子を取り巻く環境、つまり身体全体のバランスを整えることで、卵子の質を高めることができると考えています。
卵子の数と質
女性は、生まれたときから卵子の元となる「原始卵胞」を持っています。
その数は、胎児期がピークで、成長とともに減少し、月経が始まる頃には約20~30万個、そして閉経時にはほぼゼロになります。
卵子の「数」は年齢とともに減少していきますが、「質」もまた、年齢とともに変化します。
とくに35歳を過ぎると、卵子の染色体異常の発生率が高まると言われています。
これは、受精卵がうまく育たず妊娠に至らなかったり、流産につながる原因の一つです。
東洋医学が考える、卵子の質低下の原因
東洋医学では、卵子の質低下の背景には、身体全体のエネルギー不足や血流の滞りがあると捉えます。
卵子を育てる「卵胞」は、栄養と酸素(=気血水)で満たされていることで、良質な卵子を育てます。
しかし、エネルギー不足や血流の滞りがあると、卵子に十分な栄養が行き渡らず、質が低下してしまうのです。
具体的には、以下の3つの要因が考えられます。
エネルギー(栄養)不足:
食べたものからエネルギーを作り出す胃腸の機能が低下していると、卵胞に十分な栄養を送ることができません。
冷えによる血流の悪化:
冷えは血流を阻害し、卵胞への栄養供給を妨げます。
ストレスによる血流の悪化:
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、血管を収縮させて血流を悪化させます。
卵子の質を高めるための生活習慣
鍼灸治療と並行して、日々の生活習慣を見直すことも、卵子の質を高める上で非常に重要です。
以下の点を意識してみましょう。
質の高い睡眠:
睡眠中に分泌されるホルモンは、卵子の成熟にも関わっています。
バランスの取れた食事:
栄養バランスの良い食事は、身体全体のエネルギーを高め、卵子の質向上にもつながります。腹八分目を心がけ、胃腸への負担を減らすことも大切です。
適度な運動:
適度な運動は血行を促進し、新陳代謝を高めます。
リラックスする時間:
ストレスを溜め込まず、リラックスする時間を持つことは、自律神経のバランスを整え、血流を改善します。
身体を温める:
冷えは血流の大敵です。身体を温めることで、卵胞への血流を促進します。
卵子の質を良くするツボ
ご自宅で手軽にできるお灸は、卵子の質を高めるための心強い味方です。
以下のツボにお灸をすることで、卵巣や子宮の血流を促進し、卵子の質向上をサポートします。
基本のツボ
三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしから指4本分くらい上。
婦人科疾患全般に効果的なツボ。
気海(きかい)
おへそから指2本分くらい下。
気を補い、血行を促進するツボ。
腎兪(じんゆ)
背中、ウエストの一番くびれた高さで背骨から指2本外側。
腎の機能を高め、水分代謝を整えるツボ。
冷えが強い人に追加のツボ
気端
5本すべての足指の先端。
(ここはお灸ではなく)足の指の先端をつまんでマッサージを行うこと。
足湯や湯たんぽなどで、足先を温めても良いです。
血海(けっかい)
ももの内側、ひざのお皿から指4本分くらい上。
血行を促進し、冷えを改善するツボ。
照海(しょうかい)
内くるぶしのすぐ下。
冷えによる婦人科系の不調に効果的。
ストレスが強い人に追加のツボ
合谷(ごうこく)
手の甲で親指と人さし指の間。
ストレスによる緊張を緩和。
太衝(たいしょう)
足の甲、親指と人差し指の間。
気の流れを整え、イライラを鎮める。
胃腸が弱い人に追加のツボ
陰陵泉(いんりょうせん)
膝の内側、脛骨の内側のくぼみ。水分代謝を改善し、身体の重だるさを解消。
足三里(あしさんり)
すねの外側、膝のお皿の下から指4本分下。
胃腸の働きを整え、水分代謝を促進するツボ。
ツボを自分で探す時のコツ
より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。
ツボの基本位置を確認
鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。
押して探す
だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。
体の反応をみる
ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。
ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。
せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点
ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。
「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。
せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。
せんねん灸の使い方
種類を選ぶ
「せんねん灸」には様々な種類があります。
「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。
ツボの場所を決める
どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。
準備
お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。
台座の裏紙を剥がす
「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。
もぐさに点火
巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。
皮膚に据える
火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。
取り外す
使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。
お灸をする上での注意事項
・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。
・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。
・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。
・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。
・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。
・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。
・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。
上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
セルフケアのツボ押しの方法と注意点
ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。
ツボ押しの方法
リラックスできる環境を整える
静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。
ツボの位置を確認
書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。
指の腹で押す
親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。
適度な力で押す
「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。
時間をかけて押す
1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。
呼吸を意識する
力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。
温めてから行うと効果的
入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。
ツボ押しをする上での注意事項
・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。
・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。
・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。
・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。
・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。
・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。
・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。
・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。
上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
鍼灸院での本格的な不妊鍼灸
セルフケアも大切ですが、鍼灸院での本格的な施術は、体質改善をより深く、効果的に進めることができます。
当院では、丁寧な問診で患者様のお身体の状態を詳しく把握し、脈診、舌診、腹診などの東洋医学的な診断法を用いて、お一人おひとりに合わせたオーダーメイドの施術を行います。
使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんどありません。
お灸も心地よい温かさで、リラックスして施術を受けていただけます。
当院の鍼灸治療では、全身のツボ(経穴)を刺激することで、気血水の流れを整え、卵巣や子宮への血流を促進し、卵子の質を高めることを目指します。
また、自律神経のバランスを整え、ストレスによる影響を緩和することで、心身ともに健康な状態へと導きます。
もしあなたが、なかなか妊娠しない・卵子の質が気になっている・体質改善を通して妊娠力を高めたい、…とお考えでしたら、ぜひ一度、当院の鍼灸治療をお試しください。
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