眼圧を下げるツボ

眼圧を下げるセルフケア

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眼球の内側の圧力を調整する液体は、常に一定の圧力を保ちながら循環しています。
この圧力こそが「眼圧」と呼ばれるものです。
眼圧は低すぎても高すぎても、目の健康にとって好ましくありません。

とくに、眼圧が高すぎる状態が続くと、眼の奥にある視神経が圧迫を受け、視機能に重大な障害を引き起こす可能性があります。

眼圧が高い状態、特に急激な眼圧上昇や長期間にわたる高眼圧は、視神経に深刻なダメージを与えます。

視神経は、目で見た情報を脳に伝える重要な役割を担っています。
この視神経が損傷を受けると、視野が狭くなったり、視野の一部が欠けて見えなくなったりする「緑内障」を発症するリスクが高まります。

緑内障は進行性の病気であり、放置すれば失明に至る可能性もあるため、早期発見と適切な治療が不可欠です。

高眼圧と診断された方、緑内障の疑いがあると指摘された方、または緑内障と診断された方は、眼科での定期的な検査と治療を継続することが最優先です

しかし、病院での治療に加えて、ご自身でできるセルフケアを取り入れることで、眼圧の管理や緑内障の進行抑制に役立つ可能性があります

鍼灸院だからこそ伝えられるセルフケア

セルフケアで効果的な眼病対策のツボは、「目の周囲」「頭部」、そして「手足」に集中しています。
これらの部位を適切に刺激することで、血行促進、筋肉の緊張緩和、自律神経の調整などの効果が期待でき、眼圧の安定に繋がります。

目の周囲のケア

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目の周囲には多くのツボが存在しますが、一つ一つの正確な位置を覚える必要はありません。
大切なのは、目の周りを優しくマッサージすることで、血行を促進し、目の疲れを和らげることです。

マッサージ方法:
親指や人差し指の腹を使って、目の周りの骨の縁を優しく円を描くようにマッサージします。
とくに、眉毛の下、目の下、目尻のあたりを丁寧に刺激しましょう。

注意点:
眼球(目玉)は絶対に押さないでください。
刺激するのは、眼球より外側の骨の縁や眉毛のあたりです。
強く押しすぎないように注意してください。
目の周囲はデリケートな部分ですので、力を入れすぎると逆効果になることがあります。
「気持ちが良い」と感じる程度の力加減で優しく刺激しましょう。

不安がある場合は、目の周囲のケアは控え、後述する頭部や手足のケアを中心に行うことをお勧めします。

頭部全体のケア(とくに側頭部)

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頭部にも目に良いとされるツボが多数存在します。
ここでは、特定のツボを意識するよりも、頭部全体、特に側頭部を優しくマッサージすることで、血行を促進し、目の疲れや眼圧の上昇を抑える効果を期待します。

マッサージ方法:
両手の2・3・4指の3本を側頭部に当て、大きく円を描くように優しくマッサージします。
少し痛気持ち良いと感じる場所があれば、そこを重点的に揉むのも良いでしょう。

頭皮のブラッシング:
頭皮を優しく撫でるようにブラッシングするのも効果的です。
髪の生え際から頭頂部にかけて、ブラシで10回程度優しく梳かします。
力任せにゴシゴシとこするのではなく、「痛気持ち良い」と感じる程度の力加減で行いましょう。
とくに「刺激がはっきりする場所」や「気持ち良さが強い場所」は、少し多めにブラッシングすると効果的です。

手足のツボ

手足にあるツボを刺激することも、眼圧の調整に役立ちます。
ここでは、とくに効果的な3つのツボをご紹介します。

合谷(ごうこく)

手の甲にあります。
親指と人差し指の骨が交わる所です。
軽く手を開いた状態では、谷間のように凹んでいることが多いです。

太衝(たいしょう)

足の甲にあります。
足の親指と人差し指の骨が交わる所です。

光明(こうめい)

足の外くるぶしから指7本分上がった骨際の場所です。

これらのツボは、指圧だけでなく、市販のせんねん灸などを使ったセルフお灸も効果的です。

以上のセルフケアは、眼圧が正常値であるにもかかわらず緑内障を発症している「正常眼圧緑内障」の方にもお勧めできます。

また、緑内障の治療を受けているものの、薬だけでは眼圧が十分に下がらないとお悩みの方や、眼科の治療以外に緑内障に良い方法を探している方にも有効です。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

当鍼灸院の緑内障治療

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セルフケアはたしかに体に変化を与えます。
しかし、セルフケアだけで体の体質改善を行うのは限界もあります。

当院では、緑内障に対する鍼灸治療も行っております。
週1回程度の治療院での施術と、ご自宅でのセルフケア(ツボ押しやお灸)を組み合わせることで、より効果的な眼圧管理と緑内障の進行抑制を目指します。

当院の鍼灸治療では、東洋医学の考えに基づき、全身のツボ(経穴)を使って全身からアプローチします。
体質改善こそが病気治療には重要であると考えており、鍼は痛くなく、お灸は熱くなく、心地よく効果を感じていただける施術を心がけています。

時間をかけて患者様のお話を丁寧に伺い、わかりやすく説明いたします。どんな些細なことでもお気軽にご質問ください。
緑内障でお悩みの方、眼圧が気になる方は、ぜひ一度当鍼灸院にご相談ください。

当院の施術とご自宅でのセルフケアを組み合わせることで、目の健康を維持し、より快適な生活を送るお手伝いをさせていただきます。

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