インフルエンザに良い漢方薬とツボ

インフルエンザに効く漢方薬とツボ

インフルに効く漢方薬とツボ・写真1
インフルエンザ流行の季節です。
鍼灸にみえる患者さんからも「子供がインフルになったので予約の日に行けない」などの連絡を受けることも出てきました。
幼稚園や学校の学級閉鎖などの声も聞こえてきます。

今回はインフルエンザの予防とかかってしまった時の漢方薬とツボについて説明します。

インフルエンザの東洋医学でのみたて

インフルに効く漢方薬とツボ・写真2
インフルエンザは、西洋医学ではウイルス感染による急性呼吸器感染症と捉えられます。
東洋医学では、体内のバランスが崩れた状態、すなわち「邪気」が体内に入り込み、それが原因で起こる症状と理解されます。

東洋医学における「邪気」とは

東洋医学で言う「邪気」とは、ウイルスや細菌といった病原体だけでなく、寒さ、暑さ、湿気など、体内に悪影響を与えるすべてのものを指します。
インフルエンザの場合は、インフルエンザウイルスが体内に侵入し、体内のバランスを乱す「邪気」として捉えられます。

インフルエンザと東洋医学

インフルエンザの主な症状である、高熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などは、東洋医学では「外感」と呼ばれる、体外から侵入した邪気が体内に影響を与えている状態と考えられます。
とくに、悪寒、発熱、頭痛などの症状は、邪気が体内に侵入し、経絡を阻んでいることを示唆しています。

東洋医学では、個々の症状や体質に合わせて、体内のバランスを整え、邪気を体外へ追い出すことを目指します。

西洋医学がウイルスという具体的な病原体を標的とするのに対し、東洋医学は、個々の体質や症状を総合的に捉え、体全体のバランスを整えることを重視します。
病気へのとらえ方と、患者さんのカラダの診方、そして対処法の切り口が異なります。

これはどちらが良い悪いではないです。
西洋・東洋とどちらかだけで対処するのではなく、東洋医学と西洋医学を併用してより効果的な治療をするのがベストだと考えます

インフルエンザに効く漢方薬

インフルに効く漢方薬とツボ・写真3
インフルエンザに罹ったのは同じでも、患者さんの体質や症状により効果的な漢方薬は異なります。
体質によって状態が異なり、適切な漢方薬を選ぶことが重要です。

以下に、代表的な体質別の状態と、その状態に合わせた漢方薬の例を挙げます。

熱が強く、汗をかきにくい体質

症状: 高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛が強く、汗が出にくい。

おすすめの漢方薬: 麻黄湯(まおうとう)

麻黄湯は、発汗作用を促し、体内の熱を冷まし、邪気を体外に排出する働きがあります。

熱はあるが、汗をかきやすい体質

症状:高熱、微熱が続き、汗をたくさんかく。

おすすめの漢方薬:銀翹散(ぎんぎょうさん)

銀翹散は、発熱、喉の痛み、リンパ腺の腫れなどに効果があり、体内の熱を冷まし、解毒作用があります。

寒気が強く、体がだるい体質

症状:悪寒や寒気が強く、体がだるい、食欲不振。

おすすめの漢方薬: 葛根湯(かっこんとう)

葛根湯は、発汗作用、解熱作用があり、体の表面の寒気を散らし、内臓を温める働きがあります。

咳が長く続く体質

症状:咳が長く続き、痰が切れにくい、喉が痛い。

おすすめの漢方薬:麦門冬湯(ばくもんどうとう)

麦門冬湯は、肺を潤し、咳を鎮める働きがあります。

以上、インフルエンザの際によく使われる漢方薬でした。
選ぶ際の注意点としては、体質は一人ひとり異なるため、上記はあくまで一般的な例だということ。
漢方薬を選ぶ際は、必ず専門家に相談しましょう。

症状の変化に応じて、処方される漢方薬も変わることがあります

また、西洋医学の治療と併用することで、より効果的にインフルエンザを治療できる場合があります。

インフルエンザに効果的なツボ

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東洋医学では、体質や症状に合わせてツボを刺激することで、症状の緩和や回復を早めることができます。
以下に、代表的な体質別の症状と、効果的なツボを3つずつご紹介します。

熱が強く、汗をかきにくい体質

症状:高熱、頭痛、筋肉痛が強く、汗が出にくい。

効果的なツボ:
・大椎(だいつい)
・曲池(きょくち)
・少商(しょうしょう)

どれも熱を取る作用が強いツボです。

熱はあるが、汗をかきやすい体質

症状:高熱、微熱が続き、汗をたくさんかく。

効果的なツボ:
・肺兪(はいゆ)
・尺沢(しゃくたく)
・復溜(ふくりゅう)

どれも免疫力を高め、自己治癒力を補う作用が強いです。

寒気が強く、体がだるい体質

症状:悪寒・寒気が強く、体がだるい、食欲不振。

効果的なツボ:
・足三里(あしさんり)
・三陰交(さんいんこう)
・湧泉(ゆうせん)

どれも弱った体のエネルギーを補うことを狙ったツボです。

咳が長く続く体質

症状:咳が長く続き、痰が切れにくい、喉が痛い。

効果的なツボ:
・肺兪(はいゆ)
・尺沢(しゃくたく)
・大椎(だいつい)

どれも肺の機能を助け、咳を鎮め呼吸をスムーズにする作用があります。

以上、
インフルエンザの症状は人それぞれなので体質や症状に合わせてツボを刺激することで、症状の緩和に役立ちます。
漢方薬や西洋医学との併用もおすすめです。

インフルエンザ予防におススメの生活習慣

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コロナ禍を経た我々からすれば、すでに「当たり前の知識」かもしれませんが、「分かっていてもついつい無理をしてしまう」のも我々のサガです。
今一度、インフルエンザ予防に良い生活習慣をご紹介します。

バランスの取れた食事

様々な栄養素をバランス良く摂取することで、免疫細胞が活性化し、ウイルスに対する抵抗力を高めます。
十分な栄養を摂ることで、日々の生活で必要なエネルギーを補い、体力維持につながります。

十分な睡眠

睡眠中に免疫細胞が活性化し、ウイルスに対する抵抗力を高めます。
睡眠不足はストレスの原因となり、免疫力を低下させる可能性があります。

適度な運動

運動によって血行が促進され、免疫細胞が体内に巡りやすくなります。
運動はストレス解消にも効果があり、免疫力を高めることに繋がります。

うがい手洗いの徹底

のどや口内、手に付着したウイルスを洗い流すことで、感染リスクを大幅に下げることができます。
感染している人が手を洗うことで、周りの人にウイルスを感染させるリスクを減らせます。

これらの生活習慣を心がけることで、インフルエンザにかかりにくく、万が一かかってしまった場合でも、症状を軽く済ませることができます。

これ以外にもいくつもありますよね。
・こまめな水分補給
・室内の湿度を適切に保つ
・人混みを避ける
・人が多い場所ではマスクを着用する
…など。

インフルエンザ予防には、ワクチン接種はもちろん、日々の生活習慣の見直しが重要です。
健康にも留意した毎日を送りましょう。

ご自身の体質や生活習慣に合わせて、無理なく続けられる予防対策を検討してみてください。

セルフケアのお灸のすすめ

インフルにしろ風邪やコロナにしろ、かかってからよりもかからないのが一番。
そのためにできるのが予防。
生活習慣を整えるのが一番大事ですが、インフル予防のプラスアルファは「セルフケアのお灸」です

その記事を以前書きましたのでご紹介します。

風邪・インフルエンザ予防のツボ