線維筋痛症（FMS）
線維筋痛症とは
線維筋痛症（FMS）は、全身に痛みが3ヶ月以上慢性的に生じる病気です。
体のあちこちの広い範囲が痛み、強いこわばり、強い疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多様な症状がでます。
西洋医学的な検査（血液検査・MRI・CT・筋電図）を行っても異常が認められず、西洋医学では決定的な治療法が確立されていません。
そのため西洋医学的治療では症状改善が難しい病気のひとつです。
炎症に基づく痛みではないので、痛み止め薬（消炎鎮痛薬）がほとんど効きません。
線維筋痛症の原因はいまだ不明です。
ただし、末梢神経からの痛み刺激を脳に伝える経路が異常に活性化すること（＝痛みを感じやすくなる）。
さらには脳から末梢神経への痛みを抑える経路にも障害が起こること（＝痛みを抑える働きが弱い）。
これらより痛みが増幅されてしまうことが原因と考えられています。
「病院（西洋医学）だけでなく何かできることはないか？」と考えた時には鍼灸（東洋医学）を試してください。
東洋医学の強み｜自然治癒力を引き出す施術
西洋医学は、「症状を抑えること」が得意です。
例えば、頭痛なら痛み止め、炎症なら抗生剤といった具合に対処します。
一方、東洋医学は「症状の原因となる体質」に着目し、体全体のバランスを整える「体質改善」を目指します。
頭痛ひとつとっても、血流の滞り・冷え・ストレスなど原因はさまざま。
鍼灸は、その人に合ったツボを刺激し、本来の治る力を引き出します。
不調の原因は目に見える症状だけではなく、体の内側のバランスの乱れにあります。
例えるなら、私たちの体は、大河を流れる水のようなもの。
血液や気（エネルギー）が滞りなく巡ることで、健康という豊かな流れが保たれます。
しかし、ストレスや不規則な生活習慣によって、川のどこかに泥や石が溜まり、水の流れが悪くなってしまうことがあります。
それが体の不調として現れるのです。
鍼灸は、川の流れを整える水路の管理人のようなもの。
滞った部分を取り除き、スムーズな流れを取り戻すことで、体全体が元気に機能するように導きます。
東洋医学は、2千年の経験値を持つ体質改善の医学です。
鍼灸では「脈・舌・お腹」を診て、気・血・水の流れを察し、ツボ（経穴）に刺激を与えることで、全身の調和を取り戻します。
線維筋痛症と鍼灸
繊維筋痛症（FMS）は、西洋医学では原因不明の慢性疼痛疾患とされ、全身の痛み、倦怠感、不眠、抑うつなど多様な症状を伴います。
東洋医学では、これは「気血（きけつ）」の巡りの異常、「寒湿（かんしつ）」の滞り、あるいは「肝腎（かんじん）」の虚弱によるものと考えます。
以下、体質別に原因を解説し、それぞれの特徴と効果のある代表的なツボを紹介します。
気血両虚（きけつりょうきょ）｜生命エネルギーと血の不足
「気」とは、身体のエネルギーであり、内臓や筋肉を動かし、痛みを防ぐ働きをします。
「血」は、組織に栄養を届け、筋肉や神経の機能を正常に保ちます。
これらが不足すると、筋肉や関節が栄養不足となり、疲労感やこわばり、痛みを生じます。
特徴:
・全身のだるさ・疲れやすさ
・筋肉のこわばり
・眠りが浅く、回復しない
・東洋医学的対応:
効果のある代表的なツボ：
■足三里（あしさんり）
■関元（かんげん）
■三陰交（さんいんこう）
瘀血（おけつ）｜血の滞りによる慢性的な痛み
東洋医学では「不通則痛（ふつうそくつう）」、すなわち 流れが悪くなると痛みが生じる と考えます。
瘀血とは、血流が滞り、筋肉や関節に十分な栄養が行き届かない状態です。
この状態では、特定の部位に「刺すような痛み」が現れ、慢性化しやすくなります。
特徴:
・同じ場所に持続的な痛み
・押すと痛むポイントがある
・皮膚がくすみ、冷えやすい
効果のある代表的なツボ:
■合谷（ごうこく）
■膈兪（かくゆ）
■委中（いちゅう）
寒湿（かんしつ）｜体内の冷えと湿気の停滞
寒湿は、「冷え」と「湿気」 が体内に溜まることで生じる状態です。
とくに、雨の日に症状が悪化する のは、寒湿が影響しているサインです。
冷えがあると血流が悪くなり、湿気が溜まると関節や筋肉が重だるくなりやすくなります。
特徴:
・体が重く、むくみやすい
・寒さや湿気で症状が悪化
・関節や筋肉が腫れぼったく感じる
効果のある代表的なツボ:
■陰陵泉（いんりょうせん）
■豊隆（ほうりゅう）
■中脘（ちゅうかん）
肝腎両虚（かんじんりょうきょ）｜体の根本的なエネルギー不足
東洋医学では、肝は「血を蓄える」、腎は「生命エネルギーの源」とされています。
肝腎が弱ると、筋肉や神経が正常に働かなくなり、痛みや疲労が取れにくくなります。
これは、年齢とともに進行しやすい 傾向があります。
特徴:
・慢性的な疲労感、回復力の低下
・腰や膝が弱い、耳鳴りがする
・精神的な落ち込み、不安感がある
効果のある代表的なツボ:
■照海（しょうかい）
■命門（めいもん）
■太衝（たいしょう）
■肝兪（かんゆ）
以上のように、
繊維筋痛症の治療では「全身の気血の巡りを改善し、体質を整える」ことが重要です。
東洋医学では、繊維筋痛症は「気血の不足」「瘀血」「寒湿」「肝腎の弱り」などが絡み合って発症すると考えます。
鍼灸だけでなく、生活改善を組み合わせることで、痛みの軽減や体質改善が期待できます。
個々の患者さんの症状や体質によって適切なツボの選択や施術方法は異なります。
患者さんお一人お一人の体質に合わせたツボを全身より選択して、実際の施術は行います。
線維筋痛症鍼灸のよくある質問と回答
Q: 線維筋痛症って本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療は線維筋痛症の改善に効果があります。
もちろん、「絶対あなたの症状が改善します」などと「絶対」を言うことはできませんが、痛みの緩和のために最善を尽くします。
鍼やお灸を用いて、自律神経の乱れを緩和し、血流を良くし、痛みの緩和や疲れづらいカラダに整えます。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が慢性疲労にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、様々な不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 線維筋痛症以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、肩こり、腰痛、神経痛、不妊、不眠、食欲不振、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
