飛蚊症
飛蚊症とは
飛蚊症(ひぶんしょう)とは、糸くずや虫や屑が浮かんでいるように視える目の疾患です。
明るい所や白い壁、空を見あげた時に、目の前に浮遊物が見えます。
視線を動かしても一緒に移動してくるように感じます。
見える場所は視界の中心部が多いようですが、なかには端の方に見えるという人もいます。
見える数についても、人によって異なり、1つだけの人もいれば、複数見える人もいます。
目の中の水晶体や硝子体が濁ってきたり、視えた物体の象を結ぶところの網膜にゆがみができたり傷ついたりすることが原因とされます。
飛蚊症は、加齢によるものが比較的多いです。
ですので、眼科でも「加齢によるものなので治療は無い」と言われてしまうことも少なくありません。
しかし、他の病気や症状からきている場合もあります。
・白内障や緑内障
・硝子体出血や眼底出血
・網膜剥離や網膜裂孔
・加齢黄斑部変性症の前兆
・糖尿病性網膜症
・ぶどう膜炎
…などです。
そのまま放置していると、失明につながる場合もあります。
まずは、飛蚊症が気になったらできるだけ早い段階で眼科を受診しましょう。
そこで検査を受けて、大きな病気ではなくこれ以上治療はないとなった際は、東洋医学(鍼灸)も活用してみてください。
西洋医学とは違う働きで、体を健全な方向に変化させていく力があります。
飛蚊症と鍼灸
加齢・目の使い過ぎ・ストレスがおもな原因の飛蚊症は、「生活習慣病」と言ってもよいかもしれません。
このような症状に鍼灸(東洋医学)による体質改善がとても効果があります。
東洋医学(鍼灸)では、全身の「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の量とめぐりがしっかりしていると健康でいられ、それらが乱れることで病気(症状)が出てくると考えています。
飛蚊症は、五臓六腑の「肝(かん)」「脾(ひ)」「腎(じん)」での気血水の状態の異常と考えます。
何らかの原因でこれらの臓腑の働きがうまくいっていないから飛蚊症が現れていると考えます。
つまり、目の症状といえども、体全体のバランスの乱れに真の原因があると考えるわけです。
体質改善をして飛蚊症などの目の疾患を治していきます。
飛蚊症は、
「気血両虚」や「肝気鬱結」「肝腎陰虚」がおもな原因と考えています。
気血両虚
体に活力と栄養を与えるのが気血で、その両者が不足した状態です。
・元気がない(疲れやすい)
・顔色につやがない
・爪がもろい
・風邪をひきやすい
・眠りが浅い
・声が小さい
…このような症状もあわせ持つタイプです。
体全体のエネルギー不足ですので、気血を補う作用のあるツボを多く使います。
【代表的なツボ】
足三里・三陰交・中脘・膈兪・脾兪
肝気鬱結
全身の気の巡りが悪い状態で、とくに精神的な鬱屈から肝の気の巡りに異常が起こっている状態です。
精神的なストレスなどが原因で肝の気の流れが滞り、血流調節や自律神経調節などが低下して、イライラや落ち着かないなどの情緒不安定、不眠といった精神的な症状が現れます。
・精神疲労
・急に疲れたりする
・イライラやゆううつ感が強い
・目の疲れ
…このような症状も併せ持つタイプです。
体の気の巡りを促進するツボを多く選びます。
【代表的なツボ】
太衝・陽陵泉・合谷・肝兪・風池
肝腎陰虚
目と関連の深い肝と体の元気に関係の深い腎の両方の働きが低下し、体を潤す水分が不足した状態です。
・のぼせやほてりがある
・口が乾く
・足腰がだるい
・めまいや耳鳴りがある
・顔面紅潮
・目の疲れやかすみなどがある
…このような症状も併せ持つタイプです。
肝と腎の働きを高め、水分を補う作用の強いツボを使います。
【代表的なツボ】
復溜・照海・肝兪・腎兪
以上のように、
鍼灸治療では、タイプ別に使うツボを分けて、それぞれに効果的なツボを選びます。
使うツボの場所は全身にあります。
目に効くからと言って目の周辺にあるわけではなく、腕・足・背中などにもとても有効なツボがそろっています。
飛蚊症鍼灸のよくある質問と回答
Q: 飛蚊症って本当に鍼灸で治りますか？
A:はい。
白髪を黒々とはかえられないように、加齢が原因の飛蚊症を完全に無くすことは難しいですが、影の緩和に努めます。
鍼やお灸を用いて、目の周りの筋肉の緊張を緩和し、血液循環を促進することで、目の疲れや不快感を軽減します。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から数ヶ月の継続的な治療が必要です。
個別には初回施術後にお伝えします。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が飛蚊症にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、眼筋のコリや痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 施術後にどのような効果や変化が期待できますか？
A: 施術後、多くの患者さんが首肩コリの軽減や視界がクリアになる・スッキリする、不快な症状の減少を報告しています。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 飛蚊症以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、肩こり、頭痛、不眠、自律神経失調症、冷え、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 施術の頻度はどのくらいですか？
A: 施術の頻度は個別の状態によりますが、通常は週に1回が一般的です。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
飛蚊症でお悩みの方へ院長より
当院の鍼灸治療は痛みをガマンしてもらう治療ではないので、逆に気持ちがいい感じがすると思います。
ご不安ないように進めていきます。
長時間スマホやPCを見る今日、誰しもが「飛蚊症」になる可能性があります。
疲れ目が続き、根気が続かなくなったり、頭痛がする――。
でも、本当は単なる目の疲れではないのです。
実は「飛蚊症」の原因は、
目だけでなく全身的な過労やストレスにあるのではないでしょうか。
長期にわたる仕事や家事、子育てなどが重なり、自律神経が乱れがちになります。
すると目だけでなく、腰や肩、頭も痛くなったりします。
20年以上、患者さんの訴えを丁寧に聴き、全身を探る鍼灸によって、本当の原因(体質)から施術することの重要性に気づきました。
ある女性患者さんの例では、眼精疲労だけでなく、子育てストレスでの自律神経失調が原因でした。
鍼灸で自律神経を整えると、眼だけでなく全身の疲れが和らぎました。
西洋医学の治療だけでなく鍼灸も試してみたいと思われたらお気軽にお問合せいただければと思います。
少しでもお困りの症状が軽くなるような身体作りのお手伝いをしたいと考えています。
