逆流性食道炎
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して食道に炎症を起こす病気です。
胸が焼ける感じ、酸っぱいものが上がってくる、食後に胸やみぞおちのあたりが痛い、というのが主な症状です。
ノドまで胃酸が逆流してきた場合、ノドの違和感や、喘息のような咳症状が出ることがあります。
食道と胃のつなぎ目には筋肉があります。
食物が通過するときだけ開き、それ以外の時は胃の入口を締めて内容物が食道に逆流しないように働いています。
この筋肉が緩むと胃から食道への逆流が起こるようになります。
この筋肉が緩む原因としては、
加齢による変化、食べ過ぎ、早食い、肥満、衣服による締め付け、高脂肪食などがあります。
西洋医学(病院)では、
症状からある程度は診断がつけられますが、正確に調べるには胃カメラを行います。
逆流性食道炎の治療は、大きく2つあります。
・生活習慣の改善
早食いや暴飲暴食を避けること、肥満の方は体重減少を、便秘解消を行うことが大切になってきます。
また食後2～4時間は食べ物が胃に残っているのでその間は横にならないようにします。
・内服薬
胃酸分泌を抑える薬を飲みます。
また、胃腸の運動を促進させる薬や不安を和らげる薬などが処方されることもあります。
慢性的に続く逆流性食道炎で薬でもなかなか症状が落ち着かない場合、東洋医学(鍼灸)を試してください。
鍼とお灸という、薬を使わない方法ですので、症状が軽減されれば減薬もできます。
逆流性食道炎と鍼灸
東洋医学(鍼灸)では、「気・血・水」の量と巡りが適切だと健康でいられ、いずれかに過不足や滞りがあると症状となると考えます。
逆流性食道炎は、体の内臓(五臓六腑)のおもに「肝」と「胃」にある気血水の乱れによるものと考えます。
「肝」とは自律神経系と関係が深く、ストレスの影響を受けやすい機能です。
「胃」とは飲食物の消化をする器官です。
逆流性食道炎でもどういうツラさが目立つのかで、どこにどのような不調があるかわけられます。
喉のつまりタイプ
喉(のど)に異物がへばりついていて取れない違和感がある時や、咳やしわがれ声などの症状が目立つ人。
肝の気が滞っている(肝うつ)タイプです。
気の流れを良くすることで胃腸の流れも良くします。
このタイプの人は、気分がふさぐ様な感じや不安感がある人も少なくないです。
肝うつを緩和するツボを選んでいきます。
【代表的なツボ】
天突・膻中・合谷・豊隆など
胸やけ・げっぷタイプ
逆流してくる感じやゲップ、胸焼け症状が強い人です。
お腹がゴロゴロ鳴り、時に消化不良で下痢をする様な方にも使います。
口内炎ができやすいなどもあります。
肝と胃の気の滞りが熱化した状態とみますので、それらを緩めるツボを選びます。
【代表的なツボ】
不容・膻中・合谷・内関・太衝など
胃もたれタイプ
逆流症状以上に胃もたれや食欲不振が強い人です。
やせ型の体系の人に多いです。
胃腸の気が弱っている状態です。
エネルギー(気)が足りないので胃の流れが悪くなっているとみます。
胃に水が溜まってポチャポチャ音がします。
疲れやすい、食後すぐ眠くなる、手足が冷えるなどの症状も出やすいです。
胃の気を補い胃の内容物を腸へ送り出す作用を促進させるツボを選びます。
【代表的なツボ】
中脘・膈兪・脾兪・足三里・手三里など
吐き気やイライラタイプ
口が乾く、食べたくない、吐き気があるなどが目立つ人です。
肝の気が滞っている(肝うつ)状態で起こります。
暑がりの寒がりや、イライラしやすい、わき腹が張ったような痛みがあるなどが出やすいです。
肝の気を巡らせ、肝胆経というエネルギーの流れのルートを巡らせるツボを多く選びます。
【代表的なツボ】
太衝・陽陵泉・膈兪・肝兪・胆兪・外関など
以上のように、
実際の鍼灸施術は患者さんのタイプにあわせた施術方針になってきます。
虚している(エネルギー不足)なら補う効果のあるツボを選びます。
滞っているなら、巡りを促進する効果のあるツボを選びます。
このようなツボは全身(手足・首肩・お腹・背中など)にありますので、全身から最適なツボを選択して施術し、逆流性食道炎の軽減につなげていきます。
逆流性食道炎鍼灸のよくある質問と回答
Q: 逆流性食道炎って本当に鍼灸で治りますか？
A: はい、軽いものであればしっかり癒えます。
元々の胃腸の弱さや過度なストレス・過労などがある状態ですと改善が難しいですが、症状の緩和や改善を目指すことができます。
「あなたの症状が“絶対”に治ります」と確定的なことは申し上げられませんが、鍼灸院では多くの患者さんの症状改善に成功しています。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の重さによりますが、通常は数週間から3ヶ月の継続的な治療が必要です。
Q: 鍼灸が不安改善にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的ですので、自律神経機能を整えて胸やけや胃痛改善に役立ちます。
Q: 施術の頻度はどのくらいですか？
A: 施術の頻度は個別の状態によりますが、通常は週に1回が一般的です。
Q: 薬と鍼灸治療は併用できますか？
A: はい、薬と鍼灸治療は併用することができます。
ご不安な場合は医師の指示を仰いでください。鍼灸は西洋医学と互いに補完しあう療法として相乗効果が期待できます。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
安全性が高く、副作用の心配はほとんどありませんが、個人によっては軽度の赤みや内出血が現れることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
初回の施術後から体調の変化を感じる方もいらっしゃいますが、持続的な改善のためには継続的な治療が必要です。
Q: 逆流性食道炎以外の症状も同時に治療できますか？
A: はい、他の症状や不調も同時に治療できます。
肩こり・頭痛・便秘下痢・慢性疲労・ストレス・婦人科疾患など、複数の不調に同時並行して治療します。
