鍼(はり)と艾(もぐさ)
鍼と艾
↑展示用ハリとモグサ。手作り感いっぱいに作ってみました(^^)/
鍼(はり)
鍼と言えば「縫い針」のような形状のものを想像されると思います。
毫鍼(ごうしん)と呼びますが、確かにそのようなカタチの鍼が最もよく使われます。
…が、正確には全く異なる形状の「鍼器具」が数種類あります。
皮膚をこするタイプのモノや、皮膚をちょっと切って1滴ほど血を出すような使い方をするタイプもあります。
まぁ今回は、一番オーソドックスな毫鍼(ごうしん)について書きます。
基本的には「材質」「長さ」「太さ」の区別があります。
鍼の材質は、金や銀もありますが、普通は『ステンレス』です。
鉄にクロムやニッケルを混ぜてさびにくくした鍼です。
硬いので、刺入しやすく折れにくいのが特徴で、その反面刺したときの痛みが発生しやすいです。
腐食しにくい。
なんと言っても安いので、使い捨て鍼として多く製造販売されている。
日本中で使われている鍼と言えば、基本これ。
鍼の長さは、1㎝から10㎝くらいが一般的でしょうか。
使い捨てタイプが販売されていることから、そのくらいが一般的と判断します。
多くの鍼灸師が3~6cm程度をよく使うのではないでしょうか。
当院は4㎝です(別名1寸3分と言います)。
たとえ数mmしか刺さなくても4㎝くらいの鍼を使うのは、手に持ちやすいからです。
1㎝の鍼は、私の手には短すぎて逆に扱いづらかったりします。
鍼の太さは、直径0.1mm~0.24㎜程度が一般的でしょうか(00番から5番です)。
ちなみに髪の毛の直径は0.05mm~0.15mmの範囲と言われていますので、細めの鍼なら髪の毛相当の太さとイメージしていただければ結構かと思います。
鍼灸院で「鍼は髪の毛ほどの細さです」は、常とう句ですね(笑)
細い鍼は刺激がソフトですが曲がりやすいので扱いづらく、太い方が安定していますが刺さった時の刺激感が大きいので不快に感じる患者さんも増えます。
自分の施術スタイルと患者さんの層などのバランスで、鍼灸師は最適な太さを選択しています。
当院では0.16㎜(1番鍼)をよく使います。
一般的にも「細い部類」に入ると思います。
当院では「ソフトな刺激でしっかり効かせたい」を掲げています。
艾(もぐさ)
モグサはヨモギの葉から作られます。
ヨモギの葉を採集し、臼でつき、篩にかけ、陰干しする工程を繰り返して作られます。
それを丁寧に繰り返すほどに上質なモグサになります。
上質なモグサは色が黄色できれいです。
不純物が多いほどに茶色ががってきます。
お灸(点灸)用に使用されるモグサは、多くの手間暇がかかるため、高いです。
高級品ほど、点火しやすく、火力が安定して穏やかでお灸に最適です。
香りも心地よいです。
当院でも、点灸用には最上級品を使います。
もう少し安価な不純物が多いモグサは灸頭鍼や温灸につかわれます。
これはこれで使い方なので、たっぷり使うのはもってこいです。
まぁ当たり前に、患者さんは道具については知らなくてよいのですが、色々な道具を駆使しながら鍼灸施術を行っていることをアピールしたくこのような記事を書きました(^^)/